NHKクロースアップ現代で、2012年6月6日放送の 「“牛レバ刺し全面禁止”の波紋」を見た。
内容は以下のとおりだ。クローズアップ現代のウェブサイトから引用させてもらおう。なお、太字ゴチックは引用者(=佐藤)によるもの。
5人の死者を出した焼き肉チェーン店での“ユッケ”食中毒事件から1年あまり。対策として国が打ち出した「牛レバ刺し全面禁止」の方針をキッカケに、“食の安全”と“食文化”をどう両立していくかをめぐって大きな議論が巻き起こっている。
被害者をこれ以上出さないためにも生食に対し、厳しい規制を求める声がある一方、「国が一律に禁止すれば地域が育んできた食文化を損ないかねない」という声が、食肉業界だけでなく、地鶏の生食文化が根付いている鹿児島などからもあがっている。
刺身、生牡蠣、生卵など独自の生食文化を築いてきた日本。一方で、生食には細菌や寄生虫などよって健康や生命を脅かされるリスクも伴う。食のリスクとどう向き合い、食文化の多様性を保っていくか?生食をめぐる議論から考える。
「レバ刺し」が来月(2012年7月1日)から全面禁止になるということをはじめて知った。誰だ、こんなバカな決定を行ったのは?
レバ刺し、食わせろ!
法律で食文化を抹殺するな!
いまのいままで知らなかったわたしもウカツだったが、国民の知らない所で決定している厚生労働省んびは、激しい怒りを感じる。なんでもっと広報しないのだ?
しかも番組によれば、九州名産の「鶏刺し」まで全面禁止にもっていこうとしているらしい。
まことにももって、言語道断。このままでは、そのつぎは馬刺し、生ガキ、生卵、そして究極的には、魚の刺身まで禁止になりかねない。それがナマ食禁止のロジカル・コンクルージョン(=論理的帰結)だろう。
「食の安全」は大事だが、「食文化」だってはるかに大事なことはいうまでもないではないか。食の楽しみを奪うのはやめてくれ。
一部の悪徳業者の行為のために、良心的な業者が迷惑を被るだけではなく、消費者も多大な被害を被ることになる。まさに「悪貨は良貨を駆逐する」である。法律で一律に規制するのは、厚生労働省の責任逃れの方便ではないか?
もし「鶏刺し」が全面禁止になったら、鹿児島の農家も壊滅的な打撃を被ることになる。馬刺しだって、鮮魚だって同様だろう。そして、なによりもそれらを楽しみにしている消費者が最大の被害者である。
全国食肉事業協同組合連合会(全肉連)は、禁止見直しを求める要望書をまとめた、という。当然だ。関連の記事を検索してみると、一般消費者からも署名を行うことに決めたという。
さっそく、全肉連のウェブサイトで「牛生レバーの規制に反対する要望書の提出と署名活動のお願い」を検索によって、探し出した。
記載されている「反対理由」は以下のとおりである。
■牛レバーの生食規制には、あくまで反対します。
1. 国民が自ら摂る食事の、その材料や調理方法については、基本的に自己の責任において自由に行うことが基本であり、法律で規制すべきでない。
2. 日本には刺身、生卵、生牡蠣など、永年にわたり生での食習慣が根付いている。 ある程度のリスクを理解しつつも、生レバーを食べたい消費者も多くいる。 もし、新たな規制を導入するには、それ相当の消費者の要望や、リスク評価の他、規制導入による関係業界の影響等、広範な検討をして決定すべき。
3. リスク評価は、偏りのない試料で行なうべきなのに、2次汚染の疑いのある、一部のと畜場の検査等を集め、規制をするために都合のよい試料を示し、これを根拠に生レバーの提供を禁止するのは許し難い。
4. と畜場の処理方法を改善することにより、また殺菌効果のある新たな処理方法の導入により、リスクの低減をはかれる。これでも許されないなら、腸管出血性大腸菌(0・157等)の有無を個体毎に検査し、リスクの無いものを選別し、流通する事が可能である。
趣旨には全面的に賛成だ。消費者が自分で判断できるように情報公開を行うのが役所がすべきことだろう。
さっそく 牛レバーの生食(なましょく)規制に、反対する署名 をダウンロードし、署名して全肉連に送付することにした。
私憤を公憤につなげるためにも、趣旨に賛同する人は、ぜひ署名活動に参加してほしいと思う。
<関連サイト>
■全国食肉事業協同組合連合会(全肉連)関連
生レバーの流通規制について(全肉連 2012年5月10日)
牛生レバーの規制に反対する要望書の提出と署名活動のお願い(全肉連 2012年4月2日)
牛レバーの生食(なましょく)規制に、反対する署名(全肉連 2012年5月10日)・・このサイトからダウンロードできます。
■NHKクローズアップ現代
「“牛レバ刺し全面禁止”の波紋」(2012年6月6日放送)
■厚生労働省(食品)
牛レバーを生食するのは、やめましょう(「レバ刺し」等)
・・あらたな規制づくりによる権限強化か?
<ブログ内関連記事>
書評 『イルカを食べちゃダメですか?-科学者の追い込み漁体験記』(関口雄祐、光文社新書、2010) ・・食文化は地方(ローカル)の固有文化である!
「生命と食」という切り口から、ルドルフ・シュタイナーについて考えてみる
本日(5月31日)は「世界禁煙デー」-とくに "歩きたばこ" は "火のついた凶器"、一日も早く全面禁止が実現しますよう!・・厚生労働省も一方ではよいこともしているのだが・・・
(2012年7月3日発売の拙著です)
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