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2015年2月4日水曜日

「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」(東京都庭園美術館)-10年ぶりに「アール・デコの館」(=旧朝香宮邸)にいってきた(2015年2月4日)


「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」(東京都庭園美術館)にいってきた(2015年2月4日)。

昨年2014年11月に東京都庭園美術館がリニューアルを終えて3年ぶりにオープンしたが、「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」は、そのこけら落としともいうべき美術展である。家具、磁器、銀器、ガラス、ドレス、彫刻や装飾品の展示はアール・デコ建築の旧館で、絵画作品は総ガラス張りの現代建築である新館で展示されている。

時間をぬって平日の午後に訪れたのだが、この日は幸いなことに晴天に恵まれていた。だが、残念なことに庭園はまだリュニューアル・オープンはしていなかった。2015年3月の予定だそうだ。


展示する美術品と器である美術館のマリアージュ

美術館の建物は旧朝香宮邸。皇族で陸軍軍人であった朝香宮鳩彦王(あさかのみや・やすひこおう 1887~1981)が、第一次世界大戦後の1922年から留学のために3年間滞在していたフランスの最新の流行であったアール・デコを全面的に取り入れて建築した邸宅である。

留学中に自動車事故で重傷を負ったためフランスでの療養生活を余儀なくされ、その結果としてフランス文化により親しむこととなった朝香宮であるが、看病のためフランスに渡った宮后(・・・明治天皇の皇女である)と1925年(大正14年)の「アール・デコ博」、正式には「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」(Exposition Internationale des Arts Décoratifs et Industriels modernes)を観覧したことも、帰国後にアール・デコ様式の邸宅を建てる動機になったようだ。

旧朝香宮邸は、1920年代を代表する美術潮流であるアール・デコでありながら、古典主義的な要素をふんだんに取り入れたものである。だからこそ、「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」なわけなのだ。


したがって、今回の美術展は、展示する美術品と、容れ物あるいは器である美術館のマリアージュともいうべきものになっているのであって、2014年に三菱一号館で開催された「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860~1900」に匹敵するのではないかと思うのである。

じつは、アールデコの館・旧朝香宮邸にいったのは10年ぶりである。前回は、美術展「アールデコ展」(2005年)であったことが、『アールデコの時代』(海野弘、中公文庫、2005 初版単行本 1985)に挟んだままになっていた美術展チケットの存在でわかった。東京都庭園美術館で開催された美術展では、このほか「ポスター芸術の革命 ロシア・アヴァンギャルド展」(2001年)にもいった記憶がある。

10年ぶりの旧朝香宮邸であたが、いつ来てもよくこんな生きた美術館のような邸宅が、戦災にもあわずに行き残ったものだと思う。東京大空襲を生き延びたわけである。

『アールデコの館[旧朝香宮邸]』(増田章久=写真、藤森照信=文、ちくま文庫、1993 初版単行本 1984)によれば、「東京建築探偵団」なる私的サークルを主催していた建築史家の藤森照信氏が、「建築探偵」中の1977年にたまたま「再発見」したことで、世に広く知られるようになったらしい。その当時は、西武鉄道系のプリンスホテルが所有者だったようだ。1983年からは東京都庭園美術館として公開されてている。


アール・デコとは装飾芸術のこと

アール・デコ(Art Déco)とは装飾芸術(Art Décoratif)のことだ。アール・デコの「デコ」はデコレーションの「デコ」。近年の日本では女子を中心に「デコレーション」を略した「デコ」が流行しているが、その「デコ」である。

どちらかといって日本ではアールデコに先行するアールヌーヴォーの認知度のほうが高いが(・・わたしもアール・ヌーヴォーが大好きだ)、1920年代の流行であったアール・デコが日本で再認識されるようになったのは1980年前後のようだ。この頃に、前期の海野弘や山口昌男などが、さかんに「1920年代論」を語っていたことを思い出す。PARCO文化の時代でもあった。

つまるところ、バブル期の日本の1980年代後半は、金ピカ時代といわれた1920年代とよく似ていたのだ。アール・デコは第一次世界大戦後のフランスを中心に展開した様式だが、「複製技術」時代と「大衆社会化」のなか、全面的に花開いたのはむしろアメリカにおいてであった。

1920年代を代表するアメリカの作家フィッツジェラルドの『偉大なるギャツビー』に描かれているように、ジャズ、ダンス、ファッション、パーティー、クルマ、そして摩天楼の時代であり、その時代にポスターを中心とした商業アートの時代でもあった。

この1920年代は、同時代体験として日本もそのなかに含まれていたことは認識して置いたほうがいい。1930年代の満州事変から大東亜戦争で中断したが、1920年代の日本はすでに「先進国」の仲間入りしていたのである。1960年代以降の「高度成長」は、1920年代の未完のプロジェクトの完成を意味している。

そんな時代環境のなか、先にも触れたが朝香宮はアール・デコ発祥の地であるフランスで、直接アール・デコを体験していたわけなのだ。だから、アメリカや日本のアール・デコとは違って、伝統的な美術教育をつうじてフランス美術の基礎となっていた「古典主義」的なアール・デコに親しみをもっていたのだろう。

ミュージアムショップで『旧朝香宮邸のアールデコ』(編集発行:公益法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館、2014)という小冊子(1,000円+消費税)を販売している。ガイドブックとして有益だろう。

アメリカ中心のアール・デコとはすこし違うテイストのフランスのアール・デコを知るには恰好の美術展である。なによりも美術館の建物である旧朝香宮邸じたいが、フランスのアール・デコを体現した第一級の美術品なのだ。







<関連サイト>

「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」(東京都庭園美術館) 公式サイト

特別展「船をとりまくアール・デコ」 (日本郵船歴史博物館(横浜)、2010年2月27日~6月6日)


<ブログ内関連記事>

「美しき挑発 レンピツカ展」にいってきた(2010年4月14日)
・・1920年代に絶頂期を迎えたアールデコの時代に、フランスのパリで、一度見たら必ず記憶に残る、非常にインパクトの強い、現代的な描法で数々の肖像画を残した人である。

満80歳を迎える強運の持ち主 「氷川丸」 (横浜・山下公園)にあやかりたい!
氷川丸の船内意匠
・・「日本郵船歴史博物館」では、特別展「船をとりまくアール・デコ」

「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860~1900」(三菱一号館美術館)に行ってきた(2014年4月15日)-まさに内容と器が合致した希有な美術展

書評 『1914年-100年前から今を考える-』(海野弘、平凡社新書、2014)-「センチュリー」(=100年)の最初の「デケイド」(=10年)をハード・ソフトの両面から振り返る
・・モダンアート

書評 『名門大学スキャンダル史-あぶない教授たちの素顔-』(海野弘、平凡社新書、2010)-奇人変人の巣窟である大学を人物エピソードで描いた英米名門大学史




(2012年7月3日発売の拙著です)











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