「大名時計博物館」に行ってきた。一昨日のことだ。
大名時計博物館は、東京の谷中にある私設のミニ博物館。大名時計とは「和時計」のこと。大名が使用していたので、実用性もあるが装飾的な側面も大きい。
東京メトロ千代田線の根津駅から歩いて数分。ゆるい坂をあがったところにある。黒御影石の石碑が建っているので知ったが、もともとは勝山藩下屋敷の跡地である。風情のある敷地に博物館がある。
開館時間は10時からだが、不在のときはベルを押して開けてもらうことになる。
江戸時代の大名が所有していた「置き時計」を中心とした機械時計のコレクションが展示されており、その数はけっして多くはないが、いい雰囲気を出している。
来訪者がわたし一人だったこともあろう、管理者の方に目の前で置き時計を実際に動かして実演していただいたのはありがたい。
(重りで動く機械時計 *この写真は許可をとって撮影させていただいた)
基本的に重りの落下によって時間を刻んでいくメカニズムであり、位置エネルギーを運動エネルギーに転換するわけだ。
興味深いことに、アラーム機能も備えているのだ。 設定した時間に鳴るアラーム音は、自動でベルを打ちつけて鳴らすものだが、なんだかえらく現代的な感じがして、江戸時代という感じがまったくしないのが不思議な感じがした。
とはいえ、大名時計そのものは「不定時法」に対応したものであり、セッティングは人の手で行う必要がある。機械時計だが全自動ではないのだ。
展示品には、このほか万歩計や印籠時計などもあり、じつに興味深い。印籠時計は、なんだか ZIPPO みたいな筐体だ。 印籠のなかに時計が入っている。江戸時代の旅行用懐中時計といったところか。
■コレクションの規模では科学博物館が勝っているが・・
このあと、谷中から上野公園の「国立科学博物館」まで歩いて、「日本館」で展示品の大名時計を中心にした和時計のコレクションを観覧した。移動時間は徒歩で15分程度。たいした距離ではない。
(国立科学博物館の日本館にて和時計の展示)
あらためて眺めてみると、「大名時計博物館」のコレクションよりも点数では勝るものがあった。
(科学博物館に展示されている大名時計 筆者撮影)
(科学博物館に展示されている印籠時計 筆者撮影)
その意味では、科学博物館だけで十分といえなくもないが、「大名時計博物館」には勝山藩下屋敷のでもあり、それじたいに風情がある。 個人が大切に守ってきたというコレクションは、それ自体に価値があるのだ。
いつまで維持できるのかわからないので、興味のある人は一度は訪ねてみたらいいだろう。
(情報追加 2023年3月28日)
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