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2019年1月7日月曜日

村田沙耶香という作家はすごい!-『コンビニ人間』『消滅世界』『殺人出産』を読んでみた


ふだん小説はほとんど読まない人なのだが、たまには小説も読むべきだなと強く思った年末年始であった。 

2016年度の芥川賞を受賞した村田沙耶香という作家と、受賞作の『コンビニ人間』という作品は気になっていた。ブームになったからといって飛びつかないのが私の性格だが、ブームが去ったあとも、ずっと気にはなっていたのだ。 

昨年になって文庫化されたので、そのほかの作品とあわせて、まとめて年末年始に読んでみた。そしたら、すっかりその世界にはまってしまったのだ。 

読んだのは、まずは年末に『コンビニ人間』、つづけて『消滅世界』、そして年始になってから『殺人出産』。いずれの作品も、よくこんなこと考えるなあというのが正直な感想。ある種の思考実験なのだが、世の中で「正常」とされている価値観と、「正常」ではないとされている価値観が、じつは相対的な関係にしかすぎないことが、いやおうなく明らかにされてしまう。 それは通時的なものであり、共時的なものでもある。

この3作のなかで、個人的にいちばんいいと思うのは『コンビニ人間』。近未来というよりも、現在を描いた作品。完全にというわけではないが、ある種の共感めいたものを感じることができる。無言の圧力をもって迫ってくる「世間の常識」への対処の仕方として、共感する人も少なくないのではないかと思う。 

いちばん衝撃的なのは『殺人出産』。近未来を描いたSFというべきなのか、すでに現在進行形の話であるのか、小説を分類するジャンルについてはさておき、『消滅世界』よりも発想がぶっとんでいる。 

『消滅世界』もまた、ふつうの人間の発想ではないのだが、小説のラストは想像できなくもない。セックスを否定し、性を管理する社会(=共同体)をユートピアとして設定したという事例は、中世フランス南部のカタリ派や19世紀米国のシェイカーなど、過去の歴史になんどか登場しているからだ。

ある人にとっては主観的にユートピアであっても、別の人にとっては主観的にディストピアでしかないかもしれない。「理想社会」というのはそういうものだ。その理想社会の実験都市が千葉県に設定されているのは、作家の出身地がそうだからだろうが、いま千葉県に住んでいる私には、読みながら不思議な感覚も覚える。 

だが、人口増加のために設定された「10人生んだら1人殺していい(!)社会制度」という発想があまりにもぶっ飛んでいる『殺人出産』は、より身体的要素が強い作品だ。フィクションであり空想世界の話なのだが、リアリティがありすぎる。こういう内容は、女性にしか書けないものだろう。 まさに小説でしか描けない世界。

小説でしか描けない世界で、近未来をシミュレーションすることも必要なことだ。この作家の作品に描かれた世界が現実化するかどうかは別にして、現在の日本が、いや世界がそういう方向に進んでもおかしくないような気もする。 

村田沙耶香という小説家の作品は、好き嫌いが大きくわかれるだろうが、読むに値するものだと強く思う。すくなくとも私は、すっかりはまってしまった。











著者プロフィール 
村田沙耶香(むらた・さやか) 
1979年千葉県生まれ。小説家。玉川大学文学部芸術学科芸術文化コース卒業。2003年、「授乳」で第46回群像新人文学賞優秀作受賞。09年、『ギンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞受賞。13年、『しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞受賞。16年、「コンビニ人間」で第155回芥川賞受賞。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


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