2017年10月21日土曜日

「disruption」 を「破壊的」と訳すのは適当ではない

(Disrupt yourself before someone else does.)

「破壊的テクノロジー」という日本語が定着してしまっている。

ハーバード・ビジネス・スクール教授であったクリステンセン教授のベストセラー『イノベーションのジレンマ』キーコンセプトが「Disruptive technology」。そしてこれが、「破壊的テクノロジー」と日本語化されたためだ。

英語の disruptive は動詞 disrupt の形容詞形。名詞形は disruption である。

だが、英語のニュアンスからすると、「disrupt」 は中断するとか、断絶するという意味なので、「破壊的」というと、なんか違うのではないか、と疑問がわく。日本語の「破壊」というのは、「壊して粉々に砕く」というニュアンスがあるためだ。

むしろ、 「断絶するテクノロジー」というのがニュアンス的には近いと思う。従来の、既存のテクノロジーの延長線の流れを断絶してしまう、断ち切ってしまうテクノロジーというのが本来の意味に近いのではないか?

そんな疑問をつねづねもっていたが、「disruption」 を理解するのに、いい画像を見つけた。 冒頭に掲載した写真だ。

キャプションには、Disrupt yourself before someone else does. (= disrupt される前に自分が disrupt してしまえ)とある。誰か他の者にされる前にしてしまえ、といった意味だろう。GE中興の祖であったジャック・ウェルチの名言 Control your destiny or someone else will. に通じるものがある。

つまり、「disruption」とは「破壊的」というよりも、「断絶的」といったほうが正しいことが「見える化」されているのである。

同様の例はほかにもある。

たとえば、「Virtual Reality」 が「仮想現実」と訳されて定着してしまっているが、これもニュアンスが違う。「virtual」というのは「実質的に」という意味。「仮想」でも間違いではないが、ニュアンスが異なる。

そのようなものだ、といってしまえばそれまでだが、英語の本来のニュアンスが正しく伝わっていないということは、アタマのなかに入れておいたほうがいいだろう。





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