2015年4月6日月曜日

戦艦大和が「沖縄特攻作戦」に出撃してから70年(2015年4月6日)ー 桜の季節に散っていった戦艦大和への鎮魂



70年前のきょう、すなわち1945年(昭和20年)4月6日、戦艦大和が「沖縄特攻作戦」に出撃した。そしてその翌日の4月7日、戦艦大和は撃沈され海の藻屑と消えた。

つい先日、戦艦武蔵が沈没したフィリピン沖の海底で「発見」されたというニュースが話題となった。戦艦武蔵は戦艦大和の姉妹艦である。武蔵発見のプロジェクトはアメリカ人資産家によるものであった。

戦艦大和はすでに、いまから30年前の1985年7月31日に「発見」されている。水深350メートルの海底に沈む戦艦大和が確認されたのである。それは海に散った英霊たちの鎮魂を目的としたものであった。

(『戦艦大和発見』口絵カラー写真より This is YAMATO !)

「戦艦大和発見」プロジェクトの中心に行ったのは、かつて角川グループの総帥であった角川春樹氏とその姉の辺見じゅん氏であった。プロジェクトは事務局長を引き受けた角川春樹氏によって「海の墓標委員会」と命名され、英国から空輸された潜水艇を使用して、戦艦大和が沈没した海域の調査を行った。

そして、1985年7月31日に「発見」されたのである。いまからすでに30年前のことになる。

その経緯を中心にまとめられたのが『戦艦大和発見』(辺見じゅん・原勝洋編、ハルキ文庫、2004)である。角川春樹事務所の製作による映画『男たちの大和』の封切りにあわせて、2004年に文庫化されている。

世界最大の戦艦である戦艦大和。建造当時からすでに大艦巨砲主義は終わっていると批判されていたのであり、それ以後、大和クラスの巨大戦艦が建造されることはない、だから、戦艦大和は永遠に世界最大の戦艦でありつづけているし、今後もありつづけるであろう。

戦艦大和は、日本人の誇りであり、日本人の魂そのものである。戦艦大和が日本人の記憶から消えることはないだろう。映画『男たちの大和』やアニメ『宇宙戦艦やマト』はいうまでもなく、これまで何度も蘇ってきたし、今後も何度も甦ることだろう。戦艦大和は日本人のアイデンティティでありシンボルである。

だからこそ、戦艦大和がもうひとつの日本人のシンボルである桜の花が満開になる4月6日に特攻作戦に出発し、その翌日に沖縄に到達することなく散っていったことを記憶のなかにとどめておきたいのである。

本居宣長の歌にあるように、「敷島の 大和心を 人問はば 朝日に匂ふ 山櫻花」にも反映されているように、「大和」と「桜花」は結びつきは強いのである

『戦艦大和発見』の「This is YAMATO!」を執筆した辺見じゅん氏は、こんなエピソードを紹介している(P. 35)。

「大和」の3,333名の乗組員が、沖縄特攻を徳山沖で告げられたとき、瀬戸内海の島々には七分咲きの桜が咲いていた。そして、翌4月8日、わずかに生き残ったもの立ちが、九州の佐世保港に帰還したときは、満開の桜に変わっていた。
「桜が・・・・桜なんかが咲いてやがる」
突然、兵士の一人が気がふれたように、救助された駆逐艦の甲板をころげまわったという。 

このエピソードには「花狂い」という表現を想起する。桜と死者、桜と狂気は、なぜか日本的文脈のなかで結びつきやすい。ちなみに現在の日本で主流となったソメイヨシノが「発見」されたのは、東京・巣鴨の染井墓地である。

特攻作戦もまた、なぜか桜の季節と重なっている。「散る桜 残る桜も 散る桜」(良寛)。桜は咲くだけではない。散るのもまた桜である。

戦艦大和が撃沈した4月7日には鈴木貫太郎内閣が成立し、昭和天皇の意を受けて「終戦」に向けての隠密行動が進められていくことになる。これは、はたして偶然といっていいのだろうか・・・。






PS 「戦艦大和ミュージアム」

広島県呉市の「戦艦大和ミュージアム」(呉市海事歴史科学館)には、実物の1/10スケールの戦艦大和の模型がある。写真を紹介しておこう。日本人なら一度は訪れたいミュージアムである。


(戦艦大和 10分の1スケール模型 筆者撮影)



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(2015年8月2日 情報追加)


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