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2017年8月13日日曜日

書評 『未来の年表-人口減少日本でこれから起きること-』(講談社現代新書、2017)-人口減少によってもたらされる「静かな有事」は、見たくないが直視しなければならない「未来」


『未来の年表-人口減少日本でこれから起きること-』(河合雅司、講談社現代新書、2017)が、ベストセラーになっている。帯には12万部(!)とある。発売わずか2ヶ月でここまで売れていると言うことは、読者が抱く危機感に訴えるものがきわめて大きいからだろう。

本書は2部構成で、第1部は「人口現象カレンダー」。第2部は「日本を救う10の処方箋-次世代のために、いま取り組むこと」。つまり、確実にやってくることが予想される「未来」の想定から「現在」を逆照射する発想法による内容だ。

第1部は、正直いって「見たくない未来」である。だが、それは「いま、そこにある危機」である。すでにことし2017年、この国は「おばあちゃん大国」に足を踏み出しているのである。

インパクトのある「未来年表」は帯に一部が印刷されているが、ショッキングなのはそれだけではない。すでに予兆が見えているものも多々ある。それぞれの項目に該当する世界や業界では、おそらく周知の事実なのであろう。知らないのは部外者だけなのだ。

だkら、こういう形で一冊にまとめられた意味は大きい。「未来」を俯瞰的に眺め、「未来」から逆算的に「現在」の問題点をあぶり出すことに成功しているからだ。



著者は、人口減少によってもたらされる危機を「静かな有事」と呼んでいる。その意味は、北朝鮮の核問題や中国による尖閣危機などとは性格の異なる「有事」だからだ。しかも「目に見えないところで静かに潜行している危機」だけに、気がつきにくい。

第2部の「対策編」は、実行可能性についてはやや疑問がないとはいえない。そんな感想もなくはない。

だが、とくにビジネス界では当たり前となりつつある言説、たとえば「移民導入」や「AI」などが効果的な対応策だという「通説」にかんしては、著者は疑問を投げかけており、読んでいて考えさせられることも少なくない。

「見たいものを見る」、「見たくないものから目をそらす」というのが、無意識のうちに行っている一般的な人間の態度だ。本書は、「見たくない未来」の最たるものだろう。

流行り物には、かならず一度は触れてみるというマインドセットが、とくにビジネスパーソンには必要だ。 たとえそれが「見たくないもの」であっても。

だからこそ、目をそらさず読むべき本なのだ。





目 次

はじめに

第1部 人口減少カレンダー 
 序 2016年、出生数は100万人を切った
 2017年 「おばあちゃん大国」に変化
 2018年 国立大学が倒産の危機へ
 2019年 IT技術者が不足し始め、技術大国の地位揺らぐ
 2020年 女性の2人に1人が50歳以上に
 2021年 介護離職が大量発生する
 2022年 「ひとり暮らし社会」が本格化する
 2023年 企業の人件費がピークを迎え、経営を苦しめる
 2024年 3人に1人が65歳以上の「超・高齢者大国」へ
 2025年 ついに東京都も人口減少へ
 2026年 認知症患者が700万人規模に
 2027年 輸血用血液が不足する
 2030年 百貨店も銀行も老人ホームも地方から消える
 2033年 全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる
 2035年 「未婚大国」が誕生する
 2039年 深刻な火葬場不足に陥る
 2040年 自治体の半数が消滅の危機に
 2042年 高齢者人口が約4000万人とピークに
 2045年 東京都民の3人に1人が高齢者に
 2050年 世界的な食料争奪戦に巻き込まれる
 2065年 外国人が無人の国土を占拠する
   
第2部 日本を救う10の処方箋-次世代のために、いま取り組むこと 
 序 小さくとも輝く国になるための第5の選択肢
 【戦略的に縮む】
  1・「高齢者」を削減
  2・24時間社会からの脱却
  3・非居住エリアを明確化
  4・都道府県を飛び地合併
  5・国際分業の徹底
 【豊かさを維持する】
  6・「匠の技」を活用
  7・国費学生制度で人材育成
 【脱・東京一極集中】
  8・中高年の地方移住推進
  9・セカンド市民制度を創設
 【少子化対策】
  10・第3子以降に1000万円給付
    
おわりに 未来を担う君たちへ
結びにかえて

著者プロフィール

河合雅司(かわい・まさし)
1963年、名古屋市生まれ。産経新聞社論説委員、大正大学客員教授(専門は人口政策、社会保障政策)。中央大学卒業。内閣官房有識者会議委員、厚労省検討会委員、農水省第三者委員会委員、拓殖大学客員教授など歴任。2014年、「ファイザー医学記事賞」大賞を受賞。主な著作に『日本の少子化 百年の迷走』(新潮社)、『地方消滅と東京老化』(共著、ビジネス社)、『中国人国家ニッポンの誕生』(共著、ビジネス社)、『医療百論』(共著、東京法規出版)などがある。 2014年、「ファイザー医学記事賞」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



PS シンクロニシティ?-「現在」を起点にした認識の本2冊

「現在」を起点に「未来」へ、「現在」を起点に「過去」へと認識を展開する。方向性は違うが認識のあり方としては同等だ。

百田尚樹氏のベストセラー『今こそ、韓国に謝ろう』 (飛鳥新社、2017)のkindle版 の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」で隣り合わせになっていた「未来年表」と「逆回し」。読者もなかなかいいチョイスをしているな、と。

(amazonサイト 2017年8月13日時点)

もちろん、瞬間風速的な偶然なので、『未来の年表』(講談社)『ビジネスパーソンのための近現代史の読み方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、出版社も違うし、したがって編集者も違うので直接的な関係にはありません。「未来年表」の著者とは面識もありません。

とはいいながら、『正論』(2017年9月号)では「読書の時間」で、ともに「書評」として見開き2ページで取り上げられているので、たんなる偶然とは見なせないかもしれないかな、と思ってみたりもして・・・。出版時期も近いし、まったく無縁とはいえないのかも。まさかそこまで考えて選書はしていないと思いますが。

著者プロフィールをみると、著者の河合雅司氏は1963年生まれとある。1962年生まれのわたしとは同世代ではないか!

こういうのを「シンクロニシティ」というのかな?


(月刊誌『正論』2017年9月号の「読書の時間」 P.326~329)


<関連サイト>

「2042年に最大の危機」 『未来の年表』河合雅司氏に聞く (ブック・アサヒ・コム、2017年7月20日)

(2017年8月21日 項目新設)


<ブログ内関連記事>


「東京オリンピック」(2020年)が、56年前の「東京オリンピック」(1964年)と根本的に異なること
・・2020年が東京のピークになるという現実は、すでにオリンピック開催が決定した2014年には指摘されていた

書評 『東京劣化ー地方以上に劇的な首都の人口問題-』(松谷明彦、PHP新書、2015)-東京オリンピック後がこわい東京。東京脱出のすすめ!?

書評 『なぜローカル経済から日本は甦るのか-GとLの経済成長戦略-』(冨山和彦、PHP新書、2014)-重要なのはグローバルではなくローカルだ!


■人口問題と移民・難民

書評 『自爆する若者たち-人口学が警告する驚愕の未来-』(グナル・ハインゾーン、猪俣和夫訳、新潮選書、2008)-25歳以下の過剰な男子が生み出す「ユース・バルジ」問題で世界を読み解く
・・「1900年まではヨーロッパの人口は総計4億6千万人、すなわち世界人口の 1/4 がヨーロッパ人だった(!)のだが、いまや世界におけるムスリム人口は 2010 年に 16 億 人を超え、2030 年には世界人口の 26% に達すると推計されている。2030年には世界人口の 1/4 がイスラームを信じるムスリムとなるのである! (・・中略・・) いま欧州各地で蔓延する極右も、思想的なものというよりも、労働力過剰による失業率高止まりが原因と考えるべきだろう。「人口増大」はなくても仕事が減れば労働力過剰となる。そう考えれば、日本でも同様の状況にならないという保証もない。」
      
『移住・移民の世界地図』(ラッセル・キング、竹沢尚一郎・稲葉奈々子・高畑幸共訳、丸善出版、2011)で、グローバルな「人口移動」を空間的に把握する
    
欧州に向かう難民は「エクソダス」だという認識をもつ必要がある-TIME誌の特集(2015年10月19日号)を読む

『単一民族神話の起源-「日本人」の自画像の系譜-』(小熊英二、新曜社、1995)は、「偏狭なナショナリズム」が勢いを増しつつあるこんな時代だからこそ読むべき本だ
・・「植民地を抱えていた「戦前」は多民族国家が常識であったのに対し、植民地を失って縮小した「戦後」は単一民族国家が常識となった」


■先を読むにために必要なこと

『大本営参謀の情報戦記-情報なき国家の悲劇-』(堀 栄三、文藝春秋社、1989 文春文庫版 1996)で原爆投下「情報」について確認してみる
・・予兆や徴候からいかに先読みするかについて。元陸軍情報将校の痛切な回想




(2017年5月18日発売の新著です)


(2012年7月3日発売の拙著です)







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