西南学院大学は、福岡市にあるプロテスタント系（＊南部バプテスト連盟）のミッションスクールである。
その西南学院大学付属の博物館の2021年度の企画展として「ジュダイカ・コレクション－ユダヤ教の祝祭」が開催中とのことだ（会期は、2021年4月17日～7月31日）。
コロナ下だからというよりも、そもそもその企画展を見るためだけに、わざわざ福岡までいく気にはならないが、企画展のカタログは購入する価値がある。
『ジュダイカ・コレクション－ユダヤ教の祝祭－（西南学院大学博物館研究叢書）』 （山尾彩香、伊藤 慎二=監修、花乱社、2021）がそれだ。B5サイズの小さな本で、オールカラーの40ページ。amazon で入手可能だ。
「ジュダイカ」（Judaica）というのは、ユダヤ教関連の祭具などの総称である。「ジュダイカ」は、このほか "Encyclopedia Judaica"（ユダヤ百科事典）という形でも使用されるコトバだ。この百科事典は、大学図書館に全館揃っていたので卒論を書く際に大いに役に立った。
この企画展に出品されたコレクションは、西南学院大学の名誉教授だった関屋定夫氏のものとのことだ。プロテスタント系のミッションスクールだけに、キリスト教とその母体となったユダヤ教について、学生によく知ってもらいたいという気持ちで長年にわたって収集されたものであるようだ。
ユダヤ教に限らず一神教においては、神そのものは目に見ることはできないし、ましてやその像をつくることは偶像崇拝につながりかねないため禁止されているが、祭具にかんしてはざまざまなモノとして存在する。
モノをつうじてユダヤ教を知るためには、よいハンドブックとなると思うので、販売価格が 660円と手頃なこともあるので、ユダヤ教に関心のある人は購入しておくといいだろう。
「ユダヤ・キリスト教」という言い方が宗教学関連でなされることが多いが、ユダヤ教とキリスト教の違いを知ることは重要だ。
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