(ノーマン・ロックウェルの「感謝祭」)
本日(11月23日)は日本の国民の休日です。「勤労感謝の日」となっております。
もともとは稲の収穫を祝う宮中の行事が休日となった「新嘗祭」(にいなめさい)でした。敗戦の結果、GHQの占領政策によって「新嘗祭」が廃止され、「勤労感謝の日」と衣替えされたわけです。
いわゆる Occupied Japan(占領下日本)状態の 1948年(昭和23年)のことです。 「勤労感謝の日」は、アメリカの国民の休日である「感謝祭」とほぼ同じ時期になります。感謝祭は、英語で Thanksgiving Day といいます。「収穫祭」の意味でもありますね。11月の第4木曜日がその日にあたります。
冒頭に掲載した画像は、かの有名なノーマン・ロックウェル(Norman Rockwell 1894~1978)の「感謝祭」。いかにもアメリカ的なアメリカを描いた画家でですね。「古きよき時代のアメリカ」を描いてますが、これは「欠乏からの自由」(Freedom from Want)と題された1943年の作品。ローズヴェルト大統領の「4つの自由」の一つを描いたもの。
(Freedom from Want, 1943 wikipedia より)
ちなみに「4つの自由」とは、「言論の自由」、「信教の自由」、「欠乏からの自由」、「恐怖からの自由」であり、このいずれも「戦中」の日本には欠けていたものであります。その意味では、「4つの自由」への戦いとは、大日本帝国や第三帝国(=ナチスドイツ)との戦いを意味していたと考えてもよいかもしれません。
Thanksgiving Day (感謝祭)といえば、わたしにとっては「災難の日」(Calamity Day)と記憶されております。いまを去ること20数年前のアメリカ留学中、まさにこの日でありましたが、住んでいた寮の隣の部屋から火事がでたために、部屋を追い出されるはめに・・・。延焼は免れましたが自分の部屋への立ち入りが禁止されてしまいました。
アメリカ東海岸のニューヨーク州の11月23日といえば寒い冬の一日。ニューヨーク・シティ在住の友人宅を転々として数日過ごしましたが、わたしにとっては、とんだ Thanksgiving Day (感謝祭の)プレゼントとなったわけであります。まさに No Thanks ! でありましたが。
そんな個人的な記憶はさておき、せっかくの「国民の休日」ですからね。何に対する感謝か、誰に対する感謝かは別にして、「感謝の日」としたいものです。
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