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2015年1月4日日曜日

フランスの童謡 「雨が降ってるよ、羊飼いさん!」(Il pleut, Il pleut, bergère)を知ってますか?

(筆者が大学時代に使用したフランス語初級会話テキストより)

ことし2015年は干支でいえば未年(=羊年:The Year of the Sheep)。ヒツジにかんする話題でまずは一つ書いてみたいと思う。ヒツジの存在の意味はきわめて大きいのににかかわらず、日本ではあまり考慮が払われていないようだからだ。

ヒツジは、もともと中国大陸から朝鮮半島を経て古代の日本列島に導入されたらいが、家畜として定着することはなかったようだ。中国文明の中核である漢字を大規模に導入し、羊をそのなかに含む漢字を日常的に多く使用している割には、ヒツジについてのイメージは直接的なものではなく、あくまでも観念的なものにとどまっている。

十二支のなかでは、日本では野生に存在する猿や猪、農耕に使用されてきた家畜の馬や牛とくらべて馴染みは薄い。想像上の動物である龍とくらべてすら、羊は馴染みが薄い。羊年になったのにかかわらず、ヒツジ関連の話題が少ないのは致し方あるまい。

ヒツジは明治時代になってから、あらためて西欧から導入された。そのため、日本ではヒツジは「近代化=西欧化」と密接な関連をもっている家畜なのである。まずは羊毛生産と皮革生産のために飼育が始まったのであり、マトンやラム肉として意識されるようになってから、そう年月がたっているわけでもない。

このような経緯があるので、羊関連の漢字や熟語などを使用していながら、ヒツジというとどうしても西欧的なイメージをもちがちなのである。日本国内の飼育地はアメリカの影響の強い北海道が中心であり、もともと英国の植民地であったオーストラリアやニュージーランドである。したがって、どうしてもアングロサクソン圏の連想が強い。

日本では「ヒツジの歌」というと、「メリーさんの羊」という子ども向けの童謡が有名だが、これはアメリカのものである。参考のために英語の歌詞の冒頭を掲載しておこう。

Mary had a little lamb
Little lamb, little lamb,
Mary had a little lamb
Its fleece was white as snow.

英語の原詩の最後にでてくる雪のように白い fleece とは羊毛のこと。ユニクロの「フリース」で日本語でもすっかり日常的になった。


フランスの童謡 「雨が降ってるよ、羊飼いさん!」

日本ではあまり知られていないが、フランスには「雨が降ってるよ、羊飼いさん!」という童謡がある。

Il pleut, Il pleut, bergère (イル プル、イル プル、ベルジェール)で始まる歌詞がそのままタイトルになっている歌だが、タイトルを仮に直訳しておけば、「雨が降ってるよ、雨が降ってるよ、羊飼いさん」となる。ここにでてくる羊飼い(ベルジェール)は女性である。

この童謡は、わたしが大学一年でフランス語会話の授業を選択したときに知ったもの。先年お亡くなりになった精神科医のなだ いなだ氏の奥様のマダム・ラガッシュに教わったのだが、ルネ・ラガッシュ先生が作成したテキスト『すなおなフランス語』(第三書房、1978)に掲載されていた(・・下記の黄色い本)。

(筆者が習ったフランス語会話のテキスト『見て、聴いて、しゃべる』)

記憶がはっきりしないが、わたしがいまでも保存しているテキストには、童謡の歌詞に線引きがないので、おそらく授業では取り上げられなかったのだろう。だが、フランス語の音声に慣れるために購入したカセットテープで何度も繰り返し聞いているうちに、冒頭の一節はすっかり覚えてしまった。

参考のためにフランス語の歌詞の一部を掲載さいておこう。歌詞は wikisource に収録されている。

Il pleut, il pleut, bergère,
Presse tes blancs moutons ;
Allons sous ma chaumière,
Bergère, vite, allons :
J’entends sur le feuillage,
L’eau qui tombe à grand bruit ;
Voici, voici l’orage ;
Voilà l’éclair qui luit.

仮に日本語訳をつけておけば、こんな感じだろうか。

雨が降ってるよ、雨が降ってるよ、女の羊飼いさん
白いヒツジたちを急かしなさい
藁葺きのおうちに入りなさい
羊飼いさん、急ぎなさい
木の枝のうえで聴こえているよ
すごい音して雨粒が落ちてる
雷雨だね。ほら、稲妻がピカリと光る

この歌は、、wikipedia の記述によれば 1780年に書かれたもので、歌詞にでてくる女羊飼いはマリー・アントワネットのことを指しており、雷雨や稲妻は近づきつつあったフランス革命を暗示しているのだという。フランス革命は、1789年のバスチーユ襲撃から始まった。

なるほど、このような含意があるとは! このことは、いまのいままで知らなかったが、童話や童謡というものは、意外と怖い背景をもっているものだ。そういえば、『ほんとは怖いグリム童話』という本もあったな、と。

ちなみに、フランス語でヒツジはムートン(mouton)という。日本でも羊毛のついた羊皮のカーペットがムートンとして導入された。ムートンは英語に入って羊肉を意味するマトン(mutton)となっている。

英語では生きている羊はシープ(sheep)であり、羊飼いはシェパード(shep-herd)と関連が明確だが、フランス語では羊(ムートン:mouton)と羊飼い(ベルジェ(男):berger、ベルジェール(女):bergère)との関係は明確ではない。

話がちょっと語学方面にそれたが、ヒツジを中心とした牧畜は、アングロサクソン圏以外の欧州でも当然のことながら盛んに行われてきたことは言うまでもない。

フランスにはこんな童謡があることを知っておいて損はないだろう。






<関連サイト>

Il pleut, il pleut, bergère (YouTube)
・・フランス語の歌詞つき


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(2012年7月3日発売の拙著です)













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