2009年6月5日金曜日

「男の修行」(山本五十六)


 連合艦隊司令長官・山本五十六(1884-1943) は、越後長岡の人である。
 
 家臣・河井継之助(かわい・つぎのすけ 1827-1868)が指揮した長岡藩は、幕末維新の際、戊辰戦争において新政府軍と徹底抗戦を行った末に敗れ去った。司馬遼太郎の長編小説『峠 上下』(新潮文庫)は河井継之助の生涯を描いた名作である。もっと知られてよい作品だ。

 窮乏した藩士を救うために贈られた米百俵を、継之助のライバルであった小林虎三郎(1828-1877)が藩士に分配せず、売却して学校設立を行ったことは有名な逸話として残っている。藩士たちの抗議に対し、虎三郎は、「百俵の米も食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」として押し切った。いわゆる「米百俵精神」である。松本健一の『われに万古の心あり-幕末藩士小林虎三郎-』(ちくま学芸文庫、1999)という評伝に詳しい。

 こうして設立された国漢学校が発展して旧制新潟県立長岡中学校(現 新潟県立長岡高等学校)となった。長岡藩士の子弟であった山本五十六もここを卒業している。山本五十六は、いわば維新の「負け組」から立身した人間であることを覚えておきたい。会津ほどではないが、苦労人としてのルーツがここにある。

 この山本五十六には、リーダーシップの名言があり、世の中によく知られている。

やってみせて 言って聞かせて やらせて見て 
 ほめてやらねば 人は動かず


 これほど有名ではないが、噛みしめるに値する名言がある。「男の修行」という。

苦しいこともあるだろう
云い度いこともあるだろう
不満なこともあるだろう
腹の立つこともあるだろう
泣き度いこともあるだろう

 これらをじっと
 こらえてゆくのが

男の修行である


 一昨年、広島県の軍港・呉(くれ)市にある「大和ミュージアム」に行った際、ミュージアムショップでこの色紙を入手した私は、机上において、折にふれて見ては心を引き締めている。


(山本五十六の名言「男の修行」色紙です。男ならぜひ机上に一枚! 画像をクリック!)  




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「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」 には続きがあった!-山本五十六 その2


P.S.読みやすくするために、レイアウトなどに変更を加えた。ただし、内容には手はいれていない(2011年7月22日)


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