2012年12月10日月曜日

毎年恒例の玉川大学の「第九演奏会」(サントリーホール)にいってきた(2012年12月9日)-ことしはシベリウスの交響詩 『フィンランディア』!


ことしもはや『第九』の季節である。はやいものだ。

ことしもまた玉川大学の「第九演奏会」にご招待いただいた。

今回は日曜日の午後の開催である。マチネである。「マチネ」(matinee)とは朝から午後を意味するフランス語。夕方を意味する「ソワレ」(soiree)の反対語だ。

ことしは、テノールも交替した。錦織健から市原多朗への交替である。

さらに、ことしはわたしが大好きな交響詩 『フィンランディア』というのもうれしい。フィンランド苦難の歴史から生み出されたこの名曲は、聞いているだけで熱くなってくる。フィンランド民族の不屈の精神は日本人の底力につうじるものがあるからだ。腹の底から元気がでる曲である。

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◆曲目:シベリウス 交響詩 《フィンランディア》 作品26
  L.v.ベートーヴェン/交響曲第九番ニ短調「合唱付」作品125
◆指揮:秋山和慶
◆独唱:大倉由紀枝(ソプラノ)、永井和子(メゾ・ソプラノ)、市原多朗(テノール)、木村俊光(バリトン)
◆管弦楽:玉川大学管弦楽団
◆合唱:玉川大学芸術学部合唱団

◆日時:2011年12月9日(日)14時開演(開場13時30分)
◆会場:サントリーホール

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つい先日読んだ 『オーケストラの経営学』(大木裕子、東洋経済新報社、2008) にも書いてあったが、一つの曲に専念して入念に練習を積み重ねてきたオーケストラのほうが、有名なオーケストラよりもすばらしい演奏を行うことがあるという。「玉川大学の第九」もまたその典型的な例であろう。

また、いつ聴いても合唱パートがすばらしいのだが、いかんせんドイツ語の歌詞を耳で聴いてもドイツ語そのものとしては聞き取れないのが残念だ。『第九』を歌った経験がないから歌詞がアタマのなかに入っていないのだろう。プログラムにドイツ語の歌詞を書いておいてもらういといいのだが。

だが、今回は『第九』の聴き方にすこしは深みがでてきたかもしれない。書評 『指揮者の仕事術』(伊東 乾、光文社新書、2011)-物理学専攻の指揮者による音楽入門 でも触れたが、歌詞(=コトバ)を介して音楽と思想が結びつく、19世紀ドイツにおける音楽史と思想史のうねりを感じ取ることの必要をあたらめて知ることができたからだ。

シラーの原詩とベートーヴェンが変更した詩句との比較、ドイツ語の原詩の深い意味、『歓喜の歌』と題されているが、そのままストレートに受け取るべきものではないことなど、ほんとうはそこまで突っ込んで考えなくてはならないようなのだ。

難聴のため耳が聞こえなくなっていたとはいえ、自分のアタマのなかでは自分の声は聞こえていたと考えるべきこと、も。

ご関心のある方は、ぜひ『指揮者の仕事術』の「第5章 言葉に命を吹き込む仕事-「第九交響曲」の魂を訪ねて」を読んでいただきたい。日本語の訳詞だけでは深掘りに限界があるからだ。

『第九』というと、ただちに年末が連想されるが、ことしも玉川大学の『第九』を聴いて、あっという間の一年だったような、早いものだなあという感慨を抱く。

戦後間もなくはじまった慣習のようだが、第九(だいく)といえば年末という連想を日本人のアタマから切り離すのはもはや困難であろう。おなじく12月ネタであるが、大工(だいく)といえばマリアさまの旦那ヨセフという連想は、キリスト教徒でないとピンとこないかもしれないが。

一年の終わりが近づいてきて思うのは、月並みな感想かもしれないが、生きているいることに感謝という気持ちである。

つい数日前にも「3-11」のかなり大きな余震があったばかりだからだ。幸いなことにコンサート当日は大きな地震もなく、演奏は中断されることなくフィナーレを迎えることができた。めでたし、めでたし。



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(2012年7月3日発売の拙著です)





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