2018年1月31日水曜日

書評『血流がすべて整う食べ方』(堀江昭佳、サンマーク出版、2017)ー 血流がすべて。そしてそのためには胃腸を整えること


『血流がすべて整う食べ方』(堀江昭佳、サンマーク出版、2017)という本があるがレビューしてみないかという依頼がレビュープラスからあったので、二つ返事でOKした。

健康法の本だし、前作は20万部を越えるベストセラーで、本書は第2作だということなので、読んで損はないだろうと思ったから。

本書の内容を一言で要約してしまえば、「血流がすべて。そしてそのためには胃腸を整えること」になる。血流とは血の巡りのこと。血流が淀んでいるのは論外だが、サラサラだけでもダメなのだという。

というのも、著者は漢方薬剤師であり、漢方でいう「血」とは、血液だけでなく栄養やホルモンを含む概念のことだからだ。だから、血液サラサラであっても、栄養やホルモンが血流とともにカラダを巡っていなければ意味がない。入って出るまでの循環、これが重要なのだ。

胃腸を整えるために著者が推奨しているのは、食生活が変化する以前の日本人の食事ということになるだろう。四季の巡りと恵みを活かし、とくに食物繊維を十分に摂ること。

わたしの世代であれば、親から「腹八分目にしなさい」(・・つまり、食べ過ぎるな!ということ)とか、ことあるごとに食事にかんするさまざまな智恵をたたき込まれているが、若い世代ともなれば、たとえ女性であっても知恵の伝承は途切れてしまっている。だからこそ、著者の方法に従ってみるのもよいのだろう。

具体的なアドバイスですぐ実行できるものがある。たとえば、どんな家庭にも常備されている七味唐辛子。胃腸のための漢方といえるほどの薬効があるのだとか。

海藻は食物繊維の宝庫だが、海苔や昆布などの海藻を消化できる酵素をもっているのは日本人だけなのだとか。フランスでの遺伝子解析の結果あきらかになっているのだという。たしかに、有史以前から日本人は海藻を食べてきたからねえ。 これからも食べ続けるべきなのだ。

そして、著者がもっとも推奨しているのが「一週間夕食断食」。胃腸を掃除して血流を整えるのに最適な方法なのだそうだ。朝昼は食べて夕食は食べない。胃腸を休ませて、朝のお通じをよくするのが目的。

わたし自身は、長年にわたって朝食抜きの「半日断食」を実践しており、きわめて良好な健康状態にあるので、著者が推奨する「夕食断食」を実行するつもりはまったくないが、いままで「断食」(ファスティング)を実践したことのない人は試してみるといいかもしれない。

著者は、婦人科専門の漢方薬剤師で、とくに妊活の相談が多いのだそうだ。男性と女性の違いはもちろんあるが、男性であっても有用なアドバイスの数々であることは間違いない。

英語の格言に You're what you eat.(=あなたは、あなたが食べるものでできあがっている)というものがあるが、著者が説く内容もまさにその思想そのものである。

ココロとカラダは密接な関係にあり、カラダを整えることがココロを整えることにつながる。そしてそのカギは血流であり、胃腸を整えることにあるのだ。

基本的に女性を対象にしているが、女性に限らず男性でも、関心のある人は一読してみて、自分にあったものはさっそく採り入れてみるといいだろう。


レビュープラス








目 次

はじめに
第1章 血流が整えば、心も体もうまくいく
第2章 胃腸を掃除して血流を整える「一週間夕食断食」
第3章 血流を整える「食べたら出す」仕組み
第4章 血流を整え汚染を防ぐ食材と食べ方
第5章 血流は四季のめぐりと恵みで整える
第6章 食べることとは、生きることである
おわりに
主要参考文献


著者プロフィール

堀江昭佳(ほりえ・あきよし)
漢方薬剤師/不妊カウンセラー/有限会社堀江薬局代表/一般社団法人日本漢方薬膳協会代表理事1974年生まれ、出雲市出身。出雲大社参道で90年以上続く老舗漢方薬局の4代目。薬学部を卒業後、薬剤師となったのち対症療法中心の西洋医学とは違う、東洋医学・漢方の根本療法に魅力を感じ、方向転換する。本場中国の漢方医から学ぶ中、不妊に悩む友人の相談を受けたところ、漢方で妊娠したことに感動し、婦人科系の分野、なかでも不妊症を専門とするようになる。体の不調の解消だけではなく、本人の抱えている常識や執着といった束縛からの「心の解放」を終着点としている唯一の漢方薬剤師。血流を中心にすえた西洋医学、漢方医学、心理学の3つの視点からの総合的なアプローチは評判を呼び、自身の薬局で扱ってきた不妊、うつ、ダイエット、自律神経失調症など心と体の悩みは5万件を超える。地元島根はもとより全国、海外からも相談があり1か月先まで予約がいっぱいの状態が続いている。不妊相談では9割が病院での不妊治療がうまくいかず、来局されるケースであるものの、2009年以降に寄せられた妊娠報告は、累計1000名を超える。また、日本漢方薬膳協会の代表理事にも就任し、広く漢方薬膳の知識を広め、より多くの女性に幸せと笑顔を届けるために奮闘中。血流を改善して病気を遠ざける方法について書いた『血流がすべて解決する』(サンマーク出版)は20万部を超えるベストセラーとなった。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)






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書評 『修道院の断食-あなたの人生を豊かにする神秘の7日間-』(ベルンハルト・ミュラー著、ペーター・ゼーヴァルト編、島田道子訳、創元社、2011)-修道院における「断食」は、減量法を越えてスピリチュアルへの道を拓く


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2018年1月30日火曜日

JBPress連載コラム18回目は、「節分には恵方巻? 「伝統」はこうして誕生する-バレンタインチョコも発明品、知恵を絞って消費を喚起」(2018年1月30日)


JBPress連載コラム18回目は、「節分には恵方巻? 「伝統」はこうして誕生する-バレンタインチョコも発明品、知恵を絞って消費を喚起」(2018年1月30日)
⇒ http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52180

早いもので2018年1月も明日でもう終わりですね。あさってからは、もう2月。 商売の世界では二八(=ニッパチ)といって、2月は8月と並んで売り上げの上がらない月とされてます。

今回は、2月の消費を盛り上げるために導入されたバレンタインデーのチョコレートと節分の恵方巻といった、商業目的で導入され定着していった「伝統」について考えてみたいと思います。 (つづきは本文にて( http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52180 )。

(コンビニ最大手セブンイレブンの「恵方巻の予約」ちらし 筆者撮影)

次回の公開は、2週間後の2月13日(火)です。お楽しみに!





<関連サイト>

西洋人が驚くアジア4カ国の「奇妙なバレンタインデー」(FORBESジャパン、2018年2月12日)

女性に花を贈る?バレンタイン新風習の実態-低迷する花屋業界が打ち出した「新機軸」とは(東洋経済オンライン、2018年2月12日)

(2018年2月12日 項目新設)


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「恵方巻き」なんて、関西出身なのにウチではやったことがない!-「創られた伝統」についての考察-

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(2018年2月1日 情報追加)





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2018年1月28日日曜日

映画『デトロイト』(2017年、米国)ー 正直いって見て楽しい映画ではないが、分断が深まりつつある時代だからこそ見るべき映画

(公開時のポスター 残念ながらアカデミー賞にはまったくノミネートされなかった・・・)

映画『デトロイト』(2017年、米国)をTOHOシネマズで見てきた。いまから50年前の1967年に発生した「デトロイト暴動」(1967 Detroit riot)を描いた映画だ。

1964年に「公民権法」が成立して差別撤廃が実現したはずの米国だが、白人の黒人に対する人種差別感情が消え去ることはなく、1967年7月23日、白人警官による暴行から暴動に発展、自動車産業の中心地デトロイトのダウンタウンが27日まで5日間にわたって焼き討ちと略奪が続く事態となった。

警察だけではコントロール不能状態のため州兵も出動、非常事態宣言が出されて厳戒態勢が敷かれているなか、白人中心の警察と黒人との緊張関係がエスカレート、そんな一触即発の状態のなか、ついに非武装で無抵抗で無実の黒人3人が白人警官によって暴行を受け射殺される事件が発生する。むき出しの暴力が支配する世界。

重厚で深いテーマの143分。黒人の側に身を置いて見ていると、息苦しさと恐怖、そして悔しさも感じてくる。そしてこう思わざるを得ないのだ。この世に「正義」(ジャスティス)というものは存在しないのか、と。




■1992年には「ロサンゼルス暴動」が発生

米国に留学していたとき、わたしはキャンパスで黒人たちから「ハーイ、ブロー!」と挨拶されていた。「ブロー」とは「ブラザー」(兄弟)のことだ。

米国社会において、マイノリティのアジア人は黒人とは同じ状態にある。だから「兄弟」なのだ。上下関係ではない水平関係。「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」なはずなのだ。

1992年に帰国する直前、「ロサンゼルス暴動」(1992 Los Angeles riots)が発生した。韓国人のショップオーナーが黒人を射殺した事件がきっかけとなって、焼き討ちと略奪の事態となったのである。アジア人と黒人とあいだの連帯は夢想に過ぎなかったのかもしれない。

大暴動のあとロサンゼルスに立ち寄ってダウンタウンを歩いてみた。現地でわかったのは、焼き討ちの対象にあったのは韓国系のショップだけで、日系のショップやレストランは焼けていなかった。怒りの矛先は韓国系にのみ向けられていたのである。なんだか、正直すこしほっとしたような気持ちを覚えたことを覚えている。

米国の人種問題は、その後もいっこうに終息する気配もない。相互不信の根は深く、白人警官による黒人射殺事件はあとを絶たず、分断は深まるばかりだ。この問題がなくならない限り、無条件に親米派と名乗る気持ちにはなれない。


■社会派のキャスリン・ビゲロー監督の新作は期待以上

『デトロイト』は社会派のキャスリン・ビゲロー監督の作品。『ハート・ロッカー』(2010年)で米軍によるイラク戦争を描き、『ゼロ・ダーク・サーティー』(2013年)でCIAによるウサーマ・ビンラディン暗殺作戦を描いたのち、今度はベトナム戦争当時の国内人種暴動を描いた。

正直いって見て楽しい映画ではないが、見るべき映画だと言っておきたい。分断が深まる2010年代のいま、この時期にあえてこういう映画を製作するという監督の姿勢を大いに評価したい。

(米国版ポスター 公開は2017年8月17日)






<関連サイト>

映画『デトロイト』(2017年、米国) (公式サイト 日本版)

「デトロイト暴動」(1967 Detroit riot) (Wikipedia 英語版)


映画「デトロイト」がアカデミー賞から無視された理由(FOBESジャパン、2018年1月31日)

(2018年1月31日 情報追加)


<ブログ内関連記事>

本年度アカデミー賞6部門受賞作 『ハート・ロッカー』をみてきた-「現場の下士官と兵の視線」からみたイラク戦争

映画 『ゼロ・ダーク・サーティ』をみてきた-アカデミー賞は残念ながら逃したが、実話に基づいたオリジナルなストーリーがすばらしい



■GMの企業城下町デトロイト

GMついに破綻-マイケル・ムーアの "Roger & Me" から20年(2009年6月2日)


■人種間の壁を破った人たち

映画 『ドリーム』(2016年、米国)を見てきた(2017年10月9日)-米ソ冷戦時代の熾烈な宇宙開発競争という「非常時」のなか、「知られざる黒人女性たち」が突破口を開いた!

キング牧師の "I have a dream"(わたしには夢がある)から50年-ビジョンをコトバで語るということ
・・非暴力主義のキング牧師

マイク・タイソンが語る「離脱体験」-最強で最凶の元ヘビー級世界チャンピオンは「地頭」のいい男である!

追悼 エルヴィス逝って40年(2017年8月16日)-「ゴスペルを愛してやまなかったエルヴィスの内奥を本当に理解しない限り、エルヴィスをありのまま愛することはできない・・・・」 
・・「南部のバイブルベルトに生まれ育ち、黒人音楽と白人音楽を一身において融合したという、音楽の分野でエルヴィスがアメリカ文化でやり遂げたこと」


■暴力のアメリカ


『愛と暴力の戦後とその後』 (赤坂真理、講談社現代新書、2014)を読んで、歴史の「断絶」と「連続」について考えてみる

『日本がアメリカを赦す日』(岸田秀、文春文庫、2004)-「原爆についての謝罪」があれば、お互いに誤解に充ち満ちたねじれた日米関係のとげの多くは解消するか?

・・「アメリカ人の自己欺瞞とは、インディアン(=ネイティブ・アメリカン)虐殺がアメリカ史の原点にあることを隠蔽しようとする心的規制のことをさす。先住民の虐殺後も、南北戦争において連邦離脱をはかった南部諸州に対して非道な仕打ちを行っている。米国の眼中には殲滅戦しかない」

(2018年1月29日 情報追加)


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2018年1月16日火曜日

JBPress連載コラム17回目は、「アル中だったブッシュと、一滴も飲まないトランプ-新年会シーズンにあえて「禁酒」について考えてみる」(2018年1月16日)


JBPress連載コラム17回目は、「アル中だったブッシュと、一滴も飲まないトランプ-新年会シーズンにあえて「禁酒」について考えてみる」(2018年1月16日)
⇒ http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52058

本日(1月16日)は「禁酒の日」です。

といっても、日本は「新年会シーズン」の真っ盛りであり、飲酒の機会も多い。そう考えると、あまりにもタイミングが悪い。日本での認知度がきわめて低いのも当然でしょう。

そこで今回は、あえてこの時期に「禁酒」について、米国を中心に歴史を踏まえながら考えてみたいと思います。

悪名高い「禁酒法」がなぜ米国で断行されたのかアルコール依存症を克服したブッシュ(ジュニア)大統領とアルコールは一滴も飲まないトランプ大統領、といったエピソードを踏まえて、「禁酒」について考えます。

新年会で飲むことになっている人も、少しは酔いを醒ますことになる内容かも知れません。

次回の公開は、2週間後の1月30日(火)です。お楽しみに!







<ブログ内関連記事>

in vino veritas (酒に真理あり)-酒にまつわるブログ記事 <総集編>

マンガ 『アル中病棟(失踪日記2)』(吾妻ひでお、イーストプレス、2013)は、図らずもアル中病棟で参与観察型のフィールドワークを行うことになったマンガ家によるノンフィクション

「泥酔文化圏」日本!-ルイス・フロイスの『ヨーロッパ文化と日本文化』で知る、昔から変わらぬ日本人

『izakaya: The Japanese Pub Cookbook』(=『英文版 居酒屋料理帖』)は、英語で見て・読んで・楽しむ「居酒屋写真集」+「居酒屋レシピ集
・・アメリカにないのが日本の居酒屋文化

タイのあれこれ(5)-ドイツ風ビアガーデン
・・アメリカにないのが日本のビアガーデン

ユダヤ教の「コーシャー」について-イスラームの「ハラール」最大の問題はアルコールが禁止であることだ
・・ユダヤ教ではアルコールは禁止されていないが、宗教上のコーシャー(=適法)であることが求められる


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2018年1月14日日曜日

書評 『大村智-2億人を病魔から救った化学者-』(馬場錬成、中央公論新社、2012)-「旬」を過ぎた本にも価値はある


2015年度のノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智博士の実録伝記を先週読んだが、じつに面白かった。読んで元気が出る内容だ。

タイトルは、『大村智-2億人を病魔から救った化学者-』(馬場錬成、中央公論新社、2012)。著者は、読売新聞社の科学記者だった人。知財や産学連携などに詳しいようだ。

出版年に注目してほしい。出版は2012年、ノーベル賞受賞は2015年。先読みをしたわけではない。独創的な研究を行い、世界のトップレベルの研究をリードし、日本ではいち早く知的財産の重要性に着目した研究者で、産学連携モデルと特許収入によって研究室の独立採算性を確立した人について、ぜひ世に知ってほしいという熱意から生まれた本なのである。

そんな本を、さらにノーベル賞受賞で世の中が湧いていた時から2年もたった後に読む。つまり出版から5年もたっている。だが、「旬」を過ぎた本にも価値はあることが読むとよくわかる。というのも、この本は、ノーベル賞受賞というニュースから生まれた便乗本ではないからだ。

ニュース報道されていたので、農家の長男で、そもそも大学に行く予定がなかったという大村博士の非エリートのジグザグ人生のあらましはだいたい知っていたが、それでも285ページの単行本でディテールまで知ると、人生の岐路でいかなる選択を行ったか、その動機や意志決定の中身も詳しくわかる。また、趣味や寄り道がいかに発想の幅を拡げてくれるかについても納得がいく。専門×雑学が「アタマの引き出し」の源泉になることをよく示している。

大村博士の専門である化学(ケミストリー)にかんする話は出てくるが、著者がかみくだいて説明してくれているので心配することない。ブユが媒介するオンコセルカ症という失明を招く眼病から、アフリカの2億人を救ったのがイベルメクチン。このように、どうしてもカタカナの化学物質名がたくさん登場するが、それは説明のために仕方ないことだ。

とにかく読んで元気の出る本。50歳を超えたこの歳で読んでも面白いのだから、若い人が読んだら、元気だけでなく勇気ももらえるはずだと思う。





目 次

プロローグ
第1章 自然と親しんだ小学生時代
第2章 スポーツに明け暮れた青春時代
第3章 高校教師から研究者に転身
第4章 北里研究所に入所して鍛えられる
第5章 アメリカの大学での研究生活
第6章 企業から研究費を導入して研究室を運営
第7章 エバーメクチンの発見
第8章 大村研究室の独立採算制
第9章 研究経営に取り組む
第10章 活発な研究活動と外国での評価
第11章 北里研究所メディカルセンター病院の建設
第12章 北里研究所とコッホ研究所
第13章 科学と芸術の共通性から女子美術大学の理事長へ
第14章 人材育成で社会貢献する大村研究室の活動
あとがき
大村智略歴

著者プロフィール
馬場錬成(ばば・れんせい)1940年東京都生まれ。東京理科大学理学部卒業後、読売新聞社入社。編集局社会部、科学部、解説部を経て1994年から論説委員。2000年11月に退職後、東京理科大学知財専門職大学院(MIP)教授、早稲田大学客員教授、特定非営利活動法人21世紀構想研究会理事長、文部科学省・科学技術政策研究所客員研究官、産学官連携戦略展開事業推進委員会委員、学佼給食における衛生管理の改善に関する調査研究協力者会議委員などを務める。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)





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書評 『「できません」と云うな-オムロン創業者 立石一真-』(湯谷昇羊、新潮文庫、2011 単行本初版 2008)-技術によって社会を変革するということはどういうことか?

書評 『道なき道を行け』(藤田浩之、小学館、2013)-アメリカで「仁義と理念」で研究開発型製造業を経営する骨太の経営者からの熱いメッセージ

「史上空前規模の論文捏造事件」(2002年)に科学社会の構造的問題をさぐった 『論文捏造』(村松 秀、中公新書ラクレ、2006)は、「STAP細胞事件」(2014年)について考える手助けになる

書評 『人間にとって科学とはなにか』(湯川秀樹・梅棹忠夫、中公クラシック、2012 初版 1967)-「問い」そのものに意味がある骨太の科学論

世の中には「雑学」なんて存在しない!-「雑学」の重要性について逆説的に考えてみる



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2018年1月11日木曜日

『水曜日のアニメが待ち遠しい』(トリスタン・ブルネ、誠文堂新光社、2015)を読んで日本のアニメとマンガがいかに1970年代以降のフランス社会に受け入れられていったかを知る



いまさらというわけではないが『水曜日のアニメが待ち遠しい-フランス人が見た日本サブカルチャーの魅力を解き明かす-』(トリスタン・ブルネ、誠文堂新光社、2015)を読んだ。2年前に出版されたもので気にはなっていたが、ようやく読むことができた。昨年12月のことである。

フランス人で1976年生まれの「オタク第一世代」の日本近現代史研究者が、みずからの経験を踏まえながら、日本アニメがフランス文化に与えた影響を分析したもの。アニメについての本だが、図版はほんの少しで、ほとんどが文字ばっかりの内容だ。

「水曜日のアニメ」というのは、フランスでは著者が小学生だった当時は水曜日は学校が休みで、水曜日に集中して日本のアニメが放送されていたことを指している。当時の日本アニメのコンテンツは非常に安く(・・現在の韓国ドラマのようなものだ)、フランスでは大量に輸入されて放送されたらしい。おそらく、イタリアも同様だろう。

偶然の結果としてアニメにすっかり魅了された世代のフランス人の著者は、その後もアニメからゲーム、マンガへと日本のサブカルチャーにはまっていくが、これらのサブカルが、1970年代の幸運な最初の出会いから、1980年代のジャパン・バッシングを経て、いかにフランス社会に受け入れられていったかについて分析している。

フランス文化についての本であり、日本文化についての本でもある。日本文化が、いかにローカライズされてフランス文化の一部になっていったかについての本でもある。


■『水曜日のアニメが待ち遠しい』の「その後」

この本を読んだあと、ついでに『マリー・アントワネット』(惣領冬実、講談社KCデラックス モーニング、2016)『マリーアントワネットの嘘』(惣領冬実/塚田有那、講談社、2016)も読んでみた。




ヴェルサイユ宮殿の全面的協力で、講談社とフランスのマンガ出版社のコラボで製作されたマンガとその秘話。『水曜日のアニメが待ち遠しい』で描かれた世界の、その後のフランスの状況がよくわかる。

ルネサンス期のイタリアを舞台にした惣領冬実の歴史マンガ『チェーザレ』はまだ読んでないのだが(・・友人からは読め、読めと強く薦められてからすでに数年になる)、2000年代以降のフランスにおける新たな歴史研究を踏まえた『マリー・アントワネット』を読んで、大いに目を開かれた感じだ。もっと早く読んでおけばよかった。

マリーアントワネットが嫁入りする前から、フランスの王太子との結婚のためヴェルサイユ宮殿に入る1770年の1年間を描いたこのマンガは、ぜひ推奨したい。いままで作られてきた既成概念がガラッと崩されるのを感じるのではないかな。

とにかくディテールへのこだわりがすごいのだ。歴史書として読めるマンガだ。このマンガはぜひ読むことを推奨したい。


******************************************

ということで、フランス関連のアニメとマンガについての本を、3冊続けて読んでみた。

読んだから別にどうなるというわけではないが、ふだん見慣れているものとは違う観点から物事を見直すということは、じつに面白いことだ。

みなさんにも、ぜひお薦めしたい。


画像をクリック!




PS フランスの現職大統領がなぜマンガ家の死を悼むのか?


鳥山明さんは、2024年3月1日に亡くなったことが、事後になってから公表された。 

投稿には、鳥山氏による「マクロン大統領へ」という献辞入りの色紙の写真とともに、「À Akira Toriyama et ses millions de passionnés qui ont grandi avec lui.  鳥山明と何百万もの彼の愛好家へ。」と、フランス語に日本語が添えられている。





なぜフランスの現職の大統領がマンガ家の死を悼むのか? その理由は、フランスのTV事情にある。 


この本を読むと、日本のアニメとマンガがいかに1970年代以降のフランス社会に受け入れられていったかを知ることができる。 

マクロン大統領は、1977年生まれ。つまり日本のアニメとマンガを浴びるようにして育った「ど真ん中の世代」ということなのだ。この事情は、イタリアもドイツも同様だ。

むしろ、アメリカよりもヨーロッパである。中東と南米、そして東アジアや東南アジアなどアジア各国については言うまでもない。 その意味をよ~く考えみる必要があるのだ。 

わたしの世代は、アメリカのホームドラマやアニメをTVで見ていたので、無意識レベルで影響を受けている。文化の相互浸透とはそういうものだ。

(2024年3月10日 記す)

PS2 画像をあらたなものに差し替えた(2024年3月10日 記す)



<関連サイト>


(項目新設 2021年10月7日)
 

<ブログ内関連記事>

■マリーアントワネット関連

「マリーアントワネットと東洋の貴婦人-キリスト教文化をつうじた東西の出会い-」(東洋文庫ミュージアム)にいってきた-カトリック殉教劇における細川ガラシャ

フランスの童謡 「雨が降ってるよ、羊飼いさん!」(Il pleut, Il pleut, bergère)を知ってますか?
・・「1780年に書かれたもので、歌詞にでてくる女羊飼いはマリー・アントワネットのことを指しており、雷雨や稲妻は近づきつつあったフランス革命を暗示しているのだという。フランス革命は、1789年のバスチーユ襲撃から始まった」


■フランス文化

Vietnam - Tahiti - Paris (ベトナム - タヒチ - パリ)

「特攻」について書いているうちに、話はフランスの otaku へと流れゆく・・・ 
・・日本とフランスの関係をサブカルチャーから考えてみる。フランスと日本は、知らず知らずのうちにお互い影響を与え合っている

月刊誌「クーリエ・ジャポン COURRiER Japon」 (講談社)2011年1月号 特集 「低成長でも「これほど豊か」-フランス人はなぜ幸せなのか」を読む


■フランスで放送されたアニメと原作マンガ

マンガ 『めぞん一刻』(高橋留美子)の連載完了から30年!(2017年4月)


■ローカリゼーション

書評 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか-世界で売れる商品の異文化対応力-』(安西洋之、中林鉄太郎、日経BP社、2011)-日本製品とサービスを海外市場で売るために必要な考え方とは?
・・ローカリゼーションにかんする必読書

書評 『メイド・イン・ジャパンのキリスト教』(マーク・マリンズ、高崎恵訳、トランスビュー、2005)-日本への宣教(=キリスト教布教)を「異文化マーケティグ」を考えるヒントに

由紀さおり世界デビューをどう捉えるか?-「偶然」を活かしきった「意図せざる海外進出」の事例として・・日本語と音楽の関係について

(2018年1月13日 情報追加)


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2018年1月8日月曜日

『神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展』(東京・渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム)にいってきた(2018年1月7日)ー 2017年に開催された『アルチンボルド展』(国立西洋美術館・上野)を補完する企画展



『神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展』(東京・渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム)にいってきた(2018年1月7日)。1月6日に始まったばかりの企画展だ。

ルドルフ2世は16世紀後半の人。帝都をウィーンからボヘミア地方のプラハに移動、ややこしい現実政治に関心を失ってから、居城に引きこもって夢想の世界に没入し、南米大陸も含めた全世界からの収集品で構築した「驚異の部屋」という独自の世界を作り上げた生涯独身男。19世紀後半のバイエルン国王、狂王ルートヴィヒ2世に比較してみることの出来る人だ。

この展示会は、そんなルドルフ2世とその時代を、お抱えの天才アーチストのアルチンボルドなどによる絵画作品や、ティコ・ブラーエやケプラーなどの天文学をはじめとする科学者や魔術師たちの書籍やアイテム、その他もろもろの収集品で再構成しようとした試みだ。

昨年、東京国立西洋美術館で開催された 16世紀「マニエリスム」の時代を知的探検する企画であった 「アルチンボルド展」(国立西洋美術館・上野) を補完するような内容であるといえようか。

ただ、期待していたのとは違って、ちょっとがっかりしたというのが正直なところだ。『アルチンボルド展』で展示されなかった「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像」(上掲のポスターの画像)を見ることができたのは良かったのだが、「驚異の部屋」というには、あまりにもその要素が欠けていたから。

美術と科学とガラクタがおもちゃ箱のように混在しているのが、17世紀を中心に西欧の王侯貴族のあいだで大流行した「驚異の部屋」(ドイツ語で Wunderkammer ヴンダーカマー)というもの。だが今回の企画展で、それが再現されていたとは言い難い。

いっそのこと、すべて複製品でいいいから「ルドルフ2世の驚異の部屋」を再現するか、あるいは CG を使用した 3D映像で VR(バーチャル・リアリティ)体験させるような企画のほうがよかったのではないか?

まあ、そんなことはわたしの勝手な夢想だが、今回の展示でよかったのは、出口の前の特別展示スペースに置かれていた、現代美術家フィリップ・ハース氏による、アルチンボルドの『四季』の立体3D彫刻作品だ。ファイバーグラスに着彩したもので2000年の作品である。この作品だけは写真撮影OK(下記の写真参照)。

(アルチンボルドの『四季』の立体3D作品 筆者撮影)


(アルチンボルドの「冬」による彫刻 筆者撮影)

(アルチンボルドの「春」による彫刻 筆者撮影)

この試みをさらに一歩進めれば、わたしが夢想するような「ルドルフ2世の驚異の部屋」ができたかもしれないのに・・・。

とはいっても、美術館にそれを期待してもムリかもしれない。この手の企画展は、動物の剥製や鉱物などふんだんに所蔵している国立科学博物館で開催した方がよかったのではないかと思うのだ。ミュージアムはミュージアムでも、「美術」館ではなく「博物」館の方である。


ところで、収集という行為は資本主義そのものだと水野成夫氏ならいうだろう。だが、ルドルフ2世の収集活動を資本主義とムリに結びつける必要はないと思われる。

いつの時代でも、収集に熱中し、浮き世離れしてしまう者は、洋の東西を問わず、時代の新しい古いを問わず存在してきた。しかもその大半は男性だ。したがって、収集行為における性差を考えれば、むしろ資本主義を超越した普遍的なテーマというべきではないだろうか? ルドルフ2世もまた、現実逃避傾向のある独身男性だったことを想起すべきである。

話はそれたが、ルドルフ2世という際だった個性のコレクターとその時代を知るには好企画ではある。また、コレクションの本質について考えるのも面白い。この企画展は、そんな機会として活用してほしい。






<関連サイト>

『神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展』 公式サイト



<ブログ内関連記事>

「アルチンボルド展」(国立西洋美術館・上野)にいってきた(2017年7月7日)-16世紀「マニエリスム」の時代を知的探検する

書評 『愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎』(小宮正安、集英社新書ヴィジュアル版、2007)-16世紀から18世紀にかけてヨーロッパで流行した元祖ミュージアム ・・まさにアルチンボルドとルドルフ2世の時代精神そのもの

書評 『猟奇博物館へようこそ-西洋近代の暗部をめぐる旅-』(加賀野井秀一、白水社、2012)-猟奇なオブジェの数々は「近代科学」が切り落としていった痕跡 
・・この本もぜひ。おなじく17世紀から18世紀にかけてのフランスを中心に

書評 『身体巡礼-[ドイツ・オーストリア・チェコ編]-』(養老孟司、新潮社、2014)-西欧人の無意識が反映した「文化」をさぐる解剖学者の知的な旅の記録
・・カトリックの擁護者であったハプスブルク家の「心臓信仰」を取り上げている。また、プラハのユダヤ人墓地の話も面白い。あえて付け足せば、ゴーレム伝説は16世紀のプラハのカバリストによるものであり、神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の時代のプラハであったことを企画展でも取り上げて欲しかった

「大英自然史博物館展」(上野・科学博物館)にいってきた(2017年4月19日)-子どもはもちろん、大人も知的興奮を隠せない絶対に見にいくべきイベントだ!
・・この博物誌的収集活動は大英帝国が主導した資本主義そのものだが、その前史としてルドルフ2世も想起するといい

『生誕150年企画展 南方熊楠 100年早かった智の人』(国立科学博物館 東京・上野)に行ってきた(2017年12月22日)-「グローカル」で「智の巨人」であった南方熊楠の全体像を知る企画展


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