2021年1月11日月曜日

チベットの仮面舞踏チャム-自然の生態系(エコ・システム)が仏教のあり方に影響する

(チベット仏教僧が演じる仮面舞踏チャム 筆者撮影)

チベット仏教で行われる「チャム」という仮面舞踊がある。僧侶が動物のかぶり物をして舞い踊る儀式だ。 

2009年のことだが、たまたま日本国内で見る機会があったので撮影。私が実見したのは、シカとウシ(写真の前方はシカ、後方がウシ)。ただし、チベットのウシは毛深いヤクウシ。ヒマラヤ山脈の向こうにあって、きわめて高度が高く、空気の薄いチベット高原に適応した動物がヤク。 

日本の仏教は日本の風土と自然生態系に、チベットの仏教はチベットの風土と自然生態系に適応した仏教が発達したのである。ヤクウシは、チベットの仏画タンカにも描かれている。 
   
宮澤賢治で有名な、岩手県の「鹿踊り」(ししおどり)というものがある。シカのかぶり物をした民俗舞踊である。これは仏教伝来以前の縄文的アニミズムの世界の残存というべきだろう。


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