2011年3月4日金曜日
TGIF 「ああ、やっと金曜日!?」 いいえ、Twitter, Google, iPhone and Facebook の頭文字が TGIF
はやいものでもう金曜日。明日が休日の人もそうでない人も、あらためて気合い入れてがんばりましょう!
TGIF というと、 米国では Thank God It's Friday. の略。日本語でいえば、「ああやっと金曜日。これで一週間も終わりだ~」となってよろこぶようですね。
最近の韓国では TGIF をもじって Twitter, Google, iPhone and Facebook. (ツイッター、グーグル、アイフォン、フェイスブック)といっているようです。日本よりデジタルライフが浸透している韓国ならではの表現ですね。
私がこのことを知ったのは、スマートフォンの普及で、韓国人の生活は「TGIF」に変わった-「2010年以降の韓国人は・Twitter+Google+iPhone+Facebook」という「日経ビジネスオンライン」に掲載された記事です。
さすが、デジタル先進国の韓国(!)といった感想をもちます。
思い起こせば、韓国が全面的デジタル化への道へ大きく舵を切ったのは、1997年の「IMFショック」がキッカケでした。時の大統領はキム・デジュン、日本では金大中(きん・だいちゅう)といったほうが通りがよいかもしれませんが、韓国では名前(Dae-Jung)の頭文字をとって DJ と呼ばれていました。
DJ 自らが韓国観光プロモーションのテレビCMにも登場して、率先垂範の姿勢を貫いていたことは記憶に残っています。
IMF はもちろん International Monetary Fund(国際通貨基金)の略ですが、当時大量の失業者があふれていた韓国では IMF は I'M Fired の略だと自嘲する人も多かったようです。「オレは解雇された」、という意味ですね。現在の日本の状況の比ではなかったようです。
大統領が強い指導力を発揮して導入した IT化は、韓国社会を大規模に変えることになったことはもはや常識だといっていでしょう。その時点で韓国にはほかに道がなかった、というのがほんとうのところかもしれません。有無をいわさぬ IT化という側面があったのです。
日本でも人気(・・現在は沈静化していますが)の韓流ドラマや韓国映画では、貧富の格差の大きい韓国社会が背景になっているため、日本のドラマとくらべると、よりドラマ性が強いということがいえるでしょう。韓国社会は、1997年以降、それまでの日本にも似た社会から、完全に米国型の弱肉強食の社会に変化しました。
格差が大きければ、それだけ光と影のコントラストが強く、人間のさまざなま欲望がストレートに、あるいは歪んだ形で現れる。格差は拡大し、持てる者はさらに豊かに、そうでない者はさらに厳しい状況を耐えなければならない。
格差拡大は、ビジネスにおいても、財閥企業のなかでもサムソン一人勝ちといった状況を生み出しています。1997年の IMFショックで財閥グループ間でも大きな格差が発生、現在では韓国のGDPの1/3を占めるとまで言われています。
日本のGDPは中国に逆転されて世界第3位となりましたが、それでも約500兆円。韓国は日本の 1/5規模ですが、そのうちの 1/3といえば、いかにサムソンとそれ以外の格差が大きなものになっているかがわかると思います。
さて、TGIF に戻りましょう。
韓国では、TGIF とは Twitter, Google, iPhone and Facebook の略になったそうです。最初の3つ(ツイッター、グーグル、アイフォン)は日本も同じでしょう。アイフォンはスマートフォンの総称ということで。
韓国の場合は、すでに F は Facebook(フェイスブック)のことになってます。
フェイスブックの韓国での普及度は、フェイスブック使用者のデータを調査公開している Socialbakers によれば、現時点(2011年3月4日現在)においては、世界27位で400万人強、浸透率は 8.2%。これに対して日本は世界44位で255万人強、浸透率は 2.0%、韓国も昨年後半から急激に参加者が増えているようです。
ちなみに、普及がいちばん進んでいるのは言うまでもなく米国ですが、世界第2位はなんとインドネシアで3,520万人弱、それでも浸透率が 14%強というのは、世界最大のムスリム人口を抱える大国インドネシアの意外な側面を垣間見る思いがします。米国、インドネシア、英国、トルコ、フィリピンが「フェイスブック普及トップ5」大国というのが現状です。
日本もそう遠くないうちに TGIF となるのかどうか?
日本にはミクシィという巨大な存在があるのでフェイスブックもまだまだ太刀打ちできないようですが、日本の匿名文化を変えていく存在であるフェイスブックには大いに期待したいものだと思う次第です。
<関連サイト>
Facebook Statistics by country (Socialbaker)
・・フェイスブックの参加人数と浸透率(普及率)の最新データを公開(英語)
<ブログ内関連記事>
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(2012年7月3日発売の拙著です)
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