千葉県船橋市とデンマークのオーデンセ市が姉妹都市になって今年(2014年)で25年なのだそうだ。
「ふなばしアンデルセン公園」で記念式典があるということだが、船橋市に住んでいながら姉妹都市のことも知らず、アンデルセン公園にも一度もいったことがなかったので、どんなものかだけでも見ておこうと思って足を運んでみた。
「ふなばしアンデルセン公園」は wikipeda日本語版にはこう説明されている。船橋市は東京湾岸のベイエリアに立地しているが、「ふなばしアンデルセン公園」は内陸部にある。
ふなばしアンデルセン公園は、千葉県船橋市にある総合公園。船橋市はデンマークのオーデンセ市と姉妹都市であるが、童話作家アンデルセンがオーデンセ市の出身であることにちなみ公園名称にアンデルセンを使用する。なお、開業当初の名称は「ワンパク王国」であった。
(ふなばしアンデルセン公園にて)
デンマークがらみの公園といえば、岡山県倉敷市に「倉敷チボリ公園」がかつて存在したが、いまはすでに廃園となっている。1997年から2008年までのわずか11年という短い期間であった。チボリ公園はクラボウ工場の跡地だが、チボリ公園跡地には「三井アウトレットパーク倉敷」ができているということだ。モール型の商業施設のほうが集客力は高いだろう。
じつは1990年代前半のことだが、チボリ公園開演前のマーケティング調査と大企業へのプロジェクト参加要請にかかわったことがある。正直いって、そのときもなぜ倉敷にチボリ公園なのかがよくわからなかった。そもそもデンマークのチボリ公園の視察すらしないで調査の一端にかかわっていたのである。
結局、わたしは倉敷チボリ公園はいちども訪れることなく終わってしまったが、倉敷チボリ公園の開園後の1999年にデンマークの本家本元のチボリ公園を訪れた。感想としては、日本人にとってはあまり面白いものではないというのが正直なところだった。
(本家本元のチボリ公園のアンデルセン城 wikipediaデンマーク語版より)
冬の寒いデンマークの、イタリアへのあこがれがチボリ(Tivoli)というネーミングに表現されているわけであり、えらくシンプルな公園である。
1843年開園のこの公園は、コペンハーゲン地元では人気が高いようだが、ディズニーランドやユニバーサル・スタジオをもつ日本人にはぜんぜん物足りない。現地で人気があっても、異国の日本では受けいられないにはある意味では当然なのだ。
ちなみに本家本元のチボリ公園には Det japanske Taarn(=The Japanese Tower:日本タワー)という日本風の五重塔(?)がある。日本人には中国風にしか見えないのだが・・・
(Det japanske Taarn=日本タワー wikipediaデンマーク語版より)
デンマーク人にとってのイタリアは、森鴎外の名訳で有名な『即興詩人』なのだろう。アンデルセンの作品である。
だが、現在の日本では、『即興詩人』よりも、童話作家アンデルセンのほうが根強い人気を保ち続けている。そういう意味では、アンデルセン公園が生きのびている理由も理解できるというものだ
オーデンセ(Odense)という町については、その存在も場所も、しかもアンデルセンの生誕地であることも、これまでまったく知らなかった。Googleマップで調べてみると、ユトランド半島と首都コペンハーゲンのあるシェラン島のあいだに位置するフュン島にある。
デンマークはコペンハーゲン(・・現地語ではコペンハーヴン。Haven は港の意味)しかいったことがないが、デンマークはコペンヘーゲンという首都だけでないことは言うまでもない。地方都市の生活は、映画『偽りなき者』(2012、デンマーク)で知ることができる。
東京湾岸に位置する千葉県船橋市には、スウェーデンのIKEA や デンマークのソストレーネ・グレーネ や フライイング・タイガー・コペンハーゲン などの北欧の低価格ショップが集積しつつある。意外と気質的に近いのかも(?)しれない。北欧のライフスタイルは、日本とアメリカの中間的な位置づけであろうか。
「ふなばしアンデルセン公園」では、姉妹都市締結25年を記念して「花と緑のフェア」を開催中である。
PS 「ふなばしアンデルセン公園」初の公式ガイドブックが2016年10月25日発売!
開園20周年、総入園者数1000万人を突破! 「ふなばしアンデルセン公園」初の公式ガイドブックが学研から発売される。監修は、公益財団法人船橋市公園協会。(2016年10月19日 記す)
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