むかし大学時代に4年間も小平市に住んでいたのに気がつかなかったのは、30年前の当時は丸ポストが当たり前だったからかもしれない。
テレビ番組の説明によれば、住民が希望を表明すれば、丸ポストのままでOKなのだとか。
時代を超えて生き残っているノスタルジーあふれる物体のことを、わたしは勝手に「昭和遺産」と呼んでいるのだが、筒型の丸い郵便ポストもまた 「昭和遺産」 でありますね。
見た目からいったら、色といい形といいカニのようなタイプが現在では主流だが、このカニスタイルの郵便ポストが導入されたのは、なんといまから53年前の1962年のことらしい。昭和37年の導入ということになるのでずいぶん前から、筒型ポストは消え始めていたということになる。
現在のスタイルも昭和時代の産物なのだが、レトロ感がないのは不思議だ。機能性だけが重視された世界標準のスタイルのためだろうか。
人間は見慣れているものは当たり前とみなしがちだ。健康と同様、失ってみてはじめてその価値に気づく。
写真は千葉県佐倉市で昨年(2014年)に撮影したもの。城下町佐倉にはふさわしい。
丸いポストのまち こだいら (小平市ウェブサイト)
<ブログ内関連記事>
「移動図書館」-これもまたぜひ後世に遺したい戦後日本の「昭和遺産」だ!
これがバキュームカーだ!-下水道が整備される以前の「昭和遺産」である
駅の伝言板-これもまた「昭和遺産」だ!
電気をつかわないシンプルな機械(マシン)は美しい-手動式ポンプをひさびさに発見して思うこと
『貨物列車のひみつ』(PHP研究所編、PHP、2013)は、貨物列車好きにはたまらないビジュアル本だ!
・・貨物列車の最後尾に連結する「車掌車」もまた、いまや見ることのない「昭和遺産」なのである。
子どもの歌 「こんめえ馬」は「戦後民主主義」が生んだきわめて良質な遺産
(2012年7月3日発売の拙著です)
ツイート
ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。
ご意見・ご感想・ご質問は ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。
禁無断転載!
end