「酉の市」(とりのいち)は、関東ならではの冬の年中行事だが、まさか船橋大神宮(意富比神社 おほひ・じんじゃ)にもあるとはおもわなかった。
一般によく知られているのは、東京・浅草の鷺神社(おおとり・じんじゃ)であろう。もちろん関東各地に大鳥神社(おおとり・じんじゃ)は散在している。
大鳥の鳥(とり)は、酉の市の酉(とり)、大鳥が大取(おおとり)に通じることから、縁起物の熊手でがっぽり福をかき集めよう、という魂胆の、江戸時代以来の庶民信仰であるという。
船橋大神宮に酉の市があるのは、末社に大鳥神社をもつからだ。今年は12月6日が壱の酉、12月18日が弐の酉となっている。昨日、ウォーキングを兼ねて参詣しにいってきた。
もともと船橋大神宮は、このブログでも「船橋大神宮の奉納相撲」で書いたように、伊勢神宮系統で主祭神はアマテラスオオミカミであるが、そもそもの創建に東征途上のヤマトタケルが密接にかかわっていることから、末社として大鳥神社があるのだろう。
大鳥神社の祭神は、白鳥伝説で有名なヤマトタケルである。
『古事記』には、ヤマトタケルが東征の帰途、伊勢の鈴鹿周辺で病に倒れ、まさに辞世の歌であるスワン・ソング(白鳥の歌)を遺して30歳で没した後、没後に魂(たましひ)が白鳥になって河内の国まで飛び立った伝説が語られている。
武人変じて商売繁盛の神となる、なんだか不思議なかんじがしなくもないが、華人世界でも関羽という例もあるから決して不思議ではないのだろう。後者のほうは神話ではなくて歴史上の人物であり、計算が得意だったとされているらしいが。
ギリシア神話ではヘルメス(=マーキュリー)は商売の神でかつ泥棒の神、インドでは象の姿のガネーシャが商売の神様・・・それぞれの民族に、それぞれの商売の神様がいる。
露店で売っている縁起物の熊手は高いので、神社が頒布しているシンプルな熊手二種を購入した。大きいのが初穂料1,000円、小さいのは600円也。
来年は「商売繁盛」(!)といきたいものだ。よろしくお願いします!
二礼二柏一礼。
<関連サイト>
船橋大神宮(意富比神社 おほひ・じんじゃ)は、困ったことに、なぜかいまだにウェブサイトを開設していない(2011年11月3日現在)。仕方がないので、連絡先などが記載されているサイトを紹介しておこう。
船橋大神宮(タウンページ)
・・住所や連作先、そのたの情報が記載されている
意富比神社(おほひじんじゃ)(延喜式神社の調査)
*電話で確認したところ、今年2011年の大鳥神社の酉の市は12月8日。 (2011年11月3日 追記)
PS 公式サイトが2013年に開設されていた!
意富比神社 船橋大神宮 公式サイト
・・2013年に開設されていたようだ
(2016年1月2日 情報追加)
<ブログ内関連記事>
初詣は船橋大神宮で参拝、そして境内にある"木造の灯台"を見学してきた(2010年1月3日)
船橋大神宮の奉納相撲(毎年恒例10月20日開催)を見に行ってきた
船橋漁港の「水神祭」に行ってきた(2010年4月3日)
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