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2012年10月20日土曜日

書評 『松丸本舗主義-奇蹟の本屋、3年間の挑戦。』(松岡正剛、青幻舎、2012)-3年間の活動を終えた「松丸本舗」を振り返る




「松丸本舗」が、残念なことに先月9月末をもって三年間の活動を終えてしましました。

丸善丸ノ内本店4階の奥に儲けられた「書店内書店」、「ショップ・イン・ショップ」としての「松丸本舗」は、現代の「知の巨人」である松岡正剛氏がディレクションを行ったリアル書店でした。まさに、松岡正剛の脳内をそのまま「見える化」したような本棚だったといってよいでしょう。

リアル書店がいまや衰退過程にあるというのは否定できない事実ですが、リアル書店体験と図書館体験が、いまのわたしとわたしのライブラリー(蔵書)をつくりあげたことは、否定しようのない事実ですし、多くの人にとってもそれは共通する体験ではないでしょうか。

なにかが形成されるためには、かならずコアとなるものがモデルとして設定され、それを骨格にして枝葉がつけられていくもものだからです。

わたしにとっては、そのコアになたものとは、1980年代前半の一橋大学附属図書館(・・とくに開架式だったいまは亡き小平分館)が、1990年代の書原・杉並本店(南阿佐ヶ谷駅前)でした。

前者は、図書館コードで整理されていたものの、専門関係以外の書籍の「本の蔵」であり、後者はカオス的な「本の森」でありました。ともに、20歳代と30歳代にたまたま出会った図書館であり、リアル書店でありました。

だから、松丸本舗は、すでに骨格ができあがっているわたしと、わたしのライブラリー(蔵書)にとっては、あくまでも「参照系」であったのでした。

もちろん、松岡正剛氏の著作はかなり以前から読んでいて、その「知の巨人」ぶりには憧憬の念を抱いてきたことは、このブログでもすでに何度か書いてきたことです。とくに、その書原で購入した『ブックマップ』(工作舎)ほど影響を受けたブックガイドはほかにないかもしれません。いったい書原では、いくら散財したのか計算すらしたことがありません(汗)

松丸本舗には圧倒されながらも、そこでは一冊も購入したことはありません。その意味では、松丸本舗の存続には、金銭的にはなんら貢献をしておりません。

冒頭に写真を掲載しましたが、「松丸本舗」についての本を、amazonで買うというのもまた、「いま」という時代なのかもと思ってみたりもします。本は重いから、できるだけ書店では購入したくないというのも、偽らざる気持ちです。「松丸本舗」でみた本を丸善丸ノ内店の別のフロアで購入するお客さんが少なくなかったというのも、うなづける話です。

松丸本舗」閉鎖後の10月になってからタイミングよく出版された本書 『松丸本舗主義 奇蹟の本屋、3年間の挑戦。』(松岡正剛、青幻舎、2012)によれば、継続にあたっては、いろいろ問題があったことが示唆されています。

丸ノ内の東京駅前という一等地で店舗スペースを提供していた丸善も、ジュンク堂と一緒に大日本印刷の傘下に入るなど、出版業界をめぐる変化も無視できません。

わたし自身は、出版業界の人間ではありませんが、ビジネスという観点からみたら、文化とビジネスをいかに両立(?)させるのが、いかにむずかしいかは容易に想像できます。

残念ではありますが、「松丸本舗」はあくまでも実験であったというべきなのではないかと思うわけです。特別の思い入れがあったわけではないからでもありますが、ベンチャーとして捉えれば、とりあえず今回は撤収を余儀なくされたとはいえ、また別の形でチャレンジすることもありかな、と。

チャレンジすることに意義があるのです。また、あらたな形でのチャレンジがなされることを期待していますが、それは松岡正剛氏自身によるものでなくてもいい。

じっさい、本書にも書かれていますが、中国・韓国・台湾では、この実験店舗が大いに注目されて視察があいついでいたとか。承継者は日本以外であるのかもしれません。

どんな分野であれ、先駆者というものは、かならずしも成功するわけではないが、しかしそのチャレンジそのものは、かならずや人々の記憶のなかに残るものです。

とりあえずは、この500ページを越える『松丸本舗主義 奇蹟の本屋、3年間の挑戦。』を読んでみるといいでしょう。「松丸本舗」の挑戦とは何であったかがわかるだけでなく、松岡正剛氏の発想を知るうえでも面白い本だといっていでしょう。







目 次

夢か幻か 福原義春
第Ⅰ章 松丸本舗の旋法-われわれは何に挑戦したのか(松岡正剛)
千夜千冊の夜/ブックウェアの誕生/本棚をつくる/本屋の問題/ほったらかしの読書/意外な事態/松丸本舗の評判/背景で動くもの/季節のある日々/記憶とブックパーティ/九条の旋法/一通の私信/本の森・電子の海/青い花
松丸本舗全体図

第Ⅱ章 松丸本舗・全仕事-1074日・700棚・5万冊・65坪
1. 本屋のブランドをつくる
2. 本棚を編集工学する
3. 本と人をつなぐ
4. 目利きに学ぶ
5. 「ものがたり」を贈る
6. 共読の扉をひらく

第Ⅲ章 気分は松丸本舗-各界から寄せられたメッセージ
第Ⅳ章 松丸本舗クロニクル-本だらけ、本仕込み、そして松「○」本舗

あとがき(松岡正剛)


<関連サイト>

【著者に聞きたい】 松岡正剛さん『松丸本舗主義 奇蹟の本屋、3年間の挑戦。』 2012.12.9(MSN産経ニュース) (2012年12月10日 追加)

千夜千冊 1552夜ジェイソン・マーコスキー『本は死なない』(松岡正剛、2014年7月31日)
・・『松丸本舗主義』における実験が取り上げられている


<ブログ内関連記事>

書評 『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』(ウンベルト・エーコ、ジャン=クロード・カリエール、工藤妙子訳、阪急コミュニケーションズ2010)-活版印刷発明以来、駄本は無数に出版されてきたのだ

『ちょっと本気な 千夜千冊 虎の巻-読書術免許皆伝-』(松岡正剛、求龍堂、2007)で読む、本を読むことの意味と方法

「知の風神・学の雷神 脳にいい人文学」(高山宏 『新人文感覚』全2巻完結記念トークイベント)に参加してきた

『随筆 本が崩れる』 の著者・草森紳一氏の蔵書のことなど

書籍管理の"3R"




(2012年7月3日発売の拙著です)

なお、『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房、2012)の「第3章」でも紹介した「松丸本舗」ですが、書籍をおもちの方は、145ページですので、「2012年9月末に閉鎖」と書き加えておいていただけると幸いです。






(2012年7月3日発売の拙著です)







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