今夜は実に久々にシュラフで寝る。シュラフとはドイツ語の Schlafsack 、英語なら sleeping bag、寝袋のことだ。山の用語にはアルピニズムの関係からドイツ語やフランス語が多い。
シュラフで寝るのは何年ぶりだろうか?
高校時代の一時期、ワンダーフォーゲル部、いわゆるワンゲルに属していた私は、15歳からシュラフで寝ることを覚えた。ワンダーフォーゲルとはドイツ語で渡り鳥のこと。第一次大戦後ドイツで流行したワンダーフォーゲル運動が、まさかヒトラー・ユーゲントに吸収されていったとは、さすがに高校時代には知らなかったが。
高校時代、自宅でも時々シュラフで寝ていたが、親からはなんでそんな窮屈な思いをしてまで寝袋で寝るのだ?休まらないだろう、といわれたが、いったん潜ってしまえば自分の体熱で内部が暖まるので、実は快適なのである。
高校時代の山行で、"ステビバ"というのを行ったことがある。
ステビバとはワンゲル部のスラングだったが、全国的に通用するのかどうかは知らない。ステーション・ビバークの略、つまり駅で寝ることだ。ちなみにビバークとはフランス語 bivouc から。露営すること。
とはいえ、駅でねるといっても飲み過ぎてベンチで眠ってしまうというのではなくて、駅前に集団でシュラフを並べて寝るのである。だからビバークなのである。
最初は面食らったが、いまではいい思い出である。
大学4年のとき、卒業旅行で九州を友人三人でクルマで回ったが、別府あたり(?)で友人たちとは別れ、一人で再び長崎方面にむかった。
しかし終電車で佐賀駅止まり、夜も遅いし、深夜から宿泊するのはカネがもったいないと思い、駅構内で仮眠していたところ、いきなり起こされた。
見上げると、二人組の警察官が「靴の裏を見せろ!」と高圧的に命令してくる。
「いや、違うな」とかいってるので、寝ぼけまなこで聞くともなしに聞いてみると、泥棒が入ったので捜索中とのことで足跡と靴の裏を照合しているのだとか。
今でいえば、ホームレス以外の何者でもないが、3月の佐賀は夜中はやや寒かったような記憶があった。
これは必ずしもいい思い出ではない。シュラフに入っていたか明確な記憶がないのだが(・・単身だから持ち歩いていなかったかもしれない)。
20歳代の頃はよく仕事で徹夜したが、ソファで仮眠はしても、ゲーム会社の開発者のように、寝袋もちこんで会社に寝泊まりしたことはない。
朝まで仕事して、できあがった資料をつかんで始発の新幹線に飛び乗る、なんてことはよくやっていたが。
さて、なぜ今夜シュラフで眠るのか? 関東を直撃するかのように通過した台風11号で被災したわけではない。本日9月1日が防災の日だからというわけではない。
実は引っ越し先の新居にいるのだが、引越荷物は明日の朝一番にくることになっているのだ。荷物待ちを兼ねて、新居で寝て待機することにした。本当は昨日の予定だったのだが、台風11号が関東に上陸か!?という事態のため、直前に一日延期することにとしたのだ。
どこかよそに宿泊するのはカネの無駄だからね。このブログもノートパソコンで書いて、WiFiでアップロードする。
引っ越し先は東京近県の関東某市、"さらば東京!"というわけだ。
連続して17年住んだ東京だが(・・とくにこの10年は山手線の内側に。通算すると30年近く東京に住んでいるが)、しばし東京を離れることとした。生活ダウンサイジングの断行である。
環境を変えることによって気分一新?、何か変化するものもあろう、また楽しからずや、ということか。
しかし明日からはダンボール箱の山、カオス状態だなー。カオスから果たして何か生まれてくるものはあるのだろうか?何も新しいものが生まれることなく、アンチ・コスモスのまま推移するのか?
片付けはいつ終わるのか、考えただけでもウンザリだが・・・
というわけで、今夜はシュラフで、シラフで寝る。休肝日とする。明日は朝早いので。
こういう状況なのでブログ再開のメドはたっていない。
ではまた。今度お会いする日まで、お元気で。Ciao ! Ciao !
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