『本を売る技術』(矢部潤子、本の雑誌社、2020)を読む。タイトルにある「本を売る技術」というのは、リアル書店の店頭という「現場」で本を売る「書店員の仕事」のことだ。
著者は、36年間現場で本を売り続けてきた超ベテラン。デスクワークに変わって時間的余裕ができた著者へのインタビューという形で、「現場」で「本を売る技術」を聞き出したものだ。
書店員さんは、そこまで考えて日々仕事に取り組んでいるのか! そういう驚きに満ちた一冊だ。
たとえば、帯にもあるように「なぜ売れる本を(エンド台の)左端に積むのか」というノウハウには、それなりの理由があるのだ。売り場の作り方も含めて、リアル書店の現場で確認したいことが多く語られている。リアル書店に行く際にはぜひ確認したいものだ。
POSデータだけではわからない、リアルの売れ行きを知っているのは書店員さんなのだ。 小売業である書店員さんの仕事は、じつに忙しい。あまりにも忙しい。そんな書店員さんの仕事のすべてを知ることができる仕事本でもある。
書店員ではなくても、本好きな人にとっては必読書だね。
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