2016年9月28日水曜日

「ながつきの 彼岸過ぎても 彼岸花」

(江戸川の堤にて 筆者撮影)

彼岸花というのは、秋のお彼岸前後に咲くから彼岸花。

曼珠沙華(まんじゅしゃげ)ともいうが、彼岸花といったほうが季節感がある。なぜなら、彼岸花は秋のお彼岸頃には必ず咲いている花だからだ。

ことしはなぜかお彼岸前から咲いているというニュースがTVで流れていたし、お彼岸が終わっているのに咲いているのを見かけた。花が咲いている期間が長期間なのか、それとも異常気象のせいで植物の体内リズムに変化があるのかどうかはわからない。

(江戸川の堤にて 筆者撮影)

秋のお彼岸すぎても咲いていた彼岸花をみて一句。

ながつきの 
彼岸過ぎても 
彼岸花

お粗末で(^^;



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2016年9月27日火曜日

巨大なパンケーキがことしも出現!-都市近郊にも出現する脳茸(のうたけ)に感じるセンス・オブ・ワンダー


ことし(2016年)は異常気象つづきで台風が毎週のように来襲してくるが、そのせいで雨の量も半端ではない。関東地方も、9月はほとんど雨降りか曇り空だったような気がする。残暑が続いて暑かった(いやまだ暑い)が。

もしかするとこの多雨のせいかもしれないが、もうはや巨大パンケーキが出現していた。例年より早い気がする。ふと思い立って見に行ったら、そこにあったのだ。ことしも同じ場所で、同じくらいの数で。

これはノウタケである。脳茸。さらに生育すると人間の脳にのようにしわしわができてくるから脳茸。写真の状態だとパンケーキのようでもあるし、アンパンのようでもある。


ノウタケは通常は、シンメトリーのあるまんまるの形で、直径が15から20cmくらいだが、上掲の写真のような面白いフォルムで出現することもある。とくに障害物があって、上掲のような形態になったのではないようだ。

幸いなことにことしもノウタケを見ることができた。このように巨大なキノコが出現すると、かならずや小学生たちに見つかって、破壊されてしまうから。里山ではなく、都市近郊の居住地域の街路樹の根元だから。

自分も子どもだったら絶対いじって壊してしまうだろうが、大人としてはノウタケの出現と消滅まで観察したいという気持ちもある。

そえれにしても自然界は面白い。都市近郊ですらセンス・オブ・ワンダーに充ち満ちている。



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2016年9月25日日曜日

9月になると紫色の実をつけるムラサキシキブの学名(Callicarpa japonica)はツンベルクの命名


九月も後半になると、紫色のつぶつぶが目に入ってくるようになる。そしてはじめてそれがムラサキシキブであることがわかる。紫色に染まる前は、つぶつぶはできれいるが真っ白なので気がつかない。

ムラサキシキブはシソ科の落葉低木だそうだ。つぶつぶの果実が紫色で美しいので観賞用に栽培されている。一般家庭だけでなく公園などでもまとめて植わっているのをめにすることもある。

もともと日本の山野に自生する植物のようなので、ムラサキシキブという名称も十分に納得のいくものがある。ムラサキシキブとは、紫式部のことだろう。


ラテン語の学名は Callicarpa japonica と日本産であることが明記されている。wikipediaによれば、スウェーデンの植物学者のカール・ツンベルクが学名を命名したという。

ツンベルク(Carl Peter Thunberg 1743~1828)は、「分類学の父」であるカール・フォン・リンネ(1707~1778)の弟子18世紀後半にオランダ東インド会社の商館に医師として来日することに成功し、日本滞在はわずか一年半であったが、精力的に日本の植物を調査した。帰国後の1784年には 『日本植物誌』(Flora Japonica)を出版している。

医師としては日本人に蔓延していた梅毒の治療法を伝授し、大いに名声を博した。来日前には南アフリカで3年間の調査を行っている。この間にオランダ語を習得している。

(カール・ツンベルク 1808年 wikipediaより)

日本では19世紀になってから来日したドイツ人のシーボルトの方が有名だが、学問世界、とくに分類学への貢献という点ではツンベルクはきわめて大きな存在である。ツンベルクについては、『リンネとその使徒たち-探検博物学の夜明け-』(西村三郎、朝日選書、1997)に1章をさいて描かれているが、ツンベルクはリンネによって海外各地に派遣された「使徒」の一人であった。

ツンベルクは日本滞在中に蘭学者たちと広く交遊し、その関係は帰国後もオランダ語の手紙のやりとりで続いていたという。ツンベルクの著書『日本紀行』によって、桂川甫周(かつらがわ・ほしゅう)や中川淳庵(なかがわ・じゅんあん)の名は、西欧だけでなくロシアでも知られていたことが、漂流先のロシアから帰国後の大黒屋光太夫によって日本に知らされることになる。

しかも10代将軍家治の謁見の際の書記役が、将軍の侍医を務めていた桂川甫周その人であり、光太夫の発言は示し合わせたものではなかったため、桂川甫周は将軍の面前で大いに面目を施したというエピソードが残っている。18世紀末には、日本にとっても地球はすでに狭くなっていたのである。

桂川甫周は将軍の命により、大黒屋光太夫の聞き書きをまとめて『北槎聞略』という当時は一級のロシア関連情報の百科全書ともいうべき書を編纂している。残念ながら一般公開されなかったので、ロシア情報は活かされなかったようだ。


19世紀になってからは、学問研究という観点よりも、産業振興の観点から、大英帝国を中心に精力的に有用な植物採集が行われるようになる。その拠点となったのがロンドンのキュー王立植物園であり、植民地現地には熱帯植物園(ボタニカル・ガーデン)である。


ムラサキシキブの果実はベリーだが人間にとって食用にはならない。そのため有用性の観点からは漏れ落ちるだろう。観賞用としては日本では愛好されているが、海外の状況は、はたしてどうだろうか?







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「世界遺産キュー王立植物園所蔵 イングリッシュ・ガーデン 英国に集う花々展」(パナソニック汐留ミュージアム(2016年1月22日)-現在の英国を英国たらしめている植物愛を体現している植物園とその世界を紹介した展示会

書評 『紅茶スパイ-英国人プラントハンター中国をゆく-』(サラ・ローズ、築地誠子訳、原書房、2011)-お茶の原木を探し求めた英国人の執念のアドベンチャー ・・お茶の木もまたプラントハンターによって中国から英国に持ち出された

「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」(国立歴史民俗博物館)に行ってきた(2016年8月12日)-江戸時代後期(=19世紀前半)の日本をモノをつうじて捉える

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2016年9月24日土曜日

真っ赤でゴージャスな花を咲かせるカンナは、日本の風土に根付いていながらも異国の雰囲気



おお、なんとゴージャスな花だ! 真っ赤なゴージャスな花を咲かせるのはカンナである。いかにも情熱的な印象から、南国風で洋モノといった印象の花である。

原産地は南米大陸だという。なるほど、である。コロンブス後に見いだされ、16世紀に欧州にもたらされたというが、日本には早くも江戸時代前期(ということは17~18世紀)に球根として渡来してきたらしい。これは意外である。明治時代以降に伝来した、典型的な外来種だと思い込んでいたからだ。

カンナというのは、カンナ科カンナ属(Canna)の植物であり、そもそもの名称であるのだが、日本語にもある大工道具の鉋(かんな)とも音が同じであるから、日本人にもなじみやすい名称なのかもしれない。


関東地方でもよくみる植物だが、やはり南国イメージが強い。九月でも咲いているが、これほど八月の真夏にフィットした花もないのではないか。野生化しているものもあるが、栽培されているものが多い。品種改良もさかんに行われている。

日本の風土に根付いていながらも、異国の雰囲気をたもち続けているカンナという存在は面白い。





<関連サイト>

カンナ(ヤサシイエンゲイ)


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「実るほど こうべを垂れる ヒマワリかな」-ヒマワリの原産地は北米だった!

タチアオイは、トルコ原産の夏の花




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2016年9月20日火曜日

いちじく(無花果)はナマよりもドライフルーツがいい

(農家で栽培されているいちじく 筆者撮影)

秋は「いちじく」の季節である。大きな生いちじくが、パックに入って店頭に並んでいるのを目にする季節である。 

干しいちじくは大好きなのだが、生いちじくは子どもの頃から苦手だ。自宅にいちじくの木があったので食べてみたことはあるが、どうも好きになれなかった。生いちじくの食感があまり好きではないし、匂いもあまり好きではない

この生いちじくを大好きな動物がいる。それはスズメバチだ。いちじくが熟れてくると、なぜか大きなスズメバチが現れる。果実をむさぼるように食べている。じつに危険きわまりない。

いちじくは漢字で無花果と書く。その意味は何かというと、花が咲かないのに実がなるように見えるからだ。簡単にいってしまえば、いちじくの果実のなかに花があり、それがだんだんと肥大化していって熟れる、ということになる。

古代インドのブッダのコトバにはこうある。 「5 無花果(いちじく)の樹の林の中に花を探し求めて得られないように、諸々の生存状態のうちに堅固なものを見いださない修行者は、この世とかの世とをともに捨て去る。──蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。(『スッタニパーダ』 蛇の章 より

いちじくの花は実のなかにあるのだから、探したってみつかるはずがない。


いちじくの果実の形は●●に似ている。いや、●●がいちじくの形ににているから、そういうネーミングの商品となったのであろう。どう考えても、その商品のほうが時代は新しいはずだ。

いちじくといえば、葉っぱもまた独特の形である。いちじくの葉っぱをもぎると、茎から白い乳液がでてくる。匂いも甘い。

「いちじくの葉っぱで隠す」というフレーズは子どもでも知っているだろう。これは旧約聖書にもさかのぼるものだ。アダムとイブである。知恵のリンゴを食べた男女は、裸を恥ずかしいと感じるようになり、というお話だ。

このようにいちじくは、古代からの栽培植物である。原産地はアラビア半島南部だという。

中学生の頃、古代ギリシアにはまっていたことがある。ギリシア神話から始まり、岩波文庫に収録されていたヘロドトスの『歴史』や、ギリシア悲劇やギリシア喜劇など読んでいたが、アリストパネスの喜劇のなかに、干しいちじくが何度も登場することに強い印象を受けた。保存がきき、持ち運びもできる。いちじくは生だけではなく、干した状態でも食べるのか、と。

(トルコ産の干しいちじく)

当時は日本で販売されているドライフルーツといえば、昔からある干し柿は別にして、カリフォルニア・レーズンが中心で、たまに国産の干しリンゴや干しスモモを目にするくらいだったろうか。40年くらい前(?)には、干しいちじくは日本で見たことはなかったし、食べたこともなかった

生まれてはじめて干しいちじくを食べたのは、カリフォルニアのサンフランシスコである。27歳のときだった。店頭で見つけて購入しさっそく食べてみたら、これがじつにうまかった! 甘みが凝縮されていて歯ごたえもいいそれ以来、ドライフルーツとしての干しいちじくは好物である。現在の日本では、もっぱらトルコ産の干しいちじくが流通している。

干しいちじくで赤ワインを飲む。これは密かな楽しみなのだ。





<関連サイト>

高血圧・動脈硬化にも効果?イチジクとワインの合せ技が凄かった (MAG2NEWS、ライフ2016年9月30日)

(2016年10月7日 項目新設)


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2016年9月11日日曜日

「9・11」から15年に思うこと(2016年9月11日)


本日(2016年9月11日)は、米国だけでなく世界中を震撼させた2001年の「9・11」から15年。英語でいう「ナイン・イレブン」、いわゆる「アメリカ同時多発テロ事件」である。

思い起こせば、その日は日本時間で午後9時頃まで会社で仕事をしていた。帰宅してTVをつけたら10時から久米宏のニュース番組「ニュース・ステーション」で渡辺真理が実況中継していた。

 いままさにTVの画面を見ているその前で、二機目の飛行機がビルに突っ込んでいく映像を見ることとなった私は、これはテロ以外の何ものでもないと、その場で強く思ったのだった。

これは、いまから7年前の9月11日にこのブログに書いた記事から一部を抜粋したものだ。

だが、15年もたつと、はるか昔のような感じさえする。おそらく、その10年後に起こった「3・11」のほうが、日本人にとっては、はるかにリアリティのあるからだろう。実際に自分の足元の地面が大揺れした地震と比べると、TVの映像は、なんだかバーチャルな感じさえしないでもない。CGで作成したものだといっても不思議ではない映像だからだ。

ところで話題が変わるが、広島カープが25年ぶりにリーグ優勝したというニュースがトップニュースとなっている。カープのファンにとってはめでたいことだろうが、ファンではない自分にとっては、前回の優勝の記憶がまったくない。TVニュースの画像に衣笠選手の顔が見えたとき、ああそんなこともあったのかな、という程度にしか過ぎないのだ。

過去に起きた事件や出来事を想起するためには、なんらかのカギとなるものが必要である。それは記憶の断片であったり、具体的な記憶と結びついたモノであったりもする。

だから、「9・11」を指揮したアルカーイダ関連の本は、捨てずに残してある。上掲の Al-Qaeda Casting a Shadow of Terror, by Jason Burke, I.B.Turis, 2003 もその一つだ。この関連の日本語情報は、一部のものを除けば英語情報の焼き直しに過ぎないものが大半なので、それなら英語情報そのものにアクセスしたほうが効率的だ。もちろん英語情報にはバイアスもつきものだが。

オバマ政権のもとで、ついに首謀者のオサーマ・ビン・ラディンの暗殺が成功したたからといって、さらにはアルカーイダが自称イスラーム国に取って代わられたとはいえ、「9・11」という事件が消え去ったわけではない

21世紀の開始とともに 「テロの時代」の本格的な始まりとなった「9・11」については、まだまだ解明されていないことが多く、これがある種の陰謀論を生み出す温床となっている。

1963年の米国大統領JFK暗殺関連の米国政府の情報公開が解禁されるのは2039年といわれているが、そうであれば2001年の「9・11」関連の情報が解禁になるのは 2076年(!)ということになる。

どう考えても2076年まで生きていることはありえないが、その前に可能な限り真相を知りたいと願っている。「9・11」は、けっして過去の事件ではない。





<ブログ内関連記事>

書評 『グローバル・ジハード』(松本光弘、講談社、2008)-対テロリズム実務参考書であり、「ネットワーク組織論」としても読み応えあり

映画 『ゼロ・ダーク・サーティ』をみてきた-アカデミー賞は残念ながら逃したが、実話に基づいたオリジナルなストーリーがすばらしい
・・「9・11」から10年後の2011年5月2日、オバマ政権はビン・ラディン暗殺を実行

書評 『イスラム国-テロリストが国家をつくる時-』(ロレッタ・ナポリオーニ、村井章子訳、文藝春秋、2015)-キーワードは「近代国家」志向と組織の「近代性」にある
・・アル・カーイダ弱体後、それにとって変わった「自称イスラーム国」(=ダーイシュ)はイスラーム過激派の「ブランド」となった

「13日の金曜日」にパリで発生した大虐殺(2015年11月13日)-「テロとの戦い」に重点を置いたフランス共和国の基本を知る
・・共和制フランスの基本原理である「政教分離」と原理的に対立するイスラーム原理主義。フランスにおけるテロは止まらない

20年前の「地下鉄サリン事件」(1995年3月20日)という未曾有のテロ事件、その日の朝わたしが乗車していた丸ノ内線は・・・

「ユートピア」は挫折する運命にある-「未来」に魅力なく、「過去」も美化できない時代を生きるということ
・・アル・カーイダの思想もまたイスラームそのものというよりも西欧近代が生み出したユートピア思想のバリエーションと考えるべきだろう



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2016年9月10日土曜日

サルスベリの花と幹

(サルスベリの花の接写 東京都江戸川区)

いま9月上旬だが、ちょうどサルスベリの花が終わりに近づいている季節である。ピンク色の小さくて可憐な花が集まって咲いている姿は美しい。

サルスベリというのは面白いネーミングだ。幹の樹皮がスベスベしていて、木登りが得意なはずのサルですらすべるからサルスベリ。じつにベタであるが子どもでもわかる明快さがある。

とはいえ、サルスベリの木からサルがすべり落ちるのを見た人は、まあ、いないだろうなあ(笑) 実際に手で触れてみると、意外とザラザラしているので、サルが登れないはずがない。

サルスベリは、東京都内の街路樹として多く採用されている。必要以上に大きくならないので管理が難しくないからだという。冒頭に掲載した画像は江戸川区で撮影したものだ。このほか中央区で見かけたサルスベリには、説明書きのタグが掛けられている。

(サルスベリの説明書き 東京都中央区)

その説明書きを見ると、サルスベリには「猿滑」という漢字があてられているが、これは日本での表示だろう。百日紅(ひゃくじつこう)ともいうが、これは100日間紅い花が咲いているという意味だ。こちらは中国での漢字表記である。

というのも、サルスベリは中国南部が原産だからだ。

ところが、ラテン語の学名は Lagerstroemia indica とある。Lagerstroemia は、サルスベリ属のことを意味するが、indica はインディカ米という表現もあるように「インドの」という意味だ。熱帯や亜熱帯に分布するから、そう命名されたのだろう。

サルスベリの木は、花が咲いている期間は花に目が行くが、それ以外の季節は落葉樹なので、とくに目立つわけではない。だが、そんなときにこそ、実際の肌触りによってサルスベリ具合を確認してみるのもよいだろう。

何事も実際に五感をつうじて確かめてみることが大事である。サルが滑るかどうかはさておき、ツルとカメが滑るのは、わらべ歌の世界のなかのことである。






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「見ざる、言わざる、聞かざる」(See No Evil, Hear No Evil, Say No Evil)-2016年の干支はサル ①



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