2012年5月26日土曜日

地層は土地の歴史を「見える化」する-現在はつねに直近の過去の上にある


むきだしになった地層。うちの近所で河川改修工事をやっている工事現場で目にしました。

おお、見事なまでに色分けされてますね! これほど明確に色分けされている地層もめずらしい。

そうとうの粘土質のようですが、おそらく河川の氾濫による堆積物が層状に積み上げられたものでしょう。

今週は、金環日食ということで、太陽が最大のトピックとなりましたが、それ以外の身の回りの「地学」にも目を向けたいものです。

地層は土地の歴史を「見える化」するものです。

人間がつくったのではない、自然に堆積した地層。土地の歴史が刻み混まれてます。

人に歴史あり、土地に歴史あり。

過去があって現在がある、現在があって未来がある。いきなりの飛躍はない、ということ。

過去の地層の上に現在の地層があり、形成中の地層の上にさらにあらたな地層が未来に向けて堆積していく。褶曲(しゅうきょく)によって上下が入れ替わったよに見えることもありますが、地層には不連続はありません。飛躍はないのです。

逆にいえば、現在の地層の根底には、かならず過去の地層があるわけです。たとえ表面には見えなくても、過去の地層がなくなることはないのです。

歴史もまた同じ。歴史に断絶する瞬間はありますが、不連続はありません。

地層は土地の歴史を「見える化」したものです。

身の周りには観察すべき対象がゴロゴロしています。「身の回りから観察」るすのが、「アタマの引き出し」を増やすいちばんの方法。

まずは身の回りの自然観察からはじめましょう!!





<関連サイト>

地形判読のためのページ(国土地理院)

(2016年6月21日 項目新設)


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「理科のリテラシー」はサバイバルツール-まずは高校の「地学」からはじめよう!

書評 『アースダイバー』(中沢新一、講談社、2005)-東京という土地の歴史を縄文時代からの堆積として重層的に読み解く試み

書評 『土の科学-いのちを育むパワーの秘密-』(久馬一剛、PHPサイエンス・ワールド新書、2010)

レヴィ=ストロースの 『悲しき熱帯』(川田順造訳、中央公論社、1977)-原著が書かれてから60年、購入してから30年以上の時を経てはじめて読んでみた
・・「レヴィストロースの少年時代からの地質学と考古学への深い関心が歴史学的思考の基礎にある」

(2014年8月12日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)








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