(名物の「唐揚げそば」。写真は「2ヶ唐揚げうどん」 筆者撮影)
我孫子と書いて「あびこ」と読む。東京メトロ千代田線を利用する人なら、この漢字を読めない人はいないだろう。
千葉県北西部に住んでいても、南北方向の移動はあまり行わない。だから、東京湾岸の船橋に住んでいるわたしは、内陸部の我孫子にいくことはほとんどない。
千代田線に接続した常磐線各駅停車の始発駅であり、JR成田線の始発駅でもある我孫子駅は、乗り換えのために下車したことがあるが、駅の外に出たのは今回が初めてだ。
本日は晴天なり。天気がいいので小旅行を実施。船橋市内からだと、新京成電鉄で終点の松戸までいって、そこで常磐線の快速に乗り換えるのが、もっとも安上がりである。ちょっと遠回りになるが、乗り換えも1回で済む。
今回の我孫子プチ旅行の目的は、手賀沼北岸の文学散歩。柳宗悦を筆頭に、志賀直哉や武者小路実篤といった「白樺派」の作家たちが、若い頃に手賀沼北岸に集まって「文士村」を形成していたのだ。
その話はまたのちほどにすることとして、まずは我孫子駅のホームで昼食とする。常磐線快速の我孫子行きが入選する1番線のホームで「弥生軒6号店」に入る。立ち食いそばの店である。B級グルメである。
(弥生軒6号店 筆者撮影)
注文したのは当然のことながら(?)、「2唐揚げ(2ヶ)そば・うどん」。660円也。「そば」ではなく「うどん」で注文。 (上掲の写真)
食べるのは2回目だが、それにしても鶏の唐揚げがでかい。しかも2つというと、丼が隠れる程だ。
まずは左の唐揚げ1つを片付けてから麵を食べる。 つぎに右の唐揚げを食べる。汁につかった唐揚げはうまい。ただし、汁に漬かっていると熱々になっている。
関西生まれのわたしは、関東の立ち食いそば店では汁は飲まずに済ませる。濃すぎる醤油味はいまでも苦手だ。とはいえ、この濃いいつゆに漬かった唐揚げが美味いのは確かなことだな、と。
ちなみに、この弥生軒という立ち食いそば店は、かつてかの山下清画伯が働いていたことで有名らしい。「裸の大将」である。 弥生軒は、天才画家・山下清(1922~1971)の画業を経済的に支えていたお店なのだ。
(店舗の外から見えるプレート 筆者撮影)
山下清が弥生軒で働いていたのは、戦中のことだったようだ。
「脱走から2年後の1942年(昭和17年)の20歳の時に、受けることになっていた徴兵検査を受けたくなかったため、更に放浪を続けた。千葉県我孫子市の我孫子駅売店弥生軒にて住み込みで働いていたのもこの頃で、半年ごとに放浪しては千葉に戻ってくる事を5年ほど繰り返したという」(Wikipediaより)
我孫子駅の「弥生軒」は、山下清が好きな人なら、「聖地巡礼」の目的地としても記憶されるべき場所であろう。
ということで、腹を満たしてから階段を上がって改札を出て、我孫子市内を手賀沼に向けて歩いて行く・・ (つづく)
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