2023年8月16日水曜日

DVDで『永遠のヨギー ヨガをめぐる奇跡の旅(AWAKE The Life of Yogananda)』(2014年、米国)をはじめて視聴 ー 米国にヨガを普及させた先駆者の生涯を描いたドキュメンタリー映画

 
DVDで『永遠のヨギー ヨガをめぐる奇跡の旅』(2014年、米国)をはじめて視聴した。米国にインドのヨガをもたらした先駆者の生涯を描いたドキュメンタリーだ。

英語の原題は、AWAKE The Life of Yogananda(目覚めよ、ヨガナンダの生涯)である。ヨガナンダこそ、その先駆者なのである。




わたし自身、この映画を見るまで、ヨガナンダについてはほとんど知らなかった。いまは亡きスティーブ・ジョブズの愛読書が "Autobiography of a Yogi" であり、その著者がParamahansa Yogananda であることを知っていたくらいだ。『あるヨギの自叙伝』(パラマハンサ・ヨガナンダ、森北出版、1983)として日本でも翻訳されている。


わたしは英語版をもっているが、まだ読んでいない。その前にまずはこのドキュメンタリー映画を見てから、ざっと概要をつかんだほうがいいと思ったのである。

87分の映画を見ていくと、植民地支配されていたインドと、第一次世界大戦後の好景気のなか繁栄を謳歌していた米国という、きわめてコントラストのはっきりした2つの世界をつないだのがヨガナンダであったことがわかる。

ヨガナンダの生涯は、1920年代のはじめから、第2次世界大戦をはさんだ戦後の1950年代までの米国現代史とぴったり重ね合っている。その間には原爆投下という人類史上の犯罪と、インド独立という2つの大きな出来事がはさまっている。



ここでヨガナンダについて、その生涯の概略を記しておこう。Wikipediaの記述を利用させていただく。ただし、この場において書き換えを行ったものである。

パラマハンサ・ヨガナンダ(Paramahansa Yogananda、本名ムクンダ・ラル・ゴーシュ (1893年1月5日~1952年3月7日 )は、インド生まれのヨガ指導者。
クリヤー・ヨーガは「神の理解と内なる平安の達成のための科学的技法」であると説き、これを西洋に広めることが使命であると信じて活動し、ヨーゴーダ・サットサンガ(Yogoda Satsanga Society of India)、自己実現同志会(Self-Realization Fellowship)、全宗教自己実現教会を設立、米国を中心に西洋で成功を収めた。 
自伝『あるヨギの自叙伝』は、1946年に出版された代表的な書籍で、50以上の言語に翻訳され、Apple 創業者のスティーブ・ジョブス、ビートルズのジョージ・ハリスン、クリケット選手のヴィラット・コーリなど世界中の人々に多大な影響を与えた。


このドキュメンタリー映画では、インド時代の求道者としての半生と、米国に渡航後のヨガ普及の多大な苦労と成功、そして裏切りと苦難の日々、さらなる取り組みと定着が描かれている。

小柄で色黒、長髪に行者服という異相ないでたちのインド人は、最初はまったく英語ができなかった。それにもかからわらず、天啓によって米国へのヨガ普及を使命として受け取ったのだ。

最初は東海岸のボストンで普及を試みたがうまくいかず、その後カリフォルニアに移って成功を収めることになる。宗教色を抑えて、科学という側面を前面に打ち出したのが、米国で受け入れられる要因となったようだ。

ともとボストンは米国ではもっとも早く19世紀前半の東洋思想に触れた場所であったが、1920年代には東海岸がその中心地となりつつあったのである。映画産業がニューヨークからハリウッドに移ったのは20世紀初頭の1900年代のことであった。

この映画をみると、なぜヨガナンダが米国でヨガの普及に成功したかがよくわかる。

もちろん、一筋縄で成功したわけではなく、ビジネスの起業とおなじくきわめて大きな苦労がともなったわけだが、物質的な成功では精神的な飢餓状況が解決できない、そういう状況が米国社会に生まれてきていたからである。

1960年代以降ににヨガを含めた東洋発の精神世界が大流行したのは、ヨガナンダによってその地盤がすでに創られていたからである。

ヨガナンダ自身は1952年に亡くなっている。独立後のインドからの訪米政治家の歓迎会で倒れたのだという。かれ自身は、公演前には数時間後に自分が死ぬことを知っていたという。精神界の達人らしい、ある意味では見事な最期といえるかもしれない。

1960年代の申し子ともいうべきスティーブ・ジョブズを知るためにも、元ビートルズのジョージ・ハリスンを知るためにも、ヨガナンダについては知っておいたほうがいい。

この2人が強く推奨する『あるヨギの自叙伝』はかなり分厚い本なので、なかなか読むのをためらうものがある。だが、この映画は87分で視聴できるので、入門編としては最適ではないかと思う。
 


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