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2015年4月20日月曜日

書評 『安倍官邸の正体』(田崎史郎、講談社現代新書、2014)-安倍政権における政策の意思決定がいかなる仕組みとプレイヤーによってなされているのか?


安倍晋三氏が2012年12月の解散総選挙で勝利し、「奇跡の復活」を遂げてから、すでに2年以上がたつ。52歳という若さで総理大臣に就任したのが2006年。だが、その翌年には体調不良により突如退陣。「戦後生まれ初の首相」として、期待の大きさに反比例しての激しい失望が長くつきまとっていた。

「復活」後の安倍首相は、まさに手痛い失敗から学んだ人であることを、みずからの行動でもって証明していると言えるだろう。政策の是非を脇におけば、失意と不遇のなかでの臥薪嘗胆(がしんしょうたん)ぶりには、おおいに学ぶべきものがあるのではないだろうか。

昨年(2014年)12月の解散総選挙によって第三次安倍政権が発足したが、安倍政権は最長で2018年9月までつづくことになる。そうであればなおさら、安倍政権における政策の意思決定がいかなる仕組みとプレイヤーによってなされているか知っておいたほうがいい。

そう思って本書を読むことにした。

著者の田崎史郎氏は、テレビの情報番組にもよく出演する政治記者。35年以上の政治記者生活のなかで、田中角栄元首相以来、数多くの政治家たちを密着取材してきた人だけに、現在進行中の政局だけでなく、日本の「戦後史」のなかでの安倍政権について考察もできる人である。

田中元首相の時代に比べ、政治家が小粒になったといわれる。私はそうは思わない。安倍首相、菅義偉官房長官、石破茂地方創生担当相らは私にとって、熱を感じる政治家だ。(「おわりに」より)

そして、なによりも「国家権力の構造」の解明に力を注いできたと語る。
  
あえて書いておきたい。総選挙は国民の声を聞く機会であると同時に、国家権力をめぐる戦いである、と。(P.13)

本書の内容は、安倍内閣官邸における政策意志決定の仕組みとプレイヤーについて解明したものだ。ここに「国家権力」がある。安倍政権について賛成するにせよ批判するにせよ、まずは事実関係を正確に把握することが重要だという姿勢には大いに同感する。

著者は、「安倍は「愛国的現実主義者」である、と見ている。本書を読めば、著者のこの見方に納得する。わたし自身は、安倍政権の政策については是々非々(ぜぜひひ)で臨むべきだと考えている。憲法改正や安全保障政策には賛成でも、安倍政権の経済政策(・・いわゆるアベノミクス)についてはかならずしも賛成ではない人物と政策は分けて考えるべきだ。わたしも同じく「現実主義者」だからだ。

現時点でもっとも知りたいのは、ことし2015年1月の「自称イスラーム国」に日本人が人質になって惨殺されたテロ事件における安倍官邸内部の情勢判断と対応にかんする事項であるが、本書は2014年12月の出版であり、残念ながらそれまではカバーしていない。政治情勢は時々刻々と変化する。

だが、本書に記述された「安倍官邸における意志決定プロセス」を知れば、どのような仕組みとプレイヤーの関与で意志決定が行われたかは想像がつく。つまり、本書出版以後の政治情勢は、読者にとって応用問題を解くようなものである。

ことしは「戦後70年」。今後も政治課題が山積みであるが、安倍政権がどのように現実主義の立場から取り組んでいくのか、それこそ是々非々で判断するためにも、本書は読んでおくべき本だといえるだろう。





目 次

序 章 「政局を読む力」を養うために
  衆院解散の内幕
 参考にしたのは「死んだふり解散」
 総選挙の本質とは
 財務省の凄まじい「ご説明」攻勢
 公明党の都合
第1章 安倍官邸の「構造」と「正体」
 1. 最高意思決定機関としての「正副官房長官会議」
 2. 一次政権の蹉跌から編み出した「官僚支配の手法」
 3. 問題閣僚への処遇の変化と読売・産経重視の姿勢
第2章 一次政権とは何が「違う」のか
 1. ゴルフの回数が「激増」した理由
 2. ひた隠しにしていた「再登板への渇望」
 3. 「美しい国」路線を引っ込めた背景
 4. 安倍はなぜ靖国参拝を強行したのか
第3章 安倍官邸の実力と問われる真価
 1. 安倍を支える政権の参謀・菅義偉(すが・よしひで)
 2. 実現させた政策とその舞台裏
 3. 今後の不安要素と「ポスト安倍」
おわりに
引用・参考文献/第一次安倍政権発足後のおもな政界の動き

著者プロフィール

田崎史郎(たざき・しろう)
1950年、福井県坂井郡三国町(現坂井市三国町)生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。1973年4月、時事通信社入社。経済部、浦和支局を経て79年から政治部。1982年4月から自民党田中派を担当。政治取材は35年に及び、現在も自民党はじめ民主党、公明党、維新の党、みんなの党などを幅広く取材。同社編集局次長、解説委員長などを経て現在、解説委員。著書に『経世会 死闘の七十日』(講談社、ペンネーム大家清二)があり、同書は『竹下派 死闘の七十日』と改題、加筆の上、文春文庫から実名で出版。ほかに『梶山静六 死に顔に笑みをたたえて』(講談社)、『政治家失格 なぜ日本の政治はダメなのか』(文春新書)。民放の報道・情報番組に多数出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


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・・痛みをつうじて人は目覚める。その学びをどこまで生かし切れるかは本人次第

「是々非々」(ぜぜひひ)という態度は是(ぜ)か非(ひ)か?-「それとこれとは別問題だ」という冷静な態度をもつ「勇気」が必要だ
・・政策とそれを推進する議員を一体化しないこと!

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・・「共通目標がしっかりとしていれば「ナンバー1」と「ナンバー2」の関係は盤石のものがありますが、しかしそうはいっても生身の人間どうし、しかも政治の世界は一寸先が闇というむき出しの権力の場でもあります」

(2015年7月26日 情報追加)





(2012年7月3日発売の拙著です)










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