2015年3月29日日曜日

『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』(三菱一号館美術館)に行ってきた(2015年3月23日)-フランス印象派の名作を一挙に公開。そしてルドンの傑作も!

(ルノワールの作品 ミュージアムショップで購入したマグネット)

先週のことだが、『ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』(三菱一号館美術館)に行ってきた(2015年3月23日)。5月24日まで東京・丸の内で開催されている。

ワシントン・ナショナル・ギャラリー(National Gallery of Art)とは、アメリカ合衆国の首都ワシントンにある国立美術館である。だが、所蔵品の大半は民間からの寄贈によるものだという。残念ながらこの美術館はいったことがなかったので、所蔵品をみるのは今回が初めてだ。

日本人好みの印象派だが、アメリカ人でも好きな人はいるということだ。今回の出品の大半は、美術館の創設者でメロン財閥の総帥アンドリュー・メロンの長女エイルサの個人趣味で収集された作品の数々。
  
美術展のポスターにも使用されているルノワールの「猫を抱いた女性」が端的にそうだが、"Intimate Impressionism" (親密な印象派) そのものである。「私の印象派」というのは、コレクターであったエイルサ・メロンにとってのものであり、美術展の個々の鑑賞者にとってもそうだろう。

ルノワール、マネ、モネ、ドガ、セザンヌ、ボナール・・・。フランス印象派を代表する画家はすべて網羅されている。しかも日本初公開の作品も多々ある。

わたしも日本人なので、日本美術の大きな影響を受けたフランス印象派は基本的には好きだが、あえて美術館にまで足を運ぶ気にはなかなかならない。印象派は日本ではあまりにもポピュラーになってしまっているからだ。今回は、地方から上京した美術好きの友人を案内しての鑑賞であった。
  
といいうわけではないが、今回の展示でもっとも素晴らしいと思ったのは、ワシントン・ナショナル・ギャラリーの所蔵品ではなく、三菱一号館所蔵のルドンの一枚。「グラン・ブーケ」(大きな花束)

(ルドンの「グラン・ブーケ」)

世紀末美術の代表的画家であるオディロン・ルドン、とくに後期ルドンの傑作の一つといっていいだろう。わたしは後期ルドンの大ファンなのだ。今回の展示では照明も工夫されており必見だ。

こんな機会だからこそ、所蔵品のなかでも指折りの名作として展示したのであろう。印象派なんていまさらと思う人も、このルドンの傑作をみるためにだけでも、この美術展に足を運ぶ価値はあると思った次第。






<関連サイト>

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展』(三菱一号館美術館)
・・2015年5月24日まで


<ブログ内関連記事>

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