「ロボカップ2013」にいってきた。会場は玉川大学・玉川学園(東京都町田市)である。
正式名称は、ロボカップジャパンオープン2013東京。TVでは放送しているロボカップだが、会場でみるのははじめてだ。ことしで14回目の開催だという。
「自分で考えて動く自律移動型ロボットの競技会」というのがそのコンセプト。「西暦2050年にサッカーの世界チャンピオンチームに勝てるロボットのチームを作る」という分かりやすく夢のある目標にむけてのチャレンジの一環である。
仕事の関係で産業用ロボットは飽きるほど見てきたが、学生がつくる競技用のロボットもたまに見るのも悪くないかもしれない。
ロボット相撲やロボットサッカーがあるが、こういうゲーム性の高いイベントには人が集まりやすい。
(ロボットがサッカーボールを蹴る)
このイベントは競技会だが、毎年ルールのハードルをあげてロボット開発の推進を図っているということだ。
(自律的に動く中型ロボットによるサッカー)
このほかレスキューロボットもあった。社会に貢献するためには、大きな期待が寄せられている分野である。
(ロボットが障害物を登っていく)
ジュニアリーグも開催し、研究だけではなく教育面にも力を入れているという。子どもというものは、基本的に自分で組み立てた機械が動くのを見るのは好きなハズだ。
(小学生の好奇心を大学生が支援)
こういう好奇心をうまく学習につないでいくのが教育の役割である。好奇心から始まる学習(ラーニング:learning)は、強いて勉める勉強ではない。この点においては、『ロボカップジャパンオープン2013東京』に向けて」(玉川学園)の基本姿勢は大いに評価されよう。
ロボット王国日本であるが、やはり人型ロボットは大学生以下には難題であるようだ。企業とは異なり開発コストの問題もあるだろう。教育という観点からいえば、まずなによりも機械工学とソフトウェア工学の観点からロボットの基礎開発に取り組む必要があるからだろう。
その基礎のうえにたって人型ロボットに本格的に取り組めば、脳研究などとの相乗効果もでてくることが期待できる。すでに人工知能(AI)研究はすすんでいるが、人間の脳のような複雑でエネルギー低消費型の知能は存在しない。この面での研究も必要だ。
ロボット工学という機械工学とソフトウェア工学の融合分野が、さらに脳研究を含めた人間研究と人間社会研究につながっていくのであれば、文理融合の重要な分野として位置付けることも可能となってくる。
現在アメリカでは無人化兵器開発の一環として軍事ロボットの研究が急速に進んでいるが、ロボット工学先進国日本としては、アメリカとは異なるアプローチがあってもよい。
そんなことを考えながら、会場を回ってみた。五月晴れのさわやかな一日であった。
<関連サイト
ロボカップ ジャパンオープン2013(玉川学園)
“日本ロボット”はどこへ~問われる軍事利用~(NHKクローズアップ現代 2009年4月13日)
アンドロイド“人間らしさ”の追求(NHKクローズアップ現代 2011年1月12日)
<ブログ内関連記事>
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