初級者向きのEVERNOTE入門のムックである、『ビジネス EVERNOTE-「劇的に」成果を上げる!活用事例が満載- (日経BPパソコンベストムック) 』(日経BP社、2011) をガイドにして EVERNOTE に入門してみよう。
EVERNOTE というのは、ネット上のストレージにデジタル情報を一元管理することができる便利なツールのことである。
基本的に、何ごとも自分のアタマのなかには入れずに、「外部記憶装置」として活用するという発想だ。
「脳を記憶から解法しましょう」というのが EVERNOTE のフィロソフィーのようだが、これは多くの人たちにアピールするチカラがあるだろう。ただし、私はやや懐疑的だ。
というのは、クリップして放り込んでため込んだ情報をどう使うかという「知的生産の方法」のほうが重要ではないか、と考えてしまうからだ。
世の中に万能のツールなど存在しない。
その点、このムックは操作方法よりも、どう使うかという点に重点を置いているのがよい。
目 次
特集1 Evernote導入で「劇的に」成果を上げた!9つの事例
Evernoteへの三つの視点
Evernoteとの連携で新しいサービスが生まれる
文学者のノート、科学者のノート
ゾウのお話 「ゾウは決して忘れない」ってホント?
Evernoteと連携して使える注目グッズ
iPadとEvernoteとビジネスパーソン
30年で大学ノート529冊 私が情報をまとめ続ける理由
ゾウのお話 Evernoteのトレードマークのゾウの種類は?
特集2 基本から応用まで操作Tips50
何を自分のアタマのなかにいれ、何を入れないか、これはひとりひとりが判断しなくてはならないことだ。そしてその判断軸をどう作り上げるか。
何も考えずに EVERNOTE に放り込んだまま使わない情報は、おそらくものすごい量になるだろう。検索機能で必要なものを必要なときに取り出せばいいと思っていると、そうなりがちではないだろうか。
検索の判断軸は個々人のものである。実は大きく差がつくのはこの部分だ。これは知識というよりも知恵に近い領域だ。使い方は自分で開発することである。いろいろな事例を参考にしながら。
情報をためこむのはいいが全然活用できない人。こういう人はネット以前から実に多かった。その意味ではデジタルデータにしてしまうと「検索さまさま」となるのだが、記憶のすべてをインターネットに依存することがいいかどうかはわからない。記憶しないで記録するというのがその趣旨か? 要はバランスであろう。
私も最近使い始めたが、とりあえずはとくに考えずに、情報をほうり込んでいる。だから使いこなすなんて状態からはほど遠い。いつもながら late adopter なので・・・
何ごとも「習うより慣れよ」(Practice makes perfect)だから、このムックを参考にしながら、習熟していきたいと思う。
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<関連サイト>
EVERNOTE(日本語版)
<ブログ内関連記事>
書評 『達人に学ぶ「知的生産の技術」』(知的生産の技術研究会編著、NTT出版、2010)
書評 『知の現場』(久恒啓一=監修、知的生産の技術研究会編、東洋経済新報社、2009)
書評 『ネット・バカ-インターネットがわたしたちの脳にしていること-』(ニコラス・カー、篠儀直子訳、青土社、2010)
書評 『脳の可塑性と記憶』(塚原仲晃、岩波現代文庫、2010 単行本初版 1985)
(2012年7月3日発売の拙著です)
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