『古代ローマ人の24時間-よみがえる帝都ローマの民衆生活』(アルベルト・アンジェラ、河出文庫、2012)という本が面白い。電車のなかで読むにはうってつけだ。
五賢帝の一人、トラヤヌス帝時代(紀元2世紀初頭)の帝都ローマの「日常生活」を、夜明け6時から深夜0時まで、時間ごとの時系列でトピックごとに描くという手法が斬新だ。
著者は、イタリアのTVのサイエンス番組の監修とキャスターをつとめているそうだ。 そんな著者ならではの手法は、学者が思いつきもしないものだからでもある。
全部通しで読んでいるわけではなく、興味のあるトピックだけ拾い読みしていただけだが(*)、こちらの知的好奇心に大いに応えてくれる内容は、読みやすくて面白く、そしてためになる(?)。 あらためて、全部読んでみたいと思う。 (* 実際に読んだのは昨年11月)
マンガ『テルマエ・ロマエ』に描かれた古代ローマ世界の、よき解説書になっているといえよう。ちなみに、『テルマエ』は、トラヤヌス帝の次のハドリアヌス帝の時代を時代背景にしている。ローマ帝国の絶頂期である。
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