2015年5月23日土曜日

「マリンフェスタ 2015 in FUNABASHI」 に行ってきた(2015年5月20日)-海上自衛隊の「掃海艦つしま」にはじめて乗船

(千葉県船橋市の京葉埠頭に停泊中の掃海艦つしま)

千葉県船橋市の京葉埠頭で開催中の「マリンフェスタ 2015 in FUNABASHI」に行ってきたというイベントに行ってきた(2015年5月20日)。

自衛隊千葉地方協力本部の主催で、「海軍記念日」(5月27日)を記念して開催されるもの。場所は東京湾岸(Tokyo Bay)の千葉側にある京葉埠頭。本日は、「天気晴朗にして、波穏やか」な東京湾。潮風が心地よい。
       
「南極観測船しらせ」(二代目)が碇泊する隣に、海上自衛隊の「掃海艦つしま」が碇泊。本日(2015年5月23日)と明日(24日)の二日間、一般公開されて無料で乗船することができる。約1時間をかけて内部を見学した。

(「つしま」艦内から見た「しらせ」)

掃海艦は、機雷の除去を任務とする艦船。「掃海艦つしま」は1991年に進水した旧型の掃海艦で、2011年には、日本のエネルギー安全保障にとって死活的な意味をもつペルシア湾にも派遣された実績をもつ。ペルシャ湾の地域大国イランが機雷を敷設する可能性がつねに存在するのである。

機雷除去という任務のため、つしまは艦全体が木造(!)である。樹齢200年から300年の米国産の松材から作られているという。日本では最大規模の木造船であろう。

艦内には当直士官たちが配置され、一般人からの質問に気軽に答えてくれる。さすがに東京湾内なので機雷除去の実演はないが、それでも実際に乗艦してみると、雰囲気を感じることはできる。

(掃海艦つしま)

海上自衛隊の掃海能力が米海軍からも高く評価されてきたことは、『海の友情-米国海軍と海上自衛隊-』( 阿川尚之、中公新書、2001)に記されている。太平洋戦争の際、米国によって日本の周囲に敷設されていた機雷の除去に、敗戦後も従事したこともあり、戦前から途切れることなく任務にあたっているのが掃海なのである。

(習志野基地に配備されている地対空ミサイルPAC-3)

このほか、航空自衛隊のパトリオット地対空ミサイル(PAC-3)などの実物が展示されていた。82式指揮通信車、LAV、偵察用オートバイ、81式短SAM、93式近SAMなど。ふだんなかなか目にすることのできない自衛隊の装備を実見できるよい機会となった。
  
売店では早くもオスプレイのおもちゃが販売されていた。米国製である。

(オスプレイのおもちゃ)

なにごとも「百聞は一見にしかず」。一般市民(シビリアン)がミリタリーを知るよい機会である。子どもたちは装備に乗って喜び、若い女性たちも多く訪れている交流イベントである。

(マリンフェスタ2015 in FUNABASHI のポスター)





<関連サイト>

自衛隊千葉地方協力本部 

「マリンフェスタ 2015 in FUNABASHI」 イベント・プログラム

イランによる「ホルムズ完全封鎖」は非現実的-掃海部隊を中東に派遣する前提に誤り (文谷数重 :軍事ライター、東洋経済オンライン、 2015年6月1日)

(2015年6月2日 情報追加)



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・・しらせは海上自衛隊の艦船である




(2012年7月3日発売の拙著です)











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