2016年3月6日日曜日

ハイエナは英語でなんというの?

(ブチハイエナの頭部 wikipediaより)

ハイエナは英語でなんというの? いきなり答えを出す前に、まずはオオカミの話題に付き合っていただきたい。

もともと生物学好きなこともあって、動物の生態をテーマにした自然観察番組のNHKの「ダーウィンが来た」はほぼ毎週かかさず視聴しているのだが、今夜(2016年3月6日)はオオカミの話題であった。イスラエルのネゲヴ砂漠に生息しているアラビアオオカミである。

ネゲヴ砂漠に生息するアラビアオオカミは幻のオオカミで、砂漠という過酷な生息環境のためカラダが小さい。しかも、高温地帯であるため獲物を追って走り回ると体温が急上昇して死んでしまう可能性があるので、アラビアオオカミは死んだ動物の肉を漁るのだそうだ。死んだ動物は動かないから。

まるでハイエナではないか! 

じっさいに体格の小さなアラビアオオカミと大型のハイエナが死肉をめぐってバッティングすることもあるようだ。番組でもそんなシーンが登場しており、たいへん興味深いものがあった。

オオカミは日本語で書けば狼であり大神である。文字通り大いなる神という意味だ。番組でも説明されていたふが、「西欧近代化」される前の江戸時代、オオカミは畏怖されて神として敬われていたのであった。だが明治時代以後は、羊を襲う害獣という西欧的な考えからやっかい扱いされ、毛皮を求めて乱獲され、ついに20世紀初頭にはニホンオオカミは絶滅してしまう。

オオカミは英語でウルフということくらいなら、中学生でも知らない者はいないだろう。日本語世界でも、オオカミでもウルフでもどちらでも通じる。

では、ハイエナは英語でなんというのか? ふとそんな問いが自分のなかに湧き上がってきたが、すぐには答えがでてこない自分に気がついた。

そういうときは手元のスマホでグーグル検索である。

検索した結果はこうだった。なんとハイエナは英語でもハイエナである! つづりは hyena で、発音はあえてカタカナで書けばハイーナ、つまりハイエナは英語だったのだ!

自分がいかに無知であるか知らされた思いがするのだが、ハイエナには灰(はい)や蝿(ハエ)を連想させる音が含まれるので、死肉をあさるハイエナはてっきり日本語だと思い込んでいたようなのだ。

死肉を貪り食うことで有名なハイエナだが、英語ではハゲタカ(=コンドル condor)もくわえた「腐肉食」の動物のことを「スカヴェンジャー」(scavenger)と総称し、比喩的な意味でも使用することがある。スカヴェンジャーには、ゴミの山を漁ってまだ使えるものを掘り出してカネに換えて生計を立てているゴミ拾い、という意味もある。

ハイエナは日本に生息していないからハイエナに該当する日本語の固有語がなかった、ということは考えてみれば当たり前なのだが、日本には生息していなくても中国に生息している動物は漢字語で表現されるし、仏典に登場する動物は漢語に翻訳されている。

たとえばアフリカ原産のキリンは漢字で書けば麒麟、キリンビールの麒麟である。もともとは中国人が生み出した想像上の動物だが、野生動物をキリンと呼ぶようになった。キリンは英語ではジラフ(giraffe)である。後者のジラフは日本語人にはあまりなじみがなさそうだ。

さらにハイエナについて検索して調べてみると、wikipediaには、「ネコ目(食肉目)ハイエナ科に属する動物の総称である。長い鼻面と長い足を持ち、イヌに似た姿をしているが、ジャコウネコ科に最も近縁である」とある。ハイエナはイヌ科ではなかったのか! それもまたオドロキだ。

「無知は強し」(?)状態であったわけだが、「なんにもしらないことはよいことだ」(梅棹忠夫)というフレーズをポジティブに捉えることとしたい。

なにはともあれ、気づいて調べたおかげで、またひとつ賢くなったわけだから。




<関連サイト>

世界のゴミ問題は「福岡方式」が解決している 120カ国に技術指導、愛され"ゴミ先生"の正体(東洋経済オンライン、2016年1月16日)
・・発展途上国のスカヴェンジャー(=ゴミ拾い)の話が登場する


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『サル学の現在 上下』(立花隆、文春文庫、1996)は、20年後の現時点で読んでもじつに面白い-「個体識別」によるフィールドワークから始まった日本発の「サル学」の全体像

「近代化=西欧化」であった日本と日本人にとって、ヒツジのイメージはキリスト教からギリシア・ローマ神話にまでさかのぼって知る必要がある
・・「かよわいヒツジを襲うオオカミ」というイメージは西欧のものであって、日本にはももともなかった。オオカミは固有種が日本に存在していたが、中国と違ってヒツジはもともと生息していなかった


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