(ミュンヘンのレンバッハ邸美術館で購入したマグネット)
「ドイツ表現主義」の画家フランツ・マルクの「青い馬」。デフォルメした動物を大胆な色彩で描いた画家。
フランツ・マルクはわたしがもっとも好きな画家の一人。「ドイツ表現主義」(German "Expressionism")は「フランス印象派」(French "Impressionism")と対をなす芸術流派。英語で表記するとこの二つが対(つい)の関係にあることがわかるでしょう。日本語訳の限界ですね。
日本の浮世絵の影響を受けた「フランス印象派」の作品が日本で人気が高いのは、ある意味では当たり前といえば当たり前ですが(・・わたしも好きです)、「ドイツ表現派」の愛好者がもっと増えてほしいものと思います。
ドイツ表現主義というと『メトロポリス』や『カリガリ博士』といった映画を連想する人も少なくないと思いますが、映画だけではありません。絵画作品にもすばらしいものが多数あります。
もっとも有名なのがロシア出身のカンディンスキー。そして彼を中心とする「青騎士」(Der Blaue Reiter)という美術グループに参加したいたのがフランツ・マルク(Franz Marc 1880~1916)。芸術を愛し動物を愛した彼が第一次大戦で戦死したのはまことにもって不幸としかいいようがありません。
(Blaues_Pferd 1911 wikipediaドイツ語版より)
フランツ・マルクは「青い馬」を何点も描いてますが、これがもっとも有名な作品。冒頭に掲載したのは、彼の作品をたくさん所蔵しているミュンヘンの「レンバッハハウス美術館」で買い求めたマグネットです。この美術館にはカンディンスキーの作品も多数あります。
(Blaues_Pferd_1911 wikipediaドイツ語版より)
このほか「青い馬」を描いた作品は多数ありますが、wikipediaドイツ語版に掲載されている作品を紹介しておきましょう。
(Der Turm der blauen Pferde, 1912/1913 wikipediaドイツ語版より)
2010年に開催された 「カンディンスキーと青騎士」展(三菱一号館美術館)について書いたブログ記事でフランツ・マルクとミュンヘンのレンバッハ邸美術館に触れています。この美術展で私がもっとも見たかったのはフランツ・マルクの「虎」でした。
「青い馬」に「黄色い牛」、そして「虎」。フランツ・マルクの原色を大胆に使った動物画は、何度見てもあきることがない強い印象をもっています。
ことしは第一次大戦が勃発して100年にあたります。1914年7月28日に勃発した世界大戦。この戦争に志願したランツ・マルクは、先にもふれたように1916年3月4日にフランス戦線で戦死します。
「青い馬」は1911年から1913年にかけての作品ですが、その意味では画家としての「晩年」に到達した境地を表しているといえるかもしれません。
日本にも第二次大戦で戦没した画学生たちの作品を集めた「無言館」という美術館が長野県上田市にあります。わたしも一度訪れたことがありますが、戦争のため絵筆を折らざるを得なかった画家たちの無念は筆舌に尽くしがたいものがあります。
フランツ・マルクの作品を見る際にも、ヨーロッパ全体に壊滅的打撃をもたらした第一次大戦における36歳での戦死という事実をアタマの片隅にでも置いてほしいものと思います。
Franz Marc (wikipediaドイツ語版)
・・画像ふくめた情報が充実している
レンバッハ邸美術館(Lenbachhus) (公式サイト ドイツ語)
戦没画学生慰霊美術館「無言館」(長野県上田市)
<ブログ内関連記事>
「カンディンスキーと青騎士」展(三菱一号館美術館) にいってきた
「ルドルフ・シュタイナー展 天使の国」(ワタリウム美術館)にいってきた(2014年4月10日)-「黒板絵」と「建築」に表現された「思考するアート」
(2014年8月10日 情報追加)
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