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2011年1月15日土曜日

映画 『ソーシャル・ネットワーク』 を日本公開初日(2011年1月15日)の初回に見てきた




映画 『ソーシャル・ネットワーク』 を見てきた。

 日本公開初日の初回を見た。土曜日とはいえ、午前中の早い時間からシネコンで映画を見るなんてひさびさだ。それだけ待ち遠しい映画だったのだ。
 
 こんな面白い映画はひさびさだ。あっという間の2時間だった。期待以上のものであったといっても言い過ぎではない。

●原題:The Social Network(2010年米国、121分)
●主演:ジェシー・アイゼンバーグ
●監督:デイヴィッド・フィンチャー

 最近のハリウッド映画はネタが枯渇しているようで、リメイクものばかりだ。いい脚本がなかったようだが、これはひさびさに正真正銘のオリジナルストーリーである。

 しかも、2003年から2004年にかけての物語。いまからたった7年前の話である。いや、7年前といえばドッグイヤーからみたら、はるかに昔のことか(笑)。

 もちろん、映画だから脚色はされている。ソニーピクチャーズ製作の映画だからか、主人公のマーク・ザッカーバーグが使っているノートパソコンが vaio であるのは笑える。


映画の舞台はハーバード大学のキャンパスと学生寮

 舞台はハーバード大学。大学院ではなく学部のハーバード・カレッジのほうである。

 主人公は、いまや世界最大の SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の「フェイスブック」創業者のマーク・ザッカーバーグ。現在26歳の彼は、創業当時はまだ弱冠19歳(?)のハッカーである。

 ストーリーはマークがその当時の恋人から振られたことから始まる。後先顧みずに、不満を自分のブログに実名入りでぶちまけたことから始まり・・・


 映画の中心になっているのは、クラブやフラタニティといったキャンパスでの社交(ソーシャルライフ)学生の大半が暮らしている学生寮(ドミトリー)

 日本での公開タイトルを、オリジナルタイトルそのままの「ソーシャル・ネットワーク」としたのは、きわめて正しい判断である。間違っても「フェイスブック」なんてならなくてよかったと思う(笑)。

 なぜなら、「ソーシャル・ネットワーク」の「ソーシャル」というコトバは、こうした米国社会というコンテクスト(文脈)で考えると、その意味するところがよく理解できるからだ。米国では、キャンパスライフにはソーシャル(社交)がつきものである。日本語でいう交友関係とはニュアンスが異なる、きわめて強い意味をもっている。

 男子学生のフラタニティ、女子学生のソロリティなどの閉鎖的な学生交流組織は、エリート主義の象徴ともいえる。ブッシュ前大統領もそのメンバーであった、イェール大学の「スカル&ボーンズ」が有名だが、ハーバード大学に限らず、どんな大学にもたとえば ΦΒΚ(ファイ・ベータ・カッパ)などのような、ギリシャ語の大文字3つで構成されたフラタニティが存在する。

 またエスニシティごとに社交団体もある。映画にもでてくるがユダヤ系学生のための団体もあるのは、日本人会が存在するのと同じである。主人公のマーク・ザッカーバーグはユダヤ系で、フラタニティには入会していない。ブッシュ・ファミリーのようなエリートではないということだ。

 米国の大学の学生寮(ドミトリー)は一人部屋ではない。これがマークには幸いだった。私も大学時代の最初の2年間は四人部屋だったし、米国に留学していた大学院時代の最初の年は二人部屋にいた。
 現在の日本の学生寮のように一人部屋ではないので、「引きこもり」問題は発生のしようがない

 友達の少ないコンピュータオタクであったマークだが、一人部屋ではないから、数少ないとはいえリアルの友達がいた。面白いことをはじめるには、なんといってもまわりにそれを面白いと思って、それをクチにしてくれる人間が必要だ。

 キャンパスライフには大きな基本的な姿に変化はないが、あるとしたら2003年時点では、学生のプロフィールブックがすでに電子化されて、アクセス制限があるが閲覧可能だったことだろう。私が大学生の頃にはプロフィールブックは冊子にしたものだが、コンセプト自体は存在した。しかし隔世の感である。

 現代のキャパスは完全に Wi-Fi(無線LAN)だから、学生はいたるところでノーコパソコンを開く。これは米国だけでなく日本でもそうなっているようだ。うらやましい限りである。


「フェイスブック」の着想は・・

 フェイスブックの着想は面白い。アイデアの初発がどこにあったかはさておき、現在登録者5億人!の超巨大SNSに成長したのは、時の運もあるが、驚異的である。

 この映画にも登場して重要な役割を演じている、音楽ファイル交換ソフトのナップスター創業者ショーン・パーカーの読みが当たったわけである。ショーンも20歳には時の人になっていた。もうずいぶん昔の話のような気もするが。

 マークはショーンからのアプローチに応じて、創業時の事業パートナーと一緒に会うことになるが、マークは自らの直観に従って、その後の行動を決めていくことになる。 

 友情、裏切り、ハッキング、プライバシー侵害、格差社会、知的財産権、訴訟・・・そして和解。まさにドラマにうってつけの素材がごろごろしている。こんな面白い実話をハリウッドが取り上げないはずがない、ということだろう。

 You don't get to 500 million without making a few enemies. 「友達 5億人に到達するには、多少は敵を作るのも仕方ない」。

 「中国、インド、フェイスブック」というジョークがある。「中国13億人、インド12億人、フェイスブック5億人」ともいう。全世界ですでに5億人に普及しているフェイスブックは、すでに参加人口規模でいえば世界第3位ということになる。

 果たして、会社の急成長に人間的成長が追いついているのかどうか。マーク・ザッカーバーグ自身は金儲けにはあまり関心がないようで、この点にかんしてはグーグル創業者の二人にも共通するものがある。

 ハーバード大学を中退したコンピュータの世界の巨人といえば、ビル・ゲイツが想起される。ビル・ゲイツが、ハーバード大学にゲストスピーカーとして呼ばれて話をしているシーンが、この映画のなかにもでてくる。

 マーク・ザッカーバーグも、この映画に描かれた以後の話だが、財産はほとんど寄付することをすでに表明している。映画では「フェイスブック」の時価総額250億ドルとなっているが、先日ゴールドマン・サックスが増資を引き受けた結果、2011年1月時点では、時価総額は500億ドルを超える規模になっている。

 ハーバード大学は、マーク・ザッカーバーグにような天才肌の人間も入学するが、中心にいるのは、ボート部の選手であるウィンクルヴォス兄弟のような存在である。映画では象徴的に描かれているが、そもそも体格がまったく違う。ほんとうのエリートはフィジカル・エリートでもあるというのは、米国でも英国でも同様だ。
 これは会田雄次がそのむかし『アーロン収容所』で指摘していたとおり。この兄弟は、名字からしてオランダ系の名家のようだ。こうしたエリートの存在は、日本からは見えにくいが米国社会には厳然として存在する。
 おそらくこの兄弟のファミリーは、代々ハーバード大学に巨額の寄付を行っているのであろう。

 これに対して、マーク・ザッカーバーグは両親がそれぞれ医者という、ユダヤ系の知的専門職従事者の中流家庭出身、名字からいってアシュケナージだろう。ドイツ語あるいはイディッシュ語で、Zucker(=砂糖)Berg(=山)。佐藤さん、もとい砂糖山(笑)か。ユダヤ系は米国では知的エリートではあるが、奥の院にいるほんとうのエリートではない。

 財務長官を辞めてからハーバード大学の学長職についていたローレンス・サマーズの傲慢ぶりが笑える。かれもまたハーバード始まって以来の神童とよばれたユダヤ系の経済学者である。

 ハーバード大学のあるボストンと東海岸、シリコンバレーのある西海岸のカリフォルニアとの風土の違いも、映画としては、絵的にもコントラストが面白い。


終わりにつれづれ

 この映画は早すぎる「創業物語」であり、「キャンパスものの青春映画」でもある。

 この映画で、日本でも「フェイスブッック」に火がつくだろうか。匿名文化の日本のネット世界では、実名主義の「フェイスブック」はなかなか普及しないといわれているが・・・
 
 「フェイスブック」は英語で Facebook、日本語に直訳したら「顔本」(かおぼん)である。実名とプロフィール写真の公開が前提になるので、日本ではなかなか心理的なバリアが高いのかもしれない。

 とくに組織に属しているサラリーマン男女には心理的抵抗感が強いのだろう。しがらみのない大学生こそ、カベを崩していったもらいたいものだ。かれらが日本の企業社会に入っていけば、日本社会も変化していくだろう。

 とにかく面白い映画である。この映画をみて米国に留学したいという人間が、また一人でも増えることを望みたいものだ。私も、ひさびさに日本の大学時代と米国の大学院時代のことを思い出しながら、熱中して見ていた。この映画は、臨場感とリアリティにあふれているからだ。


P.S. なお、私の「フェイスブック」のユーザーネームは http://facebook.com/kensatoken である。アカウントをお持ちの方は訪問してみてください。






<関連サイト>

映画 『ソーシャル・ネットワーク』 オフィシャルサイト(日本版)

映画「ソーシャル・ネットワーク」予告編(日本語字幕版)

Social Network official trailer HD (英語版トレーラー)

Social Network オフィシャルサイト(英語)

ハッカーからFacebook創業者となった男は何を手にし何を失ったのか-『ソーシャル・ネットワーク』・・映画評

東大ブランドは世界には通用しない ・・灘高からイェール大学の学部に入学した日本人学生のインタビュー記事。



<ブログ内関連記事>

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書評 『グーグル秘録-完全なる破壊-』(ケン・オーレッタ、土方奈美訳、文藝春秋、2010)-単なる一企業の存在を超えて社会変革に向けて突き進むグーグルとはいったい何か?
・・スタンフォード大学の工学系大学院から生まれたグーグル

書評 『ビジネス・ツイッター-世界の企業を変えた140文字の会話メディア-』(シェル・イスラエル、林信行=解説、滑川海彦/前田博明訳、日経BP社、2010)

『つぶやき進化論- 「140字」が Google を超える! -』( エリック・クォルマン、竹村詠美 / 原田卓訳、イースト・プレス、2009)をレビューする

「ハーバード白熱教室」(NHK ETV)・・・自分のアタマでものを考えさせるための授業とは
・・ハーバード大学の、学部での授業

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エスニシティからアメリカ社会を読み解く-フェイスブック創業者ザッカーバーグというユダヤ系米国人と中国系米国人のカップルが写った一枚の結婚写真から

(2014年2月14日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)










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