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2014年3月18日火曜日

「東京オリンピック」(2020年)が、56年前の「東京オリンピック」(1964年)と根本的に異なること

(水木しげるの『墓場の鬼太郎』(1964年)の一シーン)

いまからちょうど50年前の1964年(昭和39年)、「東京オリンピック」が開催された。

皇紀2600年(昭和15年)を奉祝するために開催が決まっていたものの、日中戦争激化のため返上したために幻となった1940年の「東京オリンピック」が夢と消えてから、敗戦をはさんで24年後に実現したことになる。

敗戦後日本の「戦後復興」のシンボルとして、1964年の東京オリンピックと1970年の大阪万博が位置づけられていたこと、そして見事なまでに「高度成長」として成功したことは日本経済史の「常識」であろう。

東京オリンピックと大阪万博は、対(つい)になっているわけだが、この二大イベントにはさまれた1968年という年が「明治維新百年」であったことも記憶しておいたほうがいい。切手収集家なら記念切手が発行されているので周知のことだろう。

1868年の明治維新から、西欧に追いつけ追い越せというキャッチアップ型の近代化がほぼ完成したのが「高度成長」の成果であった。1945年の大東亜戦争の敗戦で近代化はいったん大きく挫折したものの、悲願ともいうべきジャパニーズ・ドリーム百年の夢が実現したのである。

この1960年代に、日本においては「近代」がほぼ完成したといえる。


1964年の東京オリンピックと2020年の東京オリンピックの違い

ことし2014年は、1964年10月1日に東海道新幹線が開通してから50年、新幹線の開業はオリンピック開催に間に合わせるように突貫工事で行われたものだ。

1964年東京オリンピック前夜を描いたのが、冒頭に掲載xしたマンガ。水木しげるの『墓場の鬼太郎』の一シーンである。『漫画原論』(四方田犬彦、筑摩書房、1994)からの「孫引き」である。

いま建設労働者が足りない(!)というこおtが話題になっているが、東北復興や東京オリンピック関連の「首都改造」で建設労働者が不足しているのである。この点は、1964年の東京オリンピックと2020年の東京オリンピックに共通することだ。

1962年生まれのわたしはまだ物心はついていなかったと思うので、東京オリンピックの記憶そのものはない。だが、1964年当時は「東京オリムピック」と、英語の音に近いオリ「ム」ピックと表記されていたことは知っている。「オリ「ム」ピック」と表記されたカバンが自宅にあったことがアタマのなかに焼き付いている。

(原宿の五輪橋に設置された「TOKYO 1964」と銘の入ったプレート)

2014年現在から振り返れば、1964年当時の日本は「旭日の勢い」の「新興国」そのものであったといえよう。まさにライジングサン(the rising sun)であったわけだ。そして先進国に脱出できたのであった。

先日のことだが、ニュース報道でショッキングな内容の報道があった。「NHKクローズアップ現代」2014年2月10日放送の「舛添新知事に問う 東京の“未来像”」という番組である。

番組のなかで東京都の人口がオリンピックイヤーの2020年にピークを打つことがグラフで示されていた(下図)。


(NHKクローズアップ現代 2014年2月10日放送より)


人口動態からいえば、前回の東京オリンピックの1964年は右肩上がりの上昇曲線であった。これに対して、次回の東京オリンピックの2020年は右肩下がりの下降曲線となるのである。

これが、1964年の東京オリンピックと2020年の東京オリンピックの大きな、そして根本的な違いである。

少子高齢化のトレンドが明らかになることは、いまから33年前の1981年、それはバブル経済前のことであったが、田中康夫のデビュー作『なんとなくクリスタル』(河出書房新社、1981)の巻末につけられた「注」で示されていたのであるが、はたしてどれだけの人が気付いたことだろうか。「出生力動向に関する特別委員会報告」(人口問題研究会)と「54年度厚生行政年次報告書(55年版厚生白書)から抽出した統計数字である。

景気予測ははずれることが多いが、人口動態データだけはほぼ予測からはずれることはない。2020年の東京オリンピック誘致成功は快挙だが、アフター2020年が視野に入っていないと危ない。

わたしは1973年の石油ショックの年が、日本が経済的にピークを打った年だと考えている。この年の前後に、未完成の部分は残していたとはいえ、日本の近代化はほぼ完了したのである。1980年代のバブル経済という狂乱があったが、これが徒花(あだばな)であったことは現在ではほぼ「常識」であろう。

オリンピック開催と万博開催でテイクオフを実現するという「経済発展の日本モデル」は、東アジアでは韓国も中国も踏襲し、ある程度までは成功したのだが、ともに中進国から先進国への脱皮には失敗したようだ。

その意味では、「閉塞感」のつよまる日本ではあるが、韓国や中国よりもマシであると受け取るべきだろう。だから、いたづらに悲観主義に陥る必要はない。といって楽観主義になれというつもりもない。

2020年の東京オリンピックは、上昇気流に乗るテイクオフという「経済発展の日本モデル」ではなく、いかに2020年以降に「ソフト・ランディング」(軟着陸)させるかに重点が置かれるべきだろう。2020年の東京オリンピックはその位置づけ次第でアフター2020年の日本が決まってくるということだ。

言い換えれば、いかに衰退をマネジメントするかということである。

日本政府は、2020年度に財政収支のプライマリーバランス黒字化を国際公約としているが、消費税10%でも実現はきわめて難しいのではないか? だが、2020年の「東京オリンピック」は国家の総力をあげて成功させなくてはならない。となると・・・

すべてを「想定内」に入れておかなくてはならない。


景気は「気」から。必要なのは悲観でも楽観でもなく「現実主義」

英語で経済恐慌のことを大文字で Depression というが、子文字の depression だと抑うつを意味する。景気は「気」からとはよく言われることだが、たしかに抑うつ的な気分では恐慌も招きかねない。

悲観主義は、裏返しでユートピア願望になりかねないという懸念もある。ユートピアという夢は、儲け話という詐欺の形をとって現れることが多い。実現すべき夢ではなく、たんなる白昼夢なのである。

「庶民のささやかな夢」を否定するつもりはまったくないが、スケベ根性からみずから招き寄せた夢は詐欺師が見せてくれる白昼夢なのである。騙されてからでは遅すぎる。幻想はいっさいもたないこと。なにごとも、ほどほどに。

悲観主義にも楽観主義にもならず、現実主義でいくということが、どんな時代であろうと大事なことなのだ。50年前がとりたてて良かったわけではない。これからさらに悪くなるといっても、100年前にくらべたらはるかにマシだろう。事実というよりこ解釈の問題だ。淡々と粛々と、事実を直視して日常生活を現実的に生きること。

必要なのは現実主義というマインドセットである。





PS 「五輪橋」の「TOKYO 1964」のプレートの写真を加えた(2014年5月26日 記す)。

PS2 そろそろビジネス誌でも「2020年後」の特集が増えてきたようだ。現実を見ないと足下をすくわれるだろう。 (2014年7月14日 記す)




<関連サイト>

Population Decline and the Great Economic Reversal (George Friedman, Geopolitical Weekly STRATFOR, FEBRUARY 17, 2015)
・・先進国における「人口減少問題」は、500年つづいた「近代」の終焉とその後を示している。人口減少スピードの早い先進国では資本よりも労働力のほうが希少財となる

次の東京は「五輪後の不況」を避けられるのか 五輪が持続的な成長をもたらすとは限らない (土居丈朗、東洋経済オンライン、2016年8月22日)

(2015年2月18日 項目新設)
(2016年8月22日 情報追加)



<ブログ内関連記事>

書評 『ハーバードの「世界を動かす授業」-ビジネスエリートが学ぶグローバル経済の読み解き方-』(リチャード・ヴィートー / 仲條亮子=共著、 徳間書店、2010)
・・「ジャパン・ミラクル」(=日本の奇跡)というケーススタディから本書が始まるのは、現在に生きる日本人ビジネスパーソンにとっては実に新鮮に写る。 なぜかというと、「ジャパン・ミラクル」とは、1954から1971年までの17年間も続いた、年率10%以上の高度成長期のことだが、これをただ単に手垢のついた表現である「高度成長」と表現してしまったのでは、ああその話ですかと黙殺してしまう可能性が高い。 しかし、これがヴィートー教授の手にかかると、現在の国際ビジネスを取り巻く環境を理解するための出発点になる。  なぜなら、これだけの長きにわたる高度成長は空前絶後であり、これほど国情と国家戦略がフィットして機能した例は他にないからだ。  この「日本モデル」とその応用発展系である「シンガポール・モデル」を押さえて進める議論は、すんなりとアタマに入りやすい。 いまやシンガポールの一人あたりGDPは日本を越えている」

書評 『高度成長-日本を変えた6000日-』(吉川洋、中公文庫、2012 初版単行本 1997)-1960年代の「高度成長」を境に日本は根底から変化した
・・1964年の東京オリンピック、そして1970年の大阪万博で「高度成長」を駆け上がったのがジャパン・モデル。このモデルは、1988年のソウルオリンピック、2008年の北京オリンピックに踏襲された

沢木耕太郎の傑作ノンフィクション 『テロルの決算』 と 『危機の宰相』 で「1960年」という転換点を読む
・・池田勇人首相は、東京オリンピックが無事終了するのを見届けてから、翌日の1964年10月25日に退陣を表明。翌年1965年1月に佐藤栄作を後継者として指名して退陣、8月に永眠した。「政治の季節」から「経済の季節」へのシフトは高度成長への道。社会変革の挫折で行き場を失ったエネルギーは、日本でも韓国でも中国でも「高度成長」に向かって驀進した。2020年の東京オリンピックは、あらたなモデルをつくりだせるか?

書評 『現代日本の転機-「自由」と「安定」のジレンマ-』(高原基彰、NHKブックス、2009)-冷静に現実をみつめるために必要な、社会学者が整理したこの30数年間の日本現代史

マンガ 『ビビビの貧乏時代-いつもお腹をすかせてた!』(水木しげる、ホーム社漫画文庫、2010)-働けど働けど・・・

書評 『終わりなき危機-君はグローバリゼーションの真実を見たか-』(水野和夫、日本経済新聞出版社、2011)-西欧主導の近代資本主義500年の歴史は終わり、「長い21世紀」を生き抜かねばならない

書評 『国家債務危機-ソブリン・クライシスに、いかに対処すべきか?-』(ジャック・アタリ、林昌宏訳、作品社、2011)-公的債務問題による欧州金融危機は対岸の火事ではない!

書評 『国債・非常事態宣言-「3年以内の暴落」へのカウントダウン-』(松田千恵子、朝日新書、2011)-最悪の事態はアタマのなかでシミュレーションしておく

書評 『1995年』(速水健朗、ちくま新書、2013)-いまから18年前の1995年、「終わりの始まり」の年のことをあなたは細かく覚えてますか?

滝川クリステルがフランス語でプレゼンした理由
・・2020年の東京オリンピック誘致に成功した理由の一つ

「セルフブランディング」と「セルフプロデュース」、そして「ストーリー」で「かたる」ということ-「偽ベートーベン詐欺事件」に思う

「ユートピア」は挫折する運命にある-「未来」に魅力なく、「過去」も美化できない時代を生きるということ

「ログブック」をつける-「事実」と「感想」を区分する努力が日本人には必要だ

(2016年8月22日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)





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