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2010年7月11日日曜日

成田山新勝寺「断食参籠(さんろう)修行」(三泊四日)体験記 (2) 断食体験初日-参籠堂に入るまで


             
 さて、いよいよ成田山新勝寺の「断食参籠修行」への出発である。

 まず8時半から9時までのあいだに指定の病院で健康診断書を出してもらわなければならないので、その時間までに成田に入っておく必要がある。


断食開始日の朝

 5時半に起床して、メールを打ったり、さまざまな用事をしておく。断食期間中は、パソコンや携帯電話などの情報機器はいっさい持ち込み禁止の「情報遮断」状態になるので、あらかじめ連絡がとれない旨の告知をしておかねばならないのだ。
 まだ断食に入ったわけではないが、念のために二日前から断食準備に入っていた。食べる量を徐々に減らして胃を収縮させておくのだ。二日前からお粥中心の生活にしていたので、すでに体重は 1kg減少していた。
 当日の朝は健康診断もあるし、昼からいっさい食べてはいけない東南アジアの上座仏教僧侶のように「食べ溜め」というわけにもいくまい。ヨーグルト1つと、黒砂糖の塊を5つかじって水を飲む。黒砂糖はカロリーがあるからこれでカラダはもつはずだ。

 そして出発。三日分の着替えと、デジカメ(これは持ち込み禁止されていない、というか規定がない)、仏教書を5冊を持参する。
 朝から梅雨時の大雨だ。傘をさして行くことになる。


行き先は成田空港駅ではなく成田駅

 海外出張の多かった私は、いつもは京成電鉄で成田空港駅までいくのだが、今回は一駅手前の京成成田駅で「寸止め」である。平日の朝なので反対側の東京方面はものすごい混雑だが、成田方面は比較的すいている。

 京成成田駅からJR成田駅、歩いて病院に向かう。成田参道近道という看板があったので、そこを歩き始めたのは大失敗だった。いつもは京成成田駅からそのままバイパスで成田参道に入っていたのだが、大きな失敗だ。いきなり道に迷ってしまったのだ。
 なんだよせっかく来たのに健康診断受けられなかったら断食に参加できないではないか!一巻の終わりか、とおもったが、なんとか9時までに病院にたどりつくことができた。

 病院では、尿検査と触診のみ。これで3,170円はちと高いような木がしないでもないが、指定病院なので仕方ない。しかも健康保険証が使えない。


曲がりくねった表参道を下ってゆく

 さて病院院長の問診を受けて、診断書をもらったら、あとは表参道を下っていくのみだ。表参道というものは明治神宮もそうだが、下るのが普通なのだろうか? 成田山の場合も、お寺だから山とついているわりには、曲がりくねった参道を下っていくのは不思議な感じではある。

 成田山はいままで初詣のときしか来たことがなかったので、なんだか新鮮な感じだ。
 初詣は人が多いだけでなく、「悔い改めよ!」のエホバの街宣車(!)がうるさいのでいやなのだ。「余計なお世話だ!お前らこそ地獄に墜ちろ!」と怒鳴り返してやりたく思うのだが(・・そんなこと思う自分が地獄行きかもしれないが)、しかし人が集まらないこの時期には「悔い改めよ!」の人たちもやってこないのはありがたい。



 とくに、雨の日の朝は静かである。
 表参道を下って行くとあっという間に山門に到着する。

 場所がわからないので、山門をくぐって大本堂の近くの案内書で聞いてみた。
 「断食修行するのですが、参籠堂はどちらですか?」
 こんな質問は滅多に受けないようで、おばさんは当惑していたようだが、左手を下ったところにあると教えてくれた。なかなか参籠堂までたどりつくのが時間かかるなあ。



 参籠堂は和風の建築物で古色蒼然としている。あとから男子参籠道内にあった図書で調べてみたら昭和39年(1964年)の築造で、現時点では築45年となるわけだ。
 門をくぐって、引き戸をあけて「失礼しまーす」といいながらなかに入る。

 ここでやっと断食修行の受付となる。
 世話係の方(男性)に診断書を渡し、誓約書などに記入し、三泊四日分の6,000円也を収める。
 あとから領収書をいただいたが、もらったはいいが、この領収書はいったいどこで使えるのだろうかと思いながらも、ありがたく受領した。
 なお世話係は男性が二名で、朝5時前から午後3時45分まで通いで来ている。


 ところで、成田山新勝寺の「断食参籠修行」とは何か、ウェブサイトから引用しておこう。


◇断食参篭修行   http://www.naritasan.or.jp/lecture/taiken.html
                                         
 断食参篭(だんじきさんろう)修行は、参篭堂(さんろうどう)で行われています。
 いままで祐天上人、二宮尊徳翁、倉田百三氏、市川團十郎丈、など多数の知名人が断食修行され、お不動さまの加持力を頂き、願いを叶えられています。
 断食道場での修行の目的は、お不動さまのご加護のもと、不動の信念と、心身の鍛錬を体得することにあります 。

期間:2泊3日~6泊7日まで

手続:①下記、断食参篭修行係に連絡をとり、日程の予約を申請して下さい。予約のない方は入堂できません。初めての方は「減食」(事前修行)についての指導も受けて下さい
 ②入堂当日、指定病院にて健康診断(断食者用)を受けて頂きます(金曜日以外の午前中のみ)。その診断書を持参の上、参篭堂までお越し下さい。※指定病院:藤倉クリニック(千葉県成田市幸町483)
 ③参篭堂にて担当者の指導を受け、申込書に必要事項を記入して頂きます。その際、保証人の連絡先等も必要になります。 

費用:灯明料、寝具使用料として2泊3日5千円、4日目以降は追加1日につき1千円ずつ加算されます。

持参品:寝具等は当道場で貸与しますので、日用品程度を携帯して下さい。なお、入堂後の買物は一切できません。

注意点本道場は不動尊信仰に基づく心身鍛練のための道場です。異なる目的のための入堂は固くお断わりいたします。入堂期間中は薬の服用ができませんので、薬を常用している方の入堂はお断わりいたします。本道場は治療施設ではありません。病気治療を目的とした入堂はお断わりいたします。その他、世話係が不適当と判断した場合には、退堂を命じる場合があります。

問い合せ先:成田山新勝寺 断食参篭係
  〒286-0023 千葉県成田市成田1番地 午前9時~午後3時 [年中無休]



 注意書きももらっただけでなく、口頭でなんども注意事項が確認された。薬は持ち込んでないか、ペットボトルの水は持ち込んでないか・・・
 絶対に境内から出てはいけないこと、夜6時以降は参籠堂から出てはならないこと、夜10時が消灯のこと、朝5時から掃除のおつとめに出ること、朝5時半(冬は6時)からの朝護摩にでること・・など念を押される。

 とくに注意されたのが水、についてである。



 小さめの薬罐(やかん)と湯飲み茶碗のセットを渡されながら、成田の水は井戸水を消毒したもので、これだけ飲んでいればまったく問題ないのだが、くれぐれも境内であっても他の水はいっさい口にしないこと、お接待のお茶もだめ、なぜなら刺激物を口にするとたちまち・・・
 そして、薬罐と湯飲みのセットと、布団シーツと枕シーツともって、参籠堂のなかに入ることになる。断食終了後は、これらいっさいを元の場所に戻すようにといわれてから。

 いよいよ、ここからが断食修行の始まりだ。
 すでに足を踏み入れてしまった以上、もうここから一歩も引くことはできないのだ。 


(3)に続く。