2015年10月21日水曜日

秋に咲くコスモス(COSMOS)に宇宙をみる


秋の花といえばコスモス。秋桜と書いてコスモスと読ませたりもする。俳句では秋の季語でもある。キク科コスモス属の総称だ。
  
観賞用として花壇に植えられて栽培されているだけでなく、空き地や河川敷などに自生して、群生して咲き乱れているコスモスは色鮮やかで美しい。

とはいえ、コスモスという名称が示しているように外来種である。コスモスは熱帯アメリカ原産の園芸植物であり、メキシコからはスペインに渡り、イギリスには1799年に渡来している。日本には明治初年に導入された。日本デビューの起源も明確にわかっているのだ。
 
上掲の写真は、空き地で咲いているコスモスを撮影したものだ。都市部に居住する年配の方にとっては、コスモスといえばかつては空き地に咲いている花というイメージがあるようだが、高度成長時代が終わって、空き地そのものが少なくなってしまった現在では見られない光景かもしれない。

いま老朽家屋がそのまま解体されずに放置されている「空き家題」がクローズアップされているが、老朽家屋の取り壊しが進めば空地も増え、そしてふたたび空き地にコスモスが咲き乱れる光景が復活するかもしれない。

いまはなき天文学者で科学啓蒙家カール・セイガンの著書『COSMOS』は、1980年代のベストセラーだが、英語の cosmos は宇宙の意味である。秋の花のコスモスと区別するために、このようなタイトル表記になったのであろう。

コスモスは、もともとはギリシア語の Κόσμος で秩序や世界、そして宇宙を意味するコトバだ。8枚ある花弁が秩序を感じさせるために命名されたのであろうか。

咲き乱れるコスモスに宇宙を見る。それもまた、よきことかな。






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(2012年7月3日発売の拙著です)











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