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2020年5月5日火曜日

書評『唯葬論 ー なぜ人間は死者を想うのか』(一条真也、サンガ文庫、2017)-「なぜ生者は死者を弔うのか?」という問いを18の視点から論じ尽くした渾身の一冊 


先日(2020年4月25日)に父が急逝してから、2年前に購入し、積ん読のままだった本を読む。この本ほど、そんな状態の自分にとって読むのがふさわしい本もあるまい。

それが、唯葬論-なぜ人間は死者を想うのか-』(一条真也、サンガ文庫、2018 読んだのは、初七日となる5月1日のことだ。ほぼ一気読みした。

葬儀会社の社長で、葬儀業界の論客による本。著者は集大成となる1冊だとしている。

共同幻想論(吉本隆明)、唯幻論(岸田秀)、唯脳論(養老孟司)の流れを組み、そのネーミングにあやかったのが「唯葬論」である。シンボル操作するのが人類。「唯葬論」はシンボル操作するホモ・シンボリスク(カッシーラー)の系譜のなかにある。

ネアンデルタール人が死者を丁重に扱っていたことは、考古学の発掘調査から明らかになっているネアンデルタール人は、現生人類であるホモ・サピエンスの直接の祖先ではないが、間違いなく引き継がれているはずだ。

 「なぜ葬儀が大切なのか」を、著者は全18章で論じ尽くしている。この問いは、「なぜ生者は死者を弔うのか」と言い換えてもいい。

死者を弔うことは、対象である死者にとってだけでなく、遺された者たちのためでもある。葬儀を手順どおりに行うことが、いかに大事なことであるか、自分自身も一連のプロセスを体験することで、強く実感している。

きわめて多くの本からの引用は、博覧強記の著者ならではだが、引用で埋め尽くすことで論拠を補強するだけでなく、著者の多くがすでに故人であることを考えれば、読書と本文からの引用は、そのまま供養ともなる。

「 宇宙論」「人間論」「文明論」「文化論」「神話論」「哲学論」「芸術論」「宗教論」「他界論」「臨死論」「怪談論」「幽霊論」「死者論」「祖先論」「供養論」「交霊論」「悲嘆論」「僧議論」という全18章で論じ尽くした壮大な「唯葬論」。

とにかく読みごたえのある1冊だ。ぜひお薦めしたい。






著者プロフィール 
一条真也(いちじょう・しんや) 
1963年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。作家。株式会社サンレー代表取締役社長。全国冠婚葬祭互助会連盟会長。九州国際大学客員教授、冠婚葬祭総合研究所客員研究員。2012年、第2回「孔子文化賞」受賞(同時受賞は稲盛和夫氏)。主な著書に『儀式論』(弘文堂)、『決定版 冠婚葬祭入門』『決定版 おもてなし入門』(以上、実業之日本社)、『葬式は必要! 』『ご先祖さまとのつきあい方』(以上、双葉社)、『世界一わかりやすい「論語」の授業』(PHP研究所)、『はじめての「論語」』(三冬社)、『慈経 自由訳』(三五館)、『般若心経 自由訳』(現代書林)、『人生の修め方』(日本経済新聞出版社)など多数。


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・・シャマニズムとしての儒教、葬送儀礼の本質、先祖祭祀が根本にある日本人の宗教観念は儒教に由来し東アジア共通



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