2017年11月19日日曜日

オスネコの本能である「エクスカーション」を知る-「NHKダーウィンが来た-生き物新伝説」で全2回の「ネコ特集」!(2017年11月12日・19日)

(大怪我を負って戻ってきたノーブル君 筆者撮影)

「NHKダーウィンが来た-生き物新伝説」で、待望の「ネコ特集全2回」が放送された。猫島として有名な福岡県の相島(あいのしま)に生きる、茶猫のノラネコの若いオスの生態を追ったものだ。その若いオスネコは、個体識別法により「コムギ」と名付けられている。

第1回(11月12日)は、本能にプログラムされたオスネコの「エクスカーション」、第2回(11月19日)は「猫口密度」の高い狭い島で、オスネコがあらたに身につけた「社会性」とでもいうべき新発見を扱っている。

とくに第1回の放送は、この番組はノラネコ研究のいいおさらいになった。『わたしのノラネコ研究』(山根明弘、さえら書房、2007)の著者で、フィールドワークによるノラネコ研究の第一人者・山根明弘氏が監修している。

かつて、うちに近くにいたオスのノラネコ「ノーブル君」が大けがして戻ってきたことがあったが、あれは「エクスカーション」だったのだ(上掲写真)。

(高貴なたたずまいの若いオスネコ「ノーブル君」 筆者撮影)

「エクスカーション」とは、オスが自分のいつもの居場所から離れて「遠征」にいくことだ。数日から十数日にわたる遠征には突然ふいと出かけてしまうだけでなく、突然戻ってくるものの怪我をしていることもあるので飼い猫の飼い主を驚かせることがある。飼い猫といえでも、オスネコの本能は消えることはないのである。

(土足で他ネコの領域に踏み込む傍若無人なノーブル君 筆者撮影)

高貴なたたずまいだったので、私が勝手に「ノーブル君」と命名していたのだが、やや無謀なところのある、眼光鋭い若武者だった「ノーブル君」は、けっして逃げないネコだった。

激しいキャッツファイトで負傷したのだろう。その後、彼は姿を消して二度と戻ってこなかった。いまから6年前、2011年のことだ。

ノラネコ観察中に撮影したオスネコどうしの激しいケンカのシーンを動画に撮影しているので、ここであらためて紹介しておこう。タイトルは、「炸裂するキャッツ・ファイト!オスネコどうしのガチンコ対決」。おお、なんと視聴回数が10万回を超えているではないか! 

コンテンツとして評価されているのだろう。NHKではキャッツファイトそのものは残酷という批判を恐れて放送しないのだろうか?ぜひご覧いただきたい。


今回の2回の放送には3年間をかけているという。これまた密度の濃い番組なのだ。またいつの日か、「NHKダーウィンが来た-生き物新伝説」でのネコ特集の放送を大いに楽しみにしていう。




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