2019年3月23日土曜日

イチロー選手の引退に思う-「重心」の作り方に注目せよ!世界で成功するための秘訣がそこにある

(第1次マリナーズ時代のイチロー選手 Wikipediaより)

45歳のイチロー選手が現役生活28年を終えた(2019年3月21日)。このニュースが何度も何度も取り上げられている。 TVでインタビューを見ていたが、イチロー選手のコトバの選び方のセンスには、あらためて感嘆する。


たしかにイチロー選手の活躍は「平成時代」にそっくりそのまま重なるし、
大リーグで記録を塗り替え続けた偉業には素直に感服する。その点にかんしては、私も皆さんとおなじだ。 


ただ、私がイチロー選手に関心があったのは、その身体能力についてだ。「重心」の作り方が、アメリカ人を含めた白人や黒人とはまったく違うという点。 


ウォーミングアップ時の「腰割り」(下の写真)に、その秘密があったことに注目していた人は、どれだけいるのだろうか。 相撲取りにとって必須の基礎である腰割り。これをストレッチとして行っている野球選手は、見たことがない。「重心」をつくるために必須のスキルである。



(腰割りのストレッチングを行うイチロー選手 pinterestより)

そう、「重心」とは言い換えれば「臍下丹田」(せいかたんでん)、すなわち「臍下三寸」のことだ。この「中心」ができあがってこそ、「回転運動」がスムーズにいくのである。スポーツは、すべて「軸を中心にした回転運動」であるといって過言ではない。 


この「重心」が明確に意識されているからこそ、イチロー選手はベースボール以外の局面においても「ブレ」がなく、首尾一貫した(野球)人生を送ることができるのだ。 


個人的な体験だが、その昔、在米中にアメリカ人に合気道(AIKIDO)を指導していたことがある。そのときにこのことに気がついた。白人や黒人は、たとえ身体能力が高い人であっても、「重心」の作り方が、あまりうまくないように思われた。端的にいえば、脚が長いために「重心」が高すぎるのだ。 


日本人であるからこそ、日本人としての優位性を徹底的に極め尽くすこと。これが世界で活躍し、成功するための秘訣となる。ただ、この点に気がついている人は、あまりいないような気がするのが残念だ。


日本人であることに甘えることなく、強みを認識して鍛え抜いて欲しいものである。そのためのヒントがイチロー選手にあるのだが、ただ単に偉業に感動するだけでなく、身体そのものに着目してほしい。


自信はいうものは、軸となる中心がしっかりしていれば、おのずから生まれてくるものなのだ。それが「心身一如」というものだ。「心身二元論」ではない。形から、カラダからココロをつくるのである。メンタルの強さは、カラダを鍛えることによって作られる。








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