2025年3月6日木曜日

政策研究大学院大学で開催されたインドネシアの元大統領スシロ・バンバン・ユドヨノ博士の「特別講義」に参加してきた(2025年3月6日)

 

 本日(2025年3月6日)、インドネシアの元大統領スシロ・バンバン・ユドヨノ博士(Dr. Susilo Bambang Yudhoyono)による「特別講義」(Special Lecture)に参加してきた。

主催と会場は、六本木にある政策研究大学院大学。訪問するのは10年ぶりくらいか? 特別講義のみならず議事進行もすべて英語のみ。




わたし自身は、インドネシアには2回行っているものの、仕事としてメインでかかわってきたわけではない。だが、ASEANの盟主で地域大国であるインドネシアは、人口規模が2億人を突破し、近未来の経済大国になることが予測されていることから、関心を持ち続けてきた。

インドネシアには、スハルト政権時代から、その崩壊を経て現在に至るまで、リアルタイムで関心を持ち続けてきた。 インドネシアのスラウェシ産の「トラジャ・コーヒー」を愛飲している。

1949年生まれのスシロ・バンバン・ユドヨノ博士は、退役陸軍大将の政治家で農業経済学で博士号をもつ実践的知性の持ち主米国でM.B.A. も取得している。大統領就任後の来日の際に、たしか2011年で日経主催だったと思うが、講演会をききにいっている。 

独立以来、中立を保ってきたインドネシアは、米中のはざまという地政学的状況下でどう生き抜いていくか、そしてまた日本との関係をどう発展させていくか、こういった大きなテーマについてナマの話を聞くことができた。
 
大統領職から離れてすでに10年以上たっているが、さすがアクチュアルな問題にかんしても一家言をもっている「知の人」である。レクチャーは「トランプ2.0」時代のウクライナの話から始まり、国際政治におけるインドネシアの立ち位置の確認がなされる。

インドネシアが 中ロを中心とする BRICS に加盟している10カ国の1つであることは、うかつなことにユドヨノ氏の発言を聞くまで知らなかった。どうやら、インドネシアは最新加盟国として 2025年1月6日 に加盟したようだ。ちなみに、アフリカのエチオピアは第9番目の参加国である。



インドネシアは独立の前後から日本との関係が密接であるが、スカルノ時代には非同盟諸国のリーダーとしてニュートラルな立場を維持してきた。

ASEANの盟主であり、OECDにも加盟しているインドネシアは、西側とみなされがちだが、インドとともに、いわゆる「グローバルサウス」の雄であることを再確認させられたわけである。独立後のインドもまた、非同盟諸国のリーダーであった歴史をもつ。

質疑応答にかんしても、インドネシアの留学生の農業政策にかんする質問や、日本人からの津波対策などの質問が有益であった。 島国で火山国、つまり地震国でもあるインドネシアと日本は共通の課題を抱えているのである。

 ふだんはこの手の講演会は YouTube 動画の視聴で済ませているが、たまにはその場で肉声を聴く機会をもつのもいいと思った次第。


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