「アタマの引き出し」は「雑学」ときわめて近い・・日本マクドナルド創業者・藤田田(ふじた・でん)に学ぶものとは?

◆「アタマの引き出し」つくりは "掛け算" だ : 「引き出し」 = Σ 「仕事」 × 「遊び」
◆酒は飲んでも飲まれるな! 本は読んでも読まれるな!◆ 
◆一に体験、二に読書、その体験を書いてみる、しゃべってみる!◆
◆「好きこそものの上手なれ!」◆

<旅先や出張先で本を読む。人を読む、モノを読む、自然を読む>
トについてのブログ
●「内向きバンザイ!」-「この国」日本こそ、もっとよく知ろう!●

■■ 「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回 ■■
 総目次はここをクリック!
■■ 「成田山新勝寺 断食参籠(さんろう)修行(三泊四日)体験記 」全7回 ■■ 
 総目次はここをクリック!
■■ 「庄内平野と出羽三山への旅」 全12回+α - 「山伏修行体験塾」(二泊三日)を中心に ■■
 総目次はここをクリック!


「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!

「個」と「組織」のよい関係が元気をつくる!
ビジネス寄りでマネジメント関連の記事はこちら。その他の活動報告も。最新投稿は画像をクリック!



ご意見・ご感想・ご質問 ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、コピー&ペーストでお願いします。

© 2009~2025 禁無断転載!



ラベル ナマズ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ナマズ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年9月1日水曜日

防災の日に「特集展示 鯰絵のイマジネーション」(国立歴史民俗博物館)にいってきた(2021年9月1日)― この鯰絵のコレクションはすばらしい


本日(9月1日)は「防災の日」。いまから98年前の「関東大震災」(1923年)にもとづくものだが、2011年の「3・11」の「東日本大震災」のインパクトが強すぎて、「防災の日」のアピール力が低下しているかもしれない。 

そんな「防災の日」だが、「鯰絵」(なまずえ)を見に行ってきた。千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館の特集展示「鯰絵のイマジネーション」(会期:2021年7月13日~9月5日)。 

「鯰絵」とは、幕末の江戸を直撃した「安政の大地震」直後に大量に製作され、販売された浮世絵のことだ。

「安政の大地震」は、幕末の安政2年10月2日(=1855年11月11日)午後10時ごろに関東地方南部 で発生したM7クラスの直下型大地震。大きな被害が出ており、幕府崩壊の原因の一つとさえている。水戸藩家老の藤田東湖が、この大地震で亡くなったことはよく知られている。


鯰絵は、日本人が地震の元凶とみなしてきたナマズを擬人化したもので、さまざまなテーマで構成されている。日本人の「民衆的想像力」がフルに発揮されたものだ。


鹿島神宮の鹿島神や要石(かなめいし)が登場するもの以外にも、さまざまなバリエーションがあって面白い。金持ちが、尻から金銀を捻りださされている絵も面白い。生き残った糸立ちは、こんな鯰絵を見ては憂さ晴らしをしていたのだろうか。

鯰絵はその大半が、無申請・無許可ゆえ、発行元のデータなしとのことだ。出版元がこれは売れると判断したからである。風説の流布による人心の動揺を怖れたからであろう、幕府が発行を禁止している。

浮世絵だから当然のことながら製作は分業制だが、文字部分を担当したのが仮名垣魯文もその一人だったというのが興味深い。明治時代初頭の戯作小説『安愚楽鍋』や『西洋道中膝栗毛』などで有名な人物だが、こんなところでその名前を目にするとは思わなかった。


今回の特集展示で興味深く思ったのは、日本人はもともと地震の元凶をナマズとは見なしていなかったという歴史的事実だ。

もともとは日本列島を囲んだ龍(ドラゴン)が原因とみなしてきたのだが、17世紀の半ば以降にナマズに変化していったのだという。ここらへんは、もうすこし突っ込んで調べてみたいところである。 

貴重な民間の個人コレクション200点の一括展示は、今回がはじめてとのことで、見応え十分であった。このコレクションは、人類学者のレヴィ=ストロースが大いに関心を示して、高く評価していたという。オランダの人類学者アウエハントの古典的研究書『鯰絵』の影響もあるらしい。

図録も購入、これは価値あるものとなっており、ぜひ入手することをすすめたい(1,870円)。

ついでに「特集展示(第4展示室)「エビスのせかい」(2021年7月27日~2022年1月10日)もみてきた。「笑う門には福来たる」。古事記に登場するの蛭子(ひるこ)が転じて蛭子(えびす)となる。つくづく日本というのは面白い国だと思う。

また、毎度のことながら、常設展示も回遊。何度いっても、江戸時代の展示はすばらしい。江戸時代の展示と民俗学の展示スペースをいっしょにしたらいいのにと思うのだが・・





<ブログ内関連記事>






(2025年1月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end

2011年3月27日日曜日

「地震とナマズ」ー ナマズあれこれ 


原因がプレートであろうが、巨大ナマズであろうが、地震は人間のチカラでは制御できない存在だ

 日本では江戸時代までは、地震の原因は巨大ナマズが暴れるからだと一般大衆には信じられてきました。日本列島は巨大なナマズの背中に乗っているのだ、と。残念ながら、今回も巨大ナマズが大暴れしました。

 江戸時代の「鯰絵」(なまずえ)をみていると実に面白いものがあります。「安政の大地震」(1855年)後に大量に発行されて、ひろく一般庶民のあいだで流通したものです。

 「安政の大地震」は、1855年11月11日に発生した大地震で、震源は東京湾北部・荒川河口付近、現在からの推測値では M6.9、死者約4300人、倒壊家屋約1万戸といわれています(wikipedia の記述による)。

 こころみに Google の画像検索で「鯰絵」で調べてみてください。実にさまざまなテーマがでてきます。冒頭に掲げたものは、そのなかでももっとも有名なものです。大地震を引き起こした大ナマズを、江戸の町人たち懲(こ)らしめているもの。

 鯰絵を見ていると、現代の日本人は、さまざまな感性が衰えてしまっている気がしてなりません。

 現在では、ナマズが暴れて地震を起こすなどとは日本人は考えていませんが、ナマズには地震の予知能力があるようです。ただし、これについては必ずしもナマズには限らないようです。地震のまえに鳥の集団がいっせいに飛び立ったり、さまざまな事象が観察されています。

 地震は人間のチカラでは抑えようがないのも事実です。今回の大震災でも、出てくるのは「想定外」、「想定外」というあきらめを誘発しがちな無責任な発言ばかり。結局のところ、科学には限界があるのです。とくに実験室で観察することが不可能な地球科学は、その最たるものだといっていいかもしれません。

 大自然のチカラはちっぽけな人間からみれば、まったくあなどれません。地震を起こす原因がプレートにあることも、定説になってからまだ30年もたってない理論に過ぎません。

 江戸時代の日本人がナマズが原因であるとしていたのを笑うのは簡単ですが、大自然のチカラはちっぽけな人間からみれば、まったくあなどれないことを悟っていた点、現代人よりも上であるかもしれません。

 「科学信仰」をしている現代人のあやまち日本人がほんらいもっていたイマジネーションや、諧謔精神、そして風刺精神の復活が必要だという気もしてきます。


「鯰絵」にいちばん最初に着目したのはオランダの人類学者


 恵比寿様が瓢箪(ひょうたん)で大ナマズを押さえようとしている、ユーモラな鯰絵です。ヌルヌルとしたヌメリがあるのはウナギだけでなく、ナマズも同じ。恵比寿様でも制御が難しいのが地震なわけですね。

 もともとは「瓢箪鯰」(ひょうたんなまず)というテーマは中国からきたもの。「瓢鯰図」(ひょうねんず)というテーマから来ているようです。

 「鯰絵」をテーマに研究を行い、大冊にまとめあげたのは、オランダの人類学者コルネリウス・アウエハントです。私は、日本語訳の『鯰絵-民俗的想像力の世界-』(コルネリウス・アウエハント、宮田登=解説、小松和彦/中沢新一/飯島良晴/古家信平=共訳、せりな書房、1979)という本を、大学1年か2年のとき、開架式の大学図書館で見つけて、借りて読みました。

 日本民俗学の成果を十分に吸収したうえで、日本人が本格的に手をつけていないテーマを取り扱った本です。400ページ以上もある大冊ですが、実に興味深い内容の本であったことを覚えています。

 帯にはこう書いてあります。すぐれた要約になっています。

「日本文化に潜む<野生の思考>を探る 安政二年の大地震の直後、江戸市中に<鯰絵>とよばれるユーモアと風刺に富んだ版画が流行した。「地震は鯰が引き起こす」という民間信仰の隠れた思考構造を神話、民衆文化、大津絵の中に探ったユニークな日本文化論。」

 参考までに目次を紹介しておきましょう。

口絵(カラー白黒多数)
日本語版への序文-C.アウエハント
まえがき
第一部 鯰絵への招待
 第1章 鯰絵
 第2章 伝説
 第3章 破壊者-救済者としての鯰
第二部 さまざまなテーマ
 第1章 はじめに
 第2章 石と鯰
 第3章 瓢箪鯰
 第4章 テーマの構造
第三部 隠れた意味-むすびにかえて
 第1章 テーマ、シンボル、構造
 第2章 危機的出来事としての地震
付録 スサノオ論覚書
文献目録
解説 宮田登
訳者あとがき
索引 地図

 目次をみればテーマはほぼ出尽くしていると思いますが、今回の大地震の震源地のひとつでもあった茨城県には、鹿島神宮の「要石」(かなめいし)についてはふれておきましょう。

 鹿島神宮の鹿島大明神が、大ナマズの上に石を置いて動けないようにしていると伝承されています。私も数年前に見に行ったことがありますが、思ったよりも小さい自然石で、えらく小さな石だなあと思ったことがあります。

 鹿島神宮で「要石」について知っている人や、実際に見たことのある人は、やはりこの下で大ナマズが暴れたのかあ、という思いを抱いた人も少なくはないと思います。実際に、鹿島神宮じたいも被害を受けているようです。
 
 アウエハントの研究では、ナマズと地震、地震と世直し、世直しとナマズ・・と、江戸時代の日本人のあいだでは連想が拡がっていったことにふれていますが、今回の大震災も、間違いなく「世直し」の機会となることでしょう。

 「危機管理がないという危機」は、とくに震災と津波によって引き起こされた「原発事故」の問題に集中的に現れています。

 「原発事故」問題に限らず、いままで見えなかった本質というか、隠されてきたものが見えてしまった・・・。これが「世直し」のキッカケにならないはずがないからです。


ナマズあれこれ

 ちょっと話題を変えましょう。

 ナマズは英語ではキャットフィシュ(catfish)といいます。いわゆる「ナマズヒゲ」があるから「ネコサカナ」というわけですね。日本人は、ナマズの顔にネコは連想しませんが、英語人の発想も面白いものがあります。

 ヒゲといえば、ナマズヒゲではありませんが、「ヒゲの殿下」ならぬ「ナマズの殿下」といえば秋篠宮様。

 秋篠宮殿下は、天皇家の家学ともいうべき生物学の正当な継承者ですが、かつてはよく「ナマズの殿下」と呼ばれていました。でもこれは昔の話、いまは専門として取り組んでおられるのは、ニワトリがいつどこで「家禽」となったか、です。
 これについては、このブログでもすでに紹介しました。本の紹介 『鶏と人-民族生物学の視点から-』(秋篠宮文仁編著、小学館、2000) 、そしてラオスのことなど


 「昔取った杵柄」というわけでしょうか、秋篠宮殿下は『鯰-魚と文化の多様性-』(滋賀県立琵琶湖博物館編、サンライズ出版、2003)という本の冒頭に収められた鼎談に参加しておられます。シンポジウムで行われた鼎談です。

 同書によれば、日本列島においては、ナマズはもともと西日本にしか生息していなかったらしい。東漸北進したわけですね。これは日本全国に分布する遺跡の発掘品調査から判明いていることです。


食べるとうまいナマズ料理

 私が、ナマズをいちばん最初に食べたのは、いまから10数年前のバンコクですが、タイをはじめとするインドンシア半島では、ナマズは水田とは切っても切れない関係にあり、よく食べられています。私も好きでナマズ料理は好きでよく食べています。

 バンコク市内のスーパーマーケットでも、ナマズはそのままの形で売られています。家庭で調理する人もいるのでしょう。日本と違って、魚の種類の少ないタイでは、ナマズはポピュラーな魚です。

 もちろん、日本でもナマズは食用にされています。関東では埼玉県にはナマズ料理を出す、川魚専門店も多いようです。東京では、町屋に「どじょっこ」というドジョウとナマズ料理専門店があります。 http://www5.ocn.ne.jp/~dojokko/index.htm

 このお店では、唐揚げさまざまなナマズ料理を食べることができます。いつも混んでいるので電話して確認してみてください。


 *****************************


 ナマズにからめた連想で、つれづれとさまざまな話題にふれてみました。

 「安政の大地震」後の江戸の人たちのように、風刺精神や諧謔精神を発揮するような精神状態には、まだなっていないかもしれませんが、日本人の底力(そこぢから)がどこにあるのかを、過去に振り返ってみることも必要なことだと思う次第です。



PS 鯰絵-民俗的想像力の世界-』(コルネリウス・アウエハント、小松和彦/中沢新一/飯島良晴/古家信平=共訳)が岩波文庫から文庫化されました! この機会にぜひ! (2013年7月12日 記す) ウナギが絶滅危惧で高くなるのならナマズを食べればいいではないか(笑)





<ブログ内関連記事>

本の紹介 『鶏と人-民族生物学の視点から-』(秋篠宮文仁編著、小学館、2000) 、そしてラオスのことなど
・・秋篠宮の研究成果を一般向けに紹介した本の紹介

おもしろ本の紹介 『アフリカにょろり旅』(青山 潤、講談社文庫、2009)-爆笑珍道中、幻のウナギ「ラビアータ」を捕獲せよ!

(2014年11月22日 情報追加)


(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end

2010年3月23日火曜日

本の紹介 『鶏と人 ー 民族生物学の視点から』(秋篠宮文仁編著、小学館、2000)ー ニワトリはいつ、どこで家禽(かきん=家畜化された鳥類)になったのか?






ニワトリはいつ、どこで家禽(かきん=家畜化された鳥類)になったのか?

 秋篠宮殿下というと「ナマズの殿下」、という連想があるのではないだろうか?

 実は私も数年前までは、そういう固定観念をもっていた。ナマズの調査のために、ひんぱんにタイにいかれてメコン川で調査している、と。

 ところが、殿下におかれては、主要な研究テーマはナマズからニワトリに移っておられた。このことを知ったのは本書によってである。

 出版されたのは2000年、すでに10年前だが、案外この事実を知らない方が多いのではないかとおもって、あらためて学術書である本書を紹介する次第である。

 テーマは、ニワトリはいつ、どこで家禽(=家畜化された鳥類)になったのか

 殿下はこのテーマを1988年から2年間のオックスフォード大学大学院において、最初はミトコンドリア DNA をもちいた遺伝子レベルの研究から始めている。だが、家禽化のプロセスは自然変異ではなく、人間の手によってなったのではないか、という問題意識から、生物学のアプローチと文化人類学のアプローチを融合した研究を行うに至った。家禽の生息する生態系は、そこに居住する住民の民俗全体から捉えねばならないという考えからである。

 東南アジアのインドネシア、タイ、フィリピンでのフィールドワークをつうじて探求してきた研究成果は、ついに中国雲南省のタイ族居住地域であるシップソンパンナー(西双版納)において・・・・。この続きは直接確かめていただきたい。

 昭和天皇は変成菌(=粘菌)とヒドロ虫今上天皇はハゼの分類学、そして天皇家三代の学問である生物学、その直系の後継者である秋篠宮殿下の研究テーマはナマズと家禽(かきん)。

  『殿様生物学の系譜』(科学朝日編、朝日選書、1991)という本があるが、生物学研究は欧州でも日本でも貴族の趣味として始まった経緯がある。山階鳥類研究所総裁の秋篠宮殿下の場合も、めぐまれた立場にいるといえばそのとおりだが、その環境におぼれず、地道に研究を続けておられる学究であることがうかがわれる。

 本書の最終章に収録された、本書の寄稿者の学者たちとの座談会は、研究の発想もふくめて、全体像を知るうえで興味深い。

 秋篠宮妃紀子殿下による、タイ族の民俗文化にかんする、音楽と舞踊の研究についてのお話もたいへん興味のあるものだ。
 
 ニワトリに関心のある人も、タイをはじめとする東南アジアに関心のある人も、せめて本書は存在だけでも知っておいてほしいものである。できればぜひ手に取って読んでほしい。


画像をクリック!



<初出情報>

■bk1書評「ニワトリはいつ、どこで家禽(=家畜化された鳥類)になったのか?」投稿掲載(2010年1月8日)

 *再録にあたって字句の一部を修正した。


(バンコク市内の7-11店舗前の軍鶏の像 まさに「鶏と人」! 筆者撮影)


<書評への付記>

秋篠宮殿下と東南アジア皇室外交

 本日(2010年3月23日)、秋篠宮殿下は学習院女子高等科をご卒業されたばかりの長女の眞子様をともなわれて、家禽(かきん)類の調査研究などのため、ラオスへの私的訪問の旅に出発された。

 本来は、タイ王国とラオス人民民主主義共和国の二カ国の訪問の予定であったが、バンコク情勢が不測の事態が発生しかねないので、取りやめとなったのは当然といえば当然だろう。秋篠宮殿下にとってはたいへん残念だろうし、またタイ王国の王室関係者にとっても残念なことだとお察しする。帰国は3月28日とのことだ。

 秋篠宮殿下については、皇孫誕生という皇位継承の面ばかりが強調されて報道されるきらいがあるが、本来は物静かな学者肌の人であり、実際にフィールドワーカーとして、研究者としての業績も顕著なものがある。また、国民に無用な迷惑はかけるべきでないというお考えの持ち主である。

 そんな秋篠宮殿下の研究テーマが、今回取り上げた「家禽」の研究であり、この面での研究成果は画期的なものだといってよい。ひろく日本国民は秋篠宮殿下の研究成果を本書をつうじて知ってほしいものだと思う次第である。

 私的訪問とはいえ、こういった形で秋篠宮殿下が東南アジア皇室外交を行っていただくことは、「東南アジア派」の私からみればありがたい限りである。バンコク情勢が安定化し、タイ王国への訪問がスムーズに実現することを願う。



PS 読みやすくするために改行を増やし一部加筆した。「鶏と人」にかんする写真を1枚くわえた。<ブログ内関連記事>をあらたにくわえて参考記事が簡単に閲覧できるようにした。 (2014年2月1日 記す)。




<ブログ内関連記事>

「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中)

タイのあれこれ (10) シャム猫なんて見たことない・・・
・・食用の軍鶏(しゃも)はシャム(=タイ)から日本に伝来したのであった!

書評 『観光(Sightseeing)』(ラッタウット・ラープチャルーンサップ、古屋美登里訳、2007、早川書房 2010 に文庫化)-若手タイ人作家による「英語文学」
・・この小説集に「闘鶏師」(Cockfighter)とういう短編がある。タイ人はほんとうに賭博好き。昔から人気があるのが闘鶏。そんな闘鶏にはまり込んで、財産を食いつぶして家庭を崩壊に追い込む父。そしてそれを見守る娘

『東南アジア紀行 上下』(梅棹忠夫、中公文庫、1979 単行本初版 1964) は、"移動図書館" 実行の成果!-梅棹式 "アタマの引き出し" の作り方の実践でもある
・・タイを出発点にした東南アジアのフィールドワークの記録

タイのあれこれ (15) タイのお茶と中国国民党の残党
・・雲南省から南下した中国国民党の残党はビルマを経てタイに定着

タイのあれこれ (12) カオ・マン・ガイ(タイ料理) vs. 海南鶏飯(シンガポール料理)・・・
・・タイの華人は潮州出身の Overseas Chinese がメインだが、近年は雲南省などからの Over mountain Chinese も増加中。バンコク市内のラチャダ地区には雲南省出身の「新華僑」が多く雲南料理店もある

「地震とナマズ」-ナマズあれこれ 

書評 『皇室外交とアジア』(佐藤孝一、平凡社新書、2007)-戦後アジアとの関係において果たした「皇室外交」の役割の大きさ
・・秋篠宮はタイ王国を中心にアジアをカバー

「石に描かれた鳥たち-ジョン・グールドの鳥類図譜-」(玉川大学教育博物館)にいってきた(2013年1月26日)-19世紀大英帝国という博物学全盛時代のボタニカルアート
・・生物ことに鳥類に最大の関心をおもちの紀宮清子さま(・・秋篠宮の妹)の監修

書評 『日本の血脈』(石井妙子、文春文庫、2013)-「血脈」には明治維新以来の日本近代史が凝縮
・・秋篠宮紀子妃殿下の「血脈」についても書かれている

(2014年2月1日 新規導入)


(2023年11月25日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年12月23日発売の拙著です 画像をクリック!

(2022年6月24日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年11月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2021年10月22日発売の拙著です 画像をクリック!

 (2020年12月18日発売の拙著です 画像をクリック!

(2020年5月28日発売の拙著です 画像をクリック!

(2019年4月27日発売の拙著です 画像をクリック!

(2017年5月19日発売の拙著です 画像をクリック!

(2012年7月3日発売の拙著です 画像をクリック!


 



ケン・マネジメントのウェブサイトは

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!








end