2017年4月30日日曜日

マンガ 『めぞん一刻』(高橋留美子)の連載完了から30年!(2017年4月)


1980年代を代表する「ラブコメ」の名作『めぞん一刻』(高橋留美子・作)の連載が完結してから30年になる。1980年に始まった連載が完結したのは1987年のことだ。

連載されていた1981年から1987年までの6年間は、じつはわたし自身の大学在学中の4年間とまったく重なるのだ。

このマンガの主人公は、「めぞん一刻」という名前のアパートの管理人さんこと音無響子さんと、一郎中から下宿していた五代裕作君が主人公といえば主人公なのだが、五代君とは1981年の入学も1985年の卒業もまったく同じなのだ。

(管理人さんのセリフ)


1981年1月10日は、「共通一次試験」。ただし、五代君は国立大学は落ちたのは、本人の自業自得というべきか、アパートの住人にせいというべきか。現在は「共通一次試験」は廃止になって、そのかわり「センター試験」となっている。私立大学でも一次試験として採用している大学もあるので、時代の変遷を感じさせるものがある。

さて、大学時代の4年間は、ある意味では「終わらない日常」のようなものであったわけだが(・・・当時は、どこの大学でも、あまり勉強しないでアルバイトに精を出すのが当たり前であった)、そんな五代君も大学卒業して就職するはずだったのが・・・。




「めぞん一刻」はその後もストーリーはつづく。五代君は、卒業したものの定職がないまま、保育園で保育士のアルバイトをすることになった五代君の2年間が描かれるのだが、現在から考えれば「男性の保育士」(・・当時は「保父さん」とよばれていた)というのは、時代の先取りをするものであったといえるかもしれない。

ストーリーについては、最終的にハッピーエンドで終わるので、めでたしめでたし。そこから先は、どうなったのか、と考えるのは、あまりにも夢がない(?)話なのでやめておこう。なんせ、わたしと同世代なので(笑)

『めぞん一刻』は、1986年から1988年にかけてTVアニメ化もされており、原作のマンガもアニメも世界中で愛されている。

高橋留美子作品の単行本は、2017年時点の累計発行数が全世界で2億冊を突破している。初期の『うる星やつら』と『めぞん一刻』のファンであるわたしにとっては、じつにうれしいことだ。

(新築なった小学館本社ビル前にて筆者撮影)









<関連サイト>

Maison Ikkoku All OP & ED / All Openings and Endings (アニメ版主題歌オープニング&エンディングすべてメドレー)


<ブログ内関連記事>

雑誌 『ダ・ヴィンチ 2013年 12月号 特集:オトナの♥高橋留美子だっちゃ! 祝!画業35年! スイート&クール永遠の憧れ』 は要保存版

タイのあれこれ (6) 日本のマンガ





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2017年4月19日水曜日

「明治大学博物館」(東京・お茶の水)に「ギロチン」を見に行く(2017年4月19日)-刑法関連の収集品がすごい

(明治大学博物館所蔵の「ギロチン」)

「明治大学博物館」(東京・お茶の水)にはじめて行ってきた。人間というものは、いつでも行けると思うと、いつか行けばいいさと思って、かえって行かないで過ごしてしまうものだ。自分にとっての「明治大学博物館」とはそういう存在のひとつであった。

今回、思い切って行ってみることにしたのは、「ギロチン」の実物を確認したかったからだ。ギロチンとは、手動で操作する処刑器具である。「フランス革命」で大活躍(?)したことで有名だ。ギロチンはこの大学博物館の目玉展示である。

明治大学博物館に「ギロチン」の現物があることは、けっこう有名かもしれない。旧刑事博物館が明治大学大学博物館として新装オープンする際に、さまざまな形で告知されていたからだ。調べてみると、博物館の開館は2004年、すでに13年前のことになる。ようやく長年の懸案事項を解決できたことになる。

明治大学に「ギロチン」の現物があるのは、説明書きによれば、1931年(昭和6年)に「明治大学創立50周年刑事展覧会」のために日本国内で組み立てられたものだという。だから、これはギロチンの本場であるフランス製ではなく、したがってじっさいに処刑に使用されたものではない。それでも、実物として日本で目にすることができるのはすごい。


■ギロチンの思想的背景は「フランス革命」の「平等思想」

21世紀の「現在」からみれば、ギロチンによる斬首は残酷な印象がつきまとうが、当時は一瞬のうちに行われるので苦痛が少ないはずだと見なされたのである。

18 世紀後半当時主流であった車裂きや斧による斬首とは違って、ギロチンには個人レベルの 技量の差による不確実性がなく、しかも身分差や貧富の差に関係なく「平等」に(!)実行で きるからだ。「人権宣言」(1789年)にもとづいた思想が背景にあるのだ。

たしかに、国王ルイ16 世や王妃マリー・アントワネットも、革命の中心人物ダントンも、恐怖政治を主導したロベスピエールもまた、多数の「平民」と同じく断頭台の露と消えた。革命の理念の一つである「平等」が貫徹されたわけだ。「自由・平等・友愛」が、「フランス革命」のスローガンであったが、フランスでは「平等」が強調されたのだろう。「自由」が強調される英国や米国との違いかもしれない。

(ギロチンの足元)

発明者のジョゼフ・ギヨタン博士は、「近代市民法」と「罪刑法定主義」の立場から、身分といった属 性ではなく、犯罪の種類によって刑罰が同等に下されるべきだ、という考えの持ち主であった。 まさに「近代」を体現したかのような思想である。ギロチンはフランス語でギヨティーヌ(guillotine)という。ギヨタン(Guillotin)から命名されたものだ。

ギロチンは、プロトタイプが完成してから改良につぐ改良が加えられた結果、フランスでは 革命中の1792年の採用から、なんと死刑廃止となる1981年まで200年間にわたって 使用されたらしい。

死刑制度に反対するEUであるが、その中核を構成するフランスでも、なんと36年前まで死刑は執行されていたのだ。


「鉄の処女」は西欧中世の処刑道具

ギロチンのとなりに展示されているが「鉄の処女」である。ドイツ語では「アイゼルネ・ユングフラウ」(die Eiserne Jungfrau)、英語では「アイアン・メイデン」(Iron Maiden)という。日本語の「鉄の処女」はこれらの直訳である。

(「鉄の処女」 筆者撮影)

罪人をそのなかに入れて扉を閉めることが拷問となる仕組みである。扉の内側には多数の棘があり、罪人がなかで動くと釘が肉体に突き刺さって苦痛が与えられることになる。

だが、じっさいに拷問に使用されたのかどうかは不明なようだ。明治大学博物館の「鉄の処女」もまた、複製である。


(江戸時代の磔(はりつけ))

このほか、日本の江戸時代の刑罰、刑事関連の資料が豊富に展示されていて興味深い。実質的
に戸籍の枠割りを果たしていた「宗門改帳」の現物なども展示されている。


(「宗門改帳」の現物 筆者撮影)

明治大学は、そもそも1881年に「明治法律学校」として出発した。フランス法が中心に講義されていたのだという。ギロチンがあるのも、その関連なのだろうか。どの大学も、それぞれ特色があり、明治大学の場合は、法学が中心に発展した経緯が博物館の展示内容にもおおきく反映しているわけだ。

なにごとであれ、「現場・現実・現物」の「三現主義」でいくべきだからこそ、せっかくギロチンの現物が日本国内にあるのだから、一度は自分の目で見ておくべきだろう。「明治大学博物館」は、土日祝日も開館されており、しかも無料だ。

ただし、ギロチンは手で触れることはできない。そもそも刃物だから危ないしね。





<関連サイト>

「明治大学博物館」公式サイト


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「大英自然史博物館展」(上野・科学博物館)にいってきた(2017年4月19日)-子どもはもちろん、大人も知的興奮を隠せない絶対に見にいくべきイベントだ!

 (科学博物館の出口のクジラの前にて)

東京・上野の国立科学博物館で開催中の「大英自然史博物館展」にいってきた(2017年4月19日)。これはほんとに興奮するイベントだ。子どもはもちろん、大人も知的興奮を隠せない。絶対に見にいくべきだ。

平日の午前10時であったが、かなりの人が来場しているのには驚いた。さすがに「入場制限」はなかったものの、それでもなかに入ったら、かなりの人がいて、好きなように展示物をじっくり見ることが許されるような状況ではない。

みんなけっこう好きなんだなあ。5月の連休なんかすごい人出にになるだろうなあ、という感じだ。

主催者の「国立科学博物館」のサイトから「大英自然史博物館展」の「開催概要」を引用しておこう。

大英自然史博物館の誇る8000万点の収蔵標本の中から、世界的にも貴重な「至宝」のコレクション約370点を選りすぐり、一堂に展示するのが、今回の「大英自然史博物館展」です。同館は、伝統的に主要所蔵品の貸し出しを控えてきたため、これが初めての世界巡回展となります。その最初の会場に選ばれたのが、ここ日本の国立科学博物館です。出品される展示物は動植物、化石、鉱物など多岐にわたり、すべて日本初公開を予定しています。

なんといっても目玉は「始祖鳥」の化石だ。なんというか、小学生の頃「大阪万博」(1970年)の「アメリカ館」で「月の石」を見て以来の興奮といってもいいかな。万博で展示された「月の石」は、すごく小さかったが、1億4700年前のジュラ紀の始祖鳥の化石はけっこう大きい。子ども時代にこれを見たら、生涯のいい思い出になるのではないかと思う。

(展示品の目玉は「始祖鳥」の化石 筆者撮影)

とにかく、小学生ではなくても、興奮する展示品の数々なのだ。

(マンモスが生きていた時代のサーベルタイガーの骨格標本 筆者撮影)


とくに日本での点字で興味深いのは「チャレンジャー号」の探検航海関連のものだろう。タイヤ案ジャー号は、19世紀半ばに約3年半かけて世界の海で探検航海を行ったが、途中の1875年4月から3ヶ月間は日本に滞在して、相模湾や瀬戸内海で調査を行っている。

「生物多様性」という観点からみた日本は、ある意味ではガラパゴス以上の存在であり、ガラパゴスも探検したダーウィンの「ビーグル号」ほど有名ではないが、「チャレンジャー号」に注目した今回展示は、日本人にとっては大きな意味があるといえよう。

ロンドンの「大英博物館」(British Museum)には行ったことがあるが、「大英自然史博物館」(Natural History Museum, London)には行ったことがなかったので、この企画展はほんとにうれしい。なんと、世界初の巡回展の初回が東京なのだそうだ。上京してでも見に行くべき企画展だろう。

「カタログ」も購入してしまった。税込みで2,000円は安い。なんども眺めたくなる内容のすぐれものだ。館内は撮影可能だが、ぜひカタログの購入もおすすめしたい。








<展示会情報>

「大英自然史博物館展」公式サイト

開催日: 2017年3月18日(土)~6月11日(日)
開館時間: 午前9時~午後5時(金・土曜日は午後8時まで)
主催: 国立科学博物館、読売新聞社、BS日テレ
共催: 大英自然史博物館
後援: 文部科学省、外務省、駐日英国大使館
協賛: 光村印刷 協力 日本航空、日本貨物航空


<関連サイト>

国立科学博物館公式サイト 


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