2012年12月10日月曜日

マンガ 『きのう何食べた?⑦』(よしなが ふみ、講談社、2012)-主人公以外がつくる料理が増えてきてちょっと違った展開になってきた


『きのう何食べた⑦』(よしなが ふみ、講談社、2012)。シリーズ最新刊。

よしながふみ といえば、12月下旬に公開される予定の日本映画 『大奥』の原作者としてのほうが有名かも知れませんが、ほぼ一年おきに単行本化されるこの息の長いシリーズもまた少なからずファンがいるようで安心です。

さて、最新刊の⑦で取り上げられているのは、以下のような料理。

●鶏肉の香草パン粉焼き
●明太子とサワークリームのディップとバゲット
●ほうれん草入りラザニヤ
●ブロッコリーとあさりのペペロンチーノ
●ミルクティーのシャーベット
●鶏の唐揚げ
●かぶとにんじんの酢の物
●うどんすき
●マーボー春雨
●かぶとベーコンの豆乳スープ
●卵とアスパラ入り海老チリ
●キムチチゲ
●あじの塩焼き
●なすといんげんと豚肉の煮物
●デミグラスソースのオムライス
などなど

たとえば、ブロッコリーとあさりのペペロンチーノ。アサリの酒蒸しからスパゲッティ・ヴォンゴレはよくつくるのですが、こういう料理もあったのか、という発見がありますね。

レシピとしてもつかえるのはもちろん、こういう料理もあったかという発見があるのもウレシイところ。料理マンガは、グルメマンガよりも実用的ですね。

拙著 『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房、2012)第5章「「引き出し」の増やし方 応用事例-「料理」を例に「引き出し」を増やしてみるとしたら」を参照いただけると幸いです。このマンガのことは、P.197でとりあげてますよ!

よしながふみは、外食グルメマンガの 『愛がなくても喰っていけます。』(太田出版、2005)以来のファンなのですが、この本は人に貸したまま返ってこない。それくらい面白かい本です。とはいえ、『愛がなくても・・』は一巻だけで終わってしまったのが残念。

それにくらべて、料理マンガの 『きのう何食べた?』のほうはすでに7巻。毎回、けっこう手の込んだ料理を作っている主人公のスローライフ志向のゲイの弁護士も、この第⑦巻ではすでに48歳(?)。

この最新刊では、主人公以外の登場人物たちが料理をつくるシーンが増えてきて、ちょっと違った展開になってきたような。カバーの色が⑦で変わったことに気がつきました?



物語じたいも、なんだか「起承転結」の「転」のような感じで、いよいよ「結」にむけて動き出しのかもしれません。これからどんな展開になるのが楽しみですね。

というわけで、まだまだ連載がつづいている『きのう何食べた?』、つぎの第⑧巻がでるのが楽しみです。








<関連サイト>

モーニング公式サイト - 『きのう何食べた?』作品情報


<ブログ内関連記事>

『きのう何食べた?』(よしなが ふみ、講談社、2007~)

『きのう何食べた? ⑤ 』(よしなが ふみ、講談社、2010)

『きのう何食べた?⑥』(よしなが ふみ、講談社、2012)-レシピは読んだあとに利用できます

『檀流クッキング』(檀一雄、中公文庫、1975 単行本初版 1970 現在は文庫が改版で 2002) もまた明確な思想のある料理本だ

『こんな料理で男はまいる。』(大竹 まこと、角川書店、2001)は、「聡明な男は料理がうまい」の典型だ




(2012年7月3日発売の拙著です)





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