2020年8月3日月曜日

書評『拝啓、本が売れません』(額賀澪、文春文庫、2020)-タイトルに惹かれて一気読み


 『拝啓、本が売れません』(額賀澪、文春文庫、2020)。タイトルに惹かれて一気読み。今年(2020年)7月の新刊文庫本。面白かった。

著者は、1990年生まれで2015年に作家デビューした小説家らしい。というのは、ふだんほとんど小説を読まない私は、存在じたい知らなかったから。

「本が売れない時代」にどう本を売るか、売れる本をつくるか、そんな悩みというか不安にかられていた小説家が、本にかかわるさまざまなプロを尋ね歩いてアドバイスを請うという形のノンフィクション私小説。単行本は2018年に出版。

登場するのはライトノベルの敏腕編集者、岩手県盛岡市の仕掛けるスーパー書店員、WEBマーケティング・コンサルタント、映像プロデューサー、そしてブックカバーのデザイナー。

私自身は小説家ではないが、いちおう物書きの端くれではあるので、自分自身の問題として読んだことは言うまでもない。

だが、そういう関心は別にしても、本を売るためにはどうしたらいいか? 売れる本を作るにはどういしたらいいか? という問いに対する答えは、本以外のコンテンツについてもあてはまるのではないかと読んでみるのも、意味があるのではないかな。

最初から答えのでているビジネス書より、こういう本のほうが読んで意味があるのではないだろうか。

著者は、学んだアドバイスの数々をもとに、さまざまな仕掛けを行ったことを明かしている。効果も実証済みというわけだ。 単行本出版後の状況も、文庫版には書き込まれている。カバーイラストも単行本と文庫本では違いがある。

まあ、そんな読み方もあるだろうが、本好きな人は、単純に面白いと思いながら読めるはず。おすすめ。







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