2011年6月5日日曜日

IKEA (イケア) で北欧ライフスタイル気分を楽しむ-デフレ時代の日本に定着したビジネスモデルか?


 IKEA(イケア)が、2006年にふたたび日本に進出してから今年で 5年になる。
 
 IKEA が日本進出するのはじつは今回が初めてではない。

 いちど進出しているのだが、1986年にあえなく撤退している。IKEA の北欧テイスト家具は評価されても、バブル全盛期の日本には、自分で持ち帰って自分で組み立てるというDIY(=Do-It-Yourself)感覚は受け入れられなかったということだろう。

 今回の日本再進出は20年後。2000年以降もいまだデフレ時代が続く日本では、IKEA のコンセプトは完全に定着したといっていいだろう。豊富なアイテム数と色彩豊かでユニークなデザインとは裏腹の低価格徹底した合理主義によるこのビジネスモデルは、いまの日本にはピッタリだ。


前回も今回もまず第一店目は東京ベイエリアの船橋から

 前回の進出も、今回の進出も、まずは東京ベイエリアの南船橋(船橋市)からである。東京都内ではないが東京には近く、しかも駐車場スペースを十分にとれる、比較的大規模な土地が確保できることは必要条件だからだ。

 前回は、ららぽーとのローラスケート場跡地、今回は京葉線をはさんで駅前の南側にあった屋内スキー場の跡地に第一店を出店した。よくよく船橋とは縁が深い。千葉県立船橋高等学校を卒業し、その後は船橋から離れていたが、2年前からは船橋市に住んでいるわたしにとっては、IKEA の再チャレンジをうれしく思うとともに、バブル期をはさんだこの25年間を感慨深く感じないわけでもないのだ。

 というのも、ららぽーとじたい、もともとかの有名な船橋ヘルスセンターの跡地につくられたものだ。わたしの高校時代はすでに廃園になっていたが、スケートリンクだけは営業していた。ららぽーとは現在では船橋だけでなく首都圏各地に多店舗展開しているのはご存じの通りである。

 バブル期には屋内スキー場(!)、バブル期の終焉(しゅうえん)後はまた更地、そしてふたたび IKEA が戻ってきた

 おそらく、「3-11」でさらに「堅実」となった日本人の消費行動を念頭におくと、徹底的にムダを廃した、合理主義精神に貫かれた IKEA のビジネスモデルは、間違いなく定着したといっていいだろう。


たまに IKEA の店舗にいって思うこと

 船橋に住んでいるからといって、それほどひんぱんに IKEA に行くわけではないのは、そもそも家具というものは日用品ではないし、これ以上は家具を増やしたいわけではない(!)という理由も大きい。

 また店舗内の導線設計が回遊型なので、ピンポイントで目的地に直行できないというのも、なかなか行くのが億劫になる理由でもある。



 IKEA ファンからすれば、カートを押しながら、最初から最後までゆっくりと回遊するのがいい、ということになるのだろう。だが、それほど濃いファンでなければ、正直いって面倒といえば面倒だ。

 その意味では、日本では最初から顧客を選別していることになる。初回の日本進出で失敗したのは、これも理由として大きいだろう。

 スウェーデンにいったことはあるが、IKEA の店舗には入ったことがないのでわからないが、スウェーデンをはじめとした欧州や北米では当たり前に受け入れられているのだろう。あえて、日本人の常識にあわせずに自分たち流を貫く姿勢は、今回は、逆に若い世代の共感を得ているのだろうか?

 導線設計という点においては異なるが、大型のカートを押しながら買い物をするスタイルは、米国だけでなく欧州には多い。IKEA もそうだが、フランスのカルフールもそうだ。また米国のコストコもそうだった。自分で自動車を乗り入れて、自動車で持ち帰るのを前提にした小売業態である。

 ちなみに、日本に進出したカルフールも結局のところ撤退した。現在は看板(ブランド)異様兼ごとイオンが引き継いでいる。流通の壁が厚かったのが理由ではないだろう。



 今回(2011年6月4日)は、はじめて IKEAレストランで軽食を食べてみた。缶ビール(299円)とスモークサーモン(399円)で合計698円(+消費税)。缶ビールは Stockholm という銘柄。スウェーデンの首都の名を冠したビール。見るのも飲むのも初めてだ。サーモンはノルウェー製。棚からとったものをレジで清算するカフェテリア方式。



 換算するとだいたい 5 ユーロくらいだから、スウェーデンで食べても同じくらいだろうか? なんせ北欧は物価が高いという印象が、わたしのなかではつよく残っている。

 カフェテラス方式は欧州でも完全に定着している。セールサービスでムダなコストを削減した方式は合理主義そのものである。人件費の高い欧州では、チップも必要ないというのが魅力的なのだ。これは旅行者にとってだけでなく、地元の住民にとっても同じだろう。

 セルフサービスのカフェテリア方式は、日本でも拡大していくことだろう。なんせ、「原発事故」で中国人が大量に逃げて帰国してしまったくらいだ。味気ないとは言うまい。なにごともトレードオフの関係である。合理主義は、かならずしも冷たいわけではない。


IKEA をつうじて北欧のライフスタイルの一端に触れる。IKEA 通販しないので店舗にいくしかない

 今回 IKEA に一年ぶりに行ったのは家具を購入するわけではなく、太陽光ランプを買いに行くためだ。SUNNAN(スッナン)という、IKEA のプライベートブランドの照明器具

 「太陽光を電力に変換するソーラーパネルを使用しているため、電気代がかかりません どこでも使えます。ケーブルや電源プラグは必要ありません」という、機能性とデザイン性を同時に実現したスグレモノだ。



 今年の夏の「節電アイテム」の一つとしてウェブで紹介されていたので気になっていたが、なんせ IKEA は通販しない(!)ので、夏が来る前には訪れて一台購入して試してみようと思っていた。

 照明器具売り場に山のように積んであった。価格は1,990円(税抜き)、色はライトグリーンを購入することにした。こういう色合いの照明器具は日本ではあまりないから。ブラックばかりでは暑苦しいし。

 6時間の充電で2時間使えるというもの。じっさいに使ってみると、コードレス・ランプといってもいい。おしゃれでもある。明るさにもまったく問題ない。製造は IKEA の他の製品と同様 Made in China である。


IKEAにくる楽しみは北欧の食材を買うこと

 IKEAにくる楽しみは、わたしにとっては北欧の食材を買うことにある。

 スモークサーモン(ノルウェー製)、にしんのピクルス(酢漬け)、修道院チーズ、ジャム(ミックスジャムとブルーベリージャムの2種類)を買う。



 このほか、今回は買わなかったが、スウェーデン産のじゃが芋焼酎であるアクアヴィット(aquavit:命の水、スピリッツ 40%)も比較的安く手に入ることを書き添えておこう。


 なお、今回 IKEAファミリーカードをつくった。会費が無料で提示すれば一部の商品が安くなるというもの。次回いついくのか定かではないのだが。

 IKEA をつうじて北欧のライフスタイルの一端に触れる、これまた楽しからずやといったところか。

 北欧をモチーフにしたテーマパークをあまりみない日本であるが、IKEA はありきたりのテーマパークよりも、ある意味では面白いのかもしれない。実質的には、家具屋の域を超えた、ライフタイルをつうじた北欧文化の情報発信拠点となっているからだ。



PS アクアヴィットの写真を一枚追加した (2014年2月22日 記す)。



<関連サイト>

IKEA Japan

イケア船橋店(ストア情報)

イケア(wikipedia の項目。これは非常に詳しい)

IKEA のコンセプト(英語)



<ブログ内関連記事>

新装刊の月刊誌「クーリエ・ジャポン COURRiER Japon」 (講談社)2010年7月号を読む-今月号の特集は「アップルが、世界を変える」
・・北欧-その光と影 世界が羨む「理想社会」という記事に対するコメント

書評 『クオリティ国家という戦略-これが日本の生きる道-』(大前研一、小学館、2013)-スイスやシンガポール、北欧諸国といった「質の高い小国」に次の国家モデルを設定せよ!

「イオンモール幕張新都心」(2013年12月20日オープン)をフィールドワークしてきた
・・IKEA船橋店についても言及

(2013年12月31日 情報追加)


 
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