2010年10月8日金曜日

キンモクセイの匂いが心地よい秋の一日




 キンモクセイの匂いが心地よい秋の一日だ。

 キンモクセイは、漢字で書くと金木犀となるが、中国南部が原産で江戸時代に渡来したとのこと。中国では桂花といわれている。英語では、学名 Osmanthus fragrans そのままなのは、日常化していないからだろう。

 実は、生まれて初めていった外国は、返還前の香港と中国南部なのだが、桂林で土産物として買ってきたのが「桂花茶」だった。桂花茶は、キンモクセイの匂いのするお茶。いい香りなのでお土産としては喜ばれた記憶がある。

 甘い匂いで季節がわかるといったら、このキンモクセイの右にでるものはないだろう。日本で秋を過ごす喜びの一つが、キンモクセイの匂いで秋を知ることである。
 
 視覚よりも嗅覚で先に感じる四季。動物としての人間にとって、もっとも原始的でかつ根源的な知覚が嗅覚である。下等生物になればなるほど、この嗅覚の占めるウェイトが大きい。

 視覚中心の現代人にとって、五感をフルに使う貴重な体験が、このキンモクセイで知る秋の一日なのだ。






(2012年7月3日発売の拙著です)










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