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2013年3月20日水曜日

映画 『偽りなき者』(2012、デンマーク)を 渋谷の Bunkamura ル・シネマ)で見てきた-映画にみるデンマークの「空気」と「世間」




伝統的な狭い共同体のなかで生きるとはどういうことか。

伝統的な狭い共同体とは、日本語でいえば「世間」そのものである。デンマークのような北欧世界でも「世間」は存在するということなのだろう。それに該当するコトバがあるのかどうかは知らないが。

この映画の舞台が具体的にデンマークのどこにあるのかはわからないが、自然豊かな土地にある小さな共同体である。時代背景はすでに21世紀であるようだ。この共同体のなかには大型スーパーマーケットもあるし、携帯電話で会話がなされる。

わかるのは、父祖以来の土地に住む者はたいがいが顔見知りで、男たちは集まってはバイキングのように酒盛りをして騒ぐ。そして、鹿を猟銃で仕留める狩猟こそが男の象徴とされつづけてきたようだ。正式にライフルを所持して射撃ができるようになることは、少年が正式に大人の男として認められること。前近代の日本でいえば元服のようなものだろう。

そんな古くて狭い共同体(コミュニティ)のなかで生きる主人公の42歳の男性は元高校教師である。離婚して職を失った結果、幼稚園の職員となった。元高校教師というインテリがつくのが適当な職なのだろうかという印象をもっているのは、主人公のまわりの人々もそうであるようだ。

そして離婚した妻は別の町に住んでおり、携帯電話の会話をとおしてのみその存在がわかる。つまり共同体外の存在なのである。

この主人公が親友の娘で幼稚園児がなにげなくついたウソによって幼児虐待、しかも性的虐待という濡れ衣をかぶせらることから人生が暗転する。思い込みは固定観念と化し、あたかも汚れたものを避けるかのように周囲の人たちからは避けられ、親友からも絶交され、共同体のなかで孤立していく姿は痛々しい。まさに日本の「村八分」そのものである。「空気」が出来上がり伝染していく。

地方においては共同体はキリスト教の教会を中心に形成されており、教会に参列する人はほとんどみなが顔見知りである。狭い共同体のなかでは、いやがおうでも顔を合わせざるを得ない。内村鑑三の名著『デンマルク国の話』というタイトルにもあるように、デンマークはプロテスタント国だ。

変態野郎とののしられ、さまざまないやがらせを陰に陽に受けながら孤立していく主人公は、まるでデンマークを代表する思想家キエルケゴールそのもののようだ。いまでこそ世界的な思想家の一人として認識されているキエルケゴールも、生前はデンマークでは徹底的に嫌われ孤立していたのであった。

人間の尊厳を最後まで失わずに頑張り続ける主人公。共同体から逃げずに踏みとどまる主人公。「世間」のなかで生きるということはどういうことか、まさに目の前につきつけられているような気にさせられる。はたして日本人ならその状況に耐えらるだろうか、と。

ハッピーエンドで終わるかに見えたが、それはラストシーンではなかった。このラストシーンは、見たあとも心のなかで何度も反芻(はんすう)している。人間の心の奥深くに存在し続ける闇について慄然とした思いを抱くことになる。

デンマーク映画といえば、『バベットの晩餐会』(1987年)という名作を思い出すが、興行的にはハリウッド映画には及ばない北欧映画にも、このようなクオリティの高いすぐれた作品があるのだ。





<関連サイト>

『偽りなき者』 公式サイト

Bunkamura ル・シネマ 『偽りなき者』


<映画の概要>

タイトル: 偽りなき者 Jagten
監督: トマス・ヴィンターベア
主演: マッツ・ミケルセン
上映時間 106分
製作:  デンマーク

即断即決!デンマークの超「結果主義」新人でもベテランでも、アウトプットがすべて!(東洋経済オンライン 2013年7月18日)

「幸福大国デンマークのデザイン思考」(ダイヤモンドオンライン連載中)
・・「世界で最も刺激的なビジネススクールとして注目されるデンマークの「The Kaospilots」に、初の日本人留学生として受け入れられた大本綾さん。彼女が世界のデザインスクール最前線での学びをリアルタイムで書き記す「留学ルポ」連載」



<ブログ内関連記事>


新装刊の月刊誌「クーリエ・ジャポン COURRiER Japon」 (講談社)2010年7月号を読む-今月号の特集は「アップルが、世界を変える」
・・「■北欧-その光と影 世界が羨む「理想社会」■  内村鑑三の『デンマルク国の話』以来、日本でも理想社会として讃えられてきたデンマーク。フランス人ジャーナリストが描いた幸福度ランキングNo.1のデンマークのレポートを実に興味深く読むことができました。 デンマークの現状は、記事を読む限り、かつての日本のようでもありますが、現在の日本とはほど遠い、なんだかユートピアの話を聞いているような錯覚にも陥ります・・」。

書評 『「空気」と「世間」』(鴻上尚史、講談社現代新書、2009)-日本人を無意識のうちに支配する「見えざる2つのチカラ」。日本人は 「空気」 と 「世間」 にどう対応して生きるべきか?
・・日本発の概念に「甘え」というものがあったが、「世間」もまた西欧語には該当するコトバがなくても現象そのものは存在するといっていいのではないかと思われる






(2012年7月3日発売の拙著です)





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