『禁断のレシピ』は、2014年に出版されて話題になっているレシピ本である。
「禁断の・・・」というタイトルじたいに「そそる」ものがある。飲食の分野で「禁断」というとさまざまな連想もあろうが、この本に秘められた「禁断」の領域とは、ずばりカロリー制限の彼方を指している。
二人の料理研究家それぞれの「わたしの禁断3か条」というのが面白い。
エダモン(=枝元なほみ)
1. 炭水化物 LOVE
2. 深夜のエンドレス
3. 油使いはケチらない
Mako(=多賀正子)
1. 肉 LOVE
2. 大きいことはいいことだ!
3. 食後のデザートはマスト
「カロリー制限なんて、ぶっとばせ!」、「食べたいものを作って食べよ!」というメッセージ性のきわめて明瞭な、カラー写真満載のレシピ集である。まさに「禁断の大人の絵本」というべきだろう。
「目次」をみると、「ボリューム肉レシピ」「エンドレスレシピ」「VIVA!炭水化物」「魔性のスイーツカタログ」というふうに、コトバでもぐいぐい「禁断」領域を快進撃するのが心地よい。
(でっかティラミス 3060kcal VS 丸ごとバナナのリングシュー 4180kcal)
amazon で公開されているカラー写真をここに掲載しておこう。まずはデザート対決、そしておかず対決。
(じゃがいものダブルとうがらし炒め 1770kcal VS フライドチキン悪魔ソース 1670kcal)
わたし的に旨そうなのは、とくに「肉ずし」。このほか、「フライドビーフ」「スパイシースペアリブ」「フランスパン1本サンドイッチ」、デザートでは「アップルシナモンロールケーキパフェ」「ひやあつココナッツしるこ」。
自分で作らなくても、食べなくても、見ているだけでなぜか幸せな気持ちになる。美食を意味するグルメではなく、食いしん坊バンザイのグルマンだ。
ふだんは一日二食の「半日断食」で、カロlリーは目分量で制限しているわたしだが、たまには思う存分食べたい!という欲求に突き動かされることもある。そんなときは、食欲全開もまたよし、だ。
もちろん、毎日食べていてはカラダに良くないのでそんなことはしないのだが、まあ、たまにはいいじゃないか、ということで・・・(笑)
肉もスイーツも大好きだからね~。
著者プロフィール
枝元なほみ(えだもと・なほみ)
料理研究家。劇団の役者兼料理主任、無国籍レストランのシェフを経て、料理研究家に。食材を組み合わせて新しい味をつくり出すことを得意とし、その親しみやすいキャラクターで幅広いファンに支持されている。農業支援活動団体「チームむかご」の代表理事も務め、被災地支援の活動も精力的に行っている。 (本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。
多賀正子(たが・まさこ)
料理研究家。2005年「NHKきょうの料理大賞」でグランプリを受賞し、その後、家庭料理教室を主宰。3男1女と夫の5人の胃袋を満足させてきた、ボリューム&アイデア満点のつくりやすい家庭料理を得意とする。みんなで集まってつくったり食べたりする喜びとその大切さを伝えることに心を尽くしている。 (本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。
<関連サイト>
禁断のレシピ 予告編 (YouTube)
・・二人の著者が自著を紹介するビデオ
<ブログ内関連記事>
書評 『食べてはいけない!(地球のカタチ)』(森枝卓士、白水社、2007)-「食文化」の観点からみた「食べてはいけない!」
・・この本でいう「禁断」とは宗教的な「禁忌」のこと
「半日断食」のすすめ-一年つづけたら健康診断結果がパーフェクトになった!
『聡明な女は料理がうまい』(桐島洋子、文春文庫、1990 単行本初版 1976) は、明確な思想をもった実用書だ
映画 『大統領の料理人』(フランス、2012)をみてきた-ミッテラン大統領のプライベート・シェフになったのは女性料理人
映画 『ジュリー&ジュリア』(2009、アメリカ)は、料理をつくり料理本を出版することで人生を変えていった二人のアメリカ女性たちの物語
「スペイン料理」 の料理本を 3冊紹介
グルマン(食いしん坊)で、「料理する男」であった折口信夫
『檀流クッキング』(檀一雄、中公文庫、1975 単行本初版 1970 現在は文庫が改版で 2002) もまた明確な思想のある料理本だ
邱永漢のグルメ本は戦後日本の古典である-追悼・邱永漢
マンガ 『きのう何食べた? ⑨』(よしなが ふみ、講談社、2014)-平凡な(?)人生にも小さなトラブルはつきもの
(2012年7月3日発売の拙著です)
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