地面にこんもりと土が盛り上がっている。こんな穴が点在しているとき、それは「モグラ塚」であるとわかる。
「足元を見よ」シリーズの3回目は、コンクリートやアスファルトで舗装された硬い地面ではない。比較的やわらかい地面で目にするものだ。「モグラ塚」は英語では molehill(モールヒル)という。mole(モール) はモグラのこと。
モグラは地下世界の住人である。地下にトンネルを掘って、そのなかで生きている。「潜る」という動詞の変化形が「潜ら」なのであろうと思いたくなるが、そうではないようだ。地下に潜るモグラはトンネル工事の象徴としてマスコット扱いされることも多い。
目がちっこくてかわいい(?)モグラの姿形は誰もが知っているにもかかわらず、めったに地上に姿を現すことはない。じっさいにホンモノのモグラを見た人はそう多くはないのではないか?
ごくたまにだが、「モグラ塚」の近くで、モグラが仰向けになってひっくりかえっているのを目にすることがある。
それはたまたま地上近くに這い出てきたときに、ノラネコが穴から引きずり出したからだ。生まれながらのハンターであるネコは、狭い穴のなかに入ってネズミだけでなくモグラも捕まえる。ただし、捕まえることに意義があっても、捕食することには関心がないようだ。だから、死んだモグラがそのまま放置されているわけだ。
「人間はゲームセンターでモグラを叩くが、ネコはモグラを引きずり出す」、というわけですな(笑)。とはいえ、モグラ退治には「ネコの手」も借りたい(?)というのは、あんがい人間のホンネかもしれない。
「アリの穴」と違って「モグラ塚」は比較的大きいので目に付くものだ。土の地面のを歩くときには足元に目を向けてみるのもいいだろう。だが、なかなかモグラを目にすることはないだろうが・・・
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